失業保険の給付率・給付日数 早見表【2026年】年齢×離職理由×勤続年数別

失業保険の給付率・給付日数 早見表【2026年】年齢×離職理由×勤続年数別

※本ページにはプロモーションが含まれています

退職・雇用保険に関する公的情報を専門に扱うメディア。厚生労働省・ハローワーク公表資料をもとに、最新の雇用保険制度を利用者目線でわかりやすく解説しています。

「失業保険はいくらもらえる?」「自己都合と会社都合でどう違う?」――退職を考え始めると、最初にぶつかる疑問が失業保険(雇用保険の基本手当)の金額計算です。

本記事は、厚生労働省・ハローワーク公式資料に準拠した計算式、年齢×離職理由×勤続年数の3軸早見表、2025年4月の制度改正(給付制限2ヶ月→1ヶ月)を完全網羅した決定版ガイドです。読み終えれば、あなたが受給できる総額・受給開始日・月換算額がすぐに分かります。

この記事でわかること
  • 失業保険の計算方法(賃金日額→基本手当日額→総受給額の3ステップ)
  • 年齢別・勤続年数別・離職理由別の総受給額早見表
  • 2025年4月改正で自己都合退職はどう変わったか
  • 65歳以上・アルバイト併用・パート/派遣/契約社員の計算ルール
  • ハローワーク申請から初回振込までのスケジュール

【まず結論】あなたが受け取れる失業保険の目安

失業保険(雇用保険の基本手当)は、以下の3要素で決まります。

要素内容目安
基本手当日額1日あたりの支給額月給の約50〜80%を30で割った額(日額2,562〜9,110円の範囲)
所定給付日数支給日数自己都合90〜150日 / 会社都合90〜330日
総受給額日額×給付日数約23万円〜300万円(条件による)
典型ケースの受給額(30代・月給30万円の例)
  • 勤続5年・自己都合: 日額6,307円 × 90日 = 約56.8万円(初回振込まで約2ヶ月半)
  • 勤続10年・自己都合: 日額6,307円 × 120日 = 約75.7万円
  • 勤続10年・会社都合(35〜39歳): 日額6,307円 × 240日 = 約151.4万円(初回振込まで約5週間。30〜34歳は210日)

「自分の場合はいくら?」を正確に知りたい方は、年齢・月給・勤続年数・離職理由を入力するだけの失業保険計算シミュレーターをご利用ください。ハローワーク公式の計算式を実装した自動計算ツールで、日額・日数・総額が即座に算出されます。

 失業保険シミュレーターで計算する 

退職する前に、受け取れる給付金を確認したい方へ

退職する前に

退職ステーション

  • LINEで給付金の受給診断ができる(公式サイトの表示)
  • 無料の電話相談のあと、内容と料金に納得した場合だけ申し込む流れ
  • 給付金を受給できなかった場合、費用は発生しない(公式サイトの表示)

こんな人に在職中で退職を考えていて、退職前に給付金の申請準備を始めたい

受け取れる給付金をLINEで診断する

※退職ステーションはヤメラボの提携先(広告)です。サポート料金は受給金額の10〜15%(公式サイトの表示)。行うのは申請のサポートで、申請の代行ではありません。

失業保険の計算方法(基本3ステップ)

失業保険の金額は、①賃金日額 → ②基本手当日額 → ③総受給額の順に3ステップで計算します。厚生労働省およびハローワークが公表している公式計算式は、以下の通りです。

出典: ハローワーク インターネットサービス「雇用保険手続きのご案内」 / 厚生労働省「雇用保険制度」

①賃金日額の出し方(直近6ヶ月賃金合計÷180)

賃金日額は「離職直前6ヶ月の賃金総額(ボーナス・退職金を除く)÷ 180日」で算出します。

賃金日額の計算式

賃金日額 = (離職前6ヶ月の賃金合計)÷ 180日

※通勤手当・残業代・住宅手当など月々の手当は含みます。ボーナス(賞与)・退職金・臨時支給分は含みません。

例えば直近6ヶ月の月給が30万円なら、30万円 × 6 ÷ 180 = 10,000円が賃金日額です。

賃金日額の上限・下限(令和8年8月1日改定)

年齢ごとに上限・下限が定められており、これを超えると自動的に上限値に丸められます。

年齢上限額下限額(共通)
30歳未満14,900円3,203円
30〜44歳16,540円
45〜59歳18,220円
60〜64歳17,400円

出典: 厚生労働省「令和8年8月1日からの基本手当日額等の適用について」(雇用保険法第17条・第18条)。毎年8月1日に見直されるため、最新値は厚労省公式ページで確認してください。

②基本手当日額の出し方(給付率50〜80%)

基本手当日額は、賃金日額に「給付率50〜80%」を掛けて算出します。低賃金者を手厚く保護する設計のため、賃金日額が低いほど給付率は高くなります。

基本手当日額の計算式(30歳未満・30-44歳・45-59歳)
  • 賃金日額 3,203円以上5,480円未満: 日額 = 賃金日額 × 80%(給付率80%)
  • 賃金日額 5,480円以上13,490円以下: 日額 = 0.8w − 0.3 ×{(w − 5,480) ÷ 8,010}× w(給付率80〜50%で段階的に低下)
  • 賃金日額 13,490円超: 日額 = 賃金日額 × 50%(給付率50%)

※w = 賃金日額。1円未満は切り捨て。60-64歳は別式(給付率45〜80%)。出典: 厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日~)」

基本手当日額の上限(令和8年8月1日改定)

年齢基本手当日額の上限
30歳未満7,450円
30〜44歳8,270円
45〜59歳9,110円
60〜64歳7,830円

月給30万円・賃金日額10,000円・35歳の例で計算すると、0.8×10,000 − 0.3×{(10,000 − 5,480) ÷ 8,010}×10,000 = 6,307円(1円未満切り捨て)が基本手当日額です。月給40万円(賃金日額13,333円)では日額6,744円で給付率は約51%、月給50万円(賃金日額16,666円)は賃金日額の上限16,540円で頭打ちになり日額上限8,270円となるため、高所得者ほど実質給付率は下がります。

③総受給額の出し方(日額×所定給付日数)

総受給額は「基本手当日額 × 所定給付日数」です。所定給付日数は年齢・雇用保険被保険者期間・離職理由で決まります。

自己都合退職(一般受給資格者)の所定給付日数

雇用保険 被保険者期間給付日数(全年齢共通)
1年未満受給不可(自己都合は12ヶ月以上必要)
1年以上10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

会社都合退職・特定理由離職者(雇止め)の所定給付日数

年齢1年未満1〜5年5〜10年10〜20年20年以上
30歳未満90日90日120日180日—
30〜34歳90日120日180日210日240日
35〜44歳90日150日180日240日270日
45〜59歳90日180日240日270日330日
60〜64歳90日150日180日210日240日

出典: ハローワーク「基本手当の所定給付日数」(雇用保険法第22条・第23条)

45〜59歳で勤続20年以上の会社都合退職なら最大330日と手厚い給付が受けられます。日額上限9,110円で計算すれば、理論上の最大受給額は9,110円 × 330日 = 約300万円になります。

【早見表】年齢×離職理由×勤続年数別の総受給額

月給ごとに総受給額を算出した独自早見表です。賃金日額上限・下限を反映し、実際に振り込まれる金額の目安が分かります。

自己都合退職の総受給額早見表

月給基本手当日額(30-44歳)勤続5年
(90日)
勤続10年
(120日)
勤続20年
(150日)
15万円4,000円36.0万円48.0万円60.0万円
20万円5,036円45.3万円60.4万円75.5万円
25万円5,775円52.0万円69.3万円86.6万円
30万円6,307円56.8万円75.7万円94.6万円
35万円6,629円59.7万円79.5万円99.4万円
40万円6,744円60.7万円80.9万円101.2万円
50万円8,270円(上限)74.4万円99.2万円124.1万円

※30-44歳の自己都合退職を前提とした試算。他年齢は日額上限が異なります(30歳未満7,450円 / 45-59歳9,110円)。

会社都合退職の総受給額早見表

月給基本手当日額(35-44歳)勤続1年以上5年未満
(150日)
勤続5年以上10年未満
(180日)
勤続20年以上
(270日)
15万円4,000円60.0万円72.0万円108.0万円
20万円5,036円75.5万円90.6万円136.0万円
25万円5,775円86.6万円104.0万円155.9万円
30万円6,307円94.6万円113.5万円170.3万円
35万円6,629円99.4万円119.3万円179.0万円
40万円6,744円101.2万円121.4万円182.1万円
50万円8,270円(上限)124.1万円148.9万円223.3万円

※35-44歳の会社都合退職を前提とした試算(勤続10年以上20年未満は240日)。45-59歳で勤続20年以上は330日となり、最大約300万円の受給も可能。

特定理由離職者の総受給額早見表

特定理由離職者のうち有期契約の不更新(雇止め)に当たる人は、会社都合と同じ所定給付日数が適用されます(雇用保険法附則第4条・令和9年3月31日までの離職が対象)。給付制限もありません。病気・介護・転居など正当な理由のある自己都合は、給付制限はなくなりますが、給付日数は自己都合と同じです。雇止めに当たる人の場合、月給30万円・勤続10年・35歳なら約151.4万円と、通常の自己都合(75.7万円)比で約75.7万円多く受給できます。

自分が「自己都合」か「特定理由離職者」か判別しにくい場合は、後述の会社都合・特定理由離職者の判定ケース一覧をご確認ください。失業保険シミュレーターでも離職理由を選択して自動計算できます。

自己都合と会社都合で失業保険はどう違う?

失業保険で最も金額差が大きいポイントが、この「自己都合 vs 会社都合」の判定です。日額は同じでも、給付制限期間・所定給付日数の2点で大きな差が生まれます。

給付制限期間の違い(2025年4月改正で自己都合2ヶ月→1ヶ月)

2025年4月からの変更点

2025年4月1日以降の離職から、自己都合退職の給付制限期間が2ヶ月から原則1ヶ月に短縮されました。これにより、自己都合退職でも待期7日+給付制限1ヶ月=約1ヶ月7日で受給を開始できます。

出典: 厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」Q8

項目自己都合退職会社都合退職
待期期間7日7日
給付制限期間1ヶ月(2025年4月改正後)なし
初回振込までの目安約2ヶ月半約5〜6週間
国民健康保険料通常料金軽減措置あり(前年の給与所得を30%とみなして計算。届出が必要)

※今回を含めて5年以内に3回目以降の自己都合退職(過去の分は、失業手当の手続きとしてハローワークで求職申込みをしたものに限る)の場合は、給付制限が3ヶ月になります。

所定給付日数の違い

給付日数は会社都合のほうが大幅に長くなります。特に年齢が上がるほど、勤続年数が長いほど差が広がります。

例(35歳・勤続10年)自己都合会社都合差
所定給付日数120日240日+120日
総受給額(月給30万円・日額6,307円)75.7万円151.4万円+75.7万円
例(50歳・勤続20年)自己都合会社都合差
所定給付日数150日330日+180日
総受給額(月給60万円・日額上限9,110円)136.7万円300.6万円+164.0万円

50歳・勤続20年の例では、同じ条件でも離職理由が違うだけで約160万円の差が生まれます。そのため、会社都合に該当しうるケースは後述の判定ケース一覧で必ず確認してください。

受給総額のシミュレーション比較

ヤメラボの失業保険計算シミュレーターでは、同じ年齢・月給・勤続年数で「自己都合 / 会社都合」を切り替えて比較できます。「会社都合なら辞めて失業保険で生活を立て直せるか」という判断材料として活用してください。

 自動計算で受給額を比較する 

2025年4月の雇用保険制度改正で失業保険はどう変わったか

2025年4月の雇用保険制度改正は、失業保険の受給ルールに4つの大きな変更を加えました。自己都合退職でも受給開始が早まり、教育訓練を受ければ、受講を開始した日以後の給付制限が解除される大型改正です。実務に直結するポイントを順番に整理します。

2025年4月改正の主要4ポイント
  1. 自己都合退職の給付制限が2ヶ月→1ヶ月に短縮(待期7日+制限1ヶ月で約37日後から受給)
  2. 教育訓練を受講すれば給付制限が解除(教育訓練給付金の対象講座・公共職業訓練等。受講を開始した日以後)
  3. 5年以内で3回目以降の自己都合退職は給付制限3ヶ月のまま(今回を含めて数える・過去の分は失業手当の手続きとしてハローワークで求職申込みをしたものに限る/教育訓練受講で解除可)
  4. 育児期の手当の上乗せ(育児休業給付の給付率引き上げ等の関連改正)

出典: 厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)」 / 厚生労働省「雇用保険制度の改正内容について」

改正前後の自己都合退職の受給開始タイミング比較

項目改正前(2025年3月以前)改正後(2025年4月以降)
待期期間7日7日
給付制限期間2ヶ月1ヶ月
初回振込までの目安約3ヶ月半約2ヶ月半
教育訓練受講時の給付制限ハローワークの受講指示による公共職業訓練等のみ解除自分で受ける教育訓練でも、受講開始日以後は解除(ハローワークへの申出が必要)

月給30万円・勤続10年・35歳の自己都合退職の場合、改正前は受給開始まで約3ヶ月半(生活費ピンチ)でしたが、改正後は約2ヶ月半に短縮されました。日額6,307円換算で1ヶ月分(約19万円)の生活キャッシュフローが前倒しされたことになります。

教育訓練を受けて給付制限を解除する方法

2025年4月以降、対象の教育訓練を受けると、自己都合退職でも受講を開始した日以後は給付制限がかかりません(離職日前1年以内に受けていた場合は全期間)。対象になる訓練には次のものがあります。

  • 公共職業訓練(ハローワーク経由で申込・受講料無料)
  • 求職者支援訓練(法律上は公共職業訓練等に含まれます。ハローワークの指示なしで受ける場合の扱いは窓口で確認してください)
  • 教育訓練給付金対象講座(一般・特定一般・専門実践の3区分。最大80%の受講料給付)

自分で受ける教育訓練の場合は、訓練の開始日と修了日を確認できる書類を添えて、受給資格決定日または最初の失業認定日まで(その後に受講を始めた場合は、受講開始直後の認定日まで)にハローワークへ申し出ます。期限を過ぎると、さかのぼって解除はされません。対象は2025年4月1日以降に受講を開始した訓練で、重責解雇の場合は対象外です。詳細条件はハローワーク公式ページで必ず確認してください。

 改正後の受給額をシミュレーターで計算する 

65歳以上の失業保険(高年齢求職者給付金)

65歳以上で離職した場合、通常の失業保険(基本手当)ではなく「高年齢求職者給付金」という別制度が適用されます。

高年齢求職者給付金の計算式

雇用保険 被保険者期間給付額
1年未満基本手当日額 × 30日分(一時金)
1年以上基本手当日額 × 50日分(一時金)

出典: ハローワーク「基本手当について」(高年齢求職者給付金の説明を含む)(雇用保険法第37条の3、第37条の4)

通常の失業保険との違い

  • 一時金での一括支給(通常の失業保険は認定日ごとの分割支給)
  • 待期7日と給付制限は基本手当と同じ(雇用保険法第37条の4第6項が第21条・第33条第1項を準用。自己都合なら給付制限があります)
  • 年金と併給できる
  • 受給後も再就職手当の対象にならない

月給20万円・賃金日額6,666円・給付率約76%で日額5,036円・雇用保険の加入期間が1年以上の65歳なら、5,036円 × 50日 = 約25.2万円が一時金で支給されます。基本手当と高年齢求職者給付金のどちらになるかは離職日の年齢で決まり、境目は65歳の誕生日の前日です。基本手当は自己都合で90〜150日分、高年齢求職者給付金は30日分または50日分で、どちらが得かは人によって違います。なお、65歳になるまでの老齢厚生年金は、基本手当を受ける間は支給が止まります。

会社都合・特定理由離職者の判定ケース一覧(独自整理)

退職理由が会社都合または特定理由離職者と認定されれば給付制限がなくなり、会社都合と雇止めの特定理由離職者は給付日数も長くなります。以下は厚労省・ハローワーク公表の判定基準を、申請者が自分のケースに当てはめやすいよう独自に整理した一覧です。

特定理由離職者の第1種と第2種の分かれ方、認定されて動く金額の試算は特定理由離職者の認定条件と判定表で詳しく扱っています。

特定受給資格者(会社都合)に該当するケース

分類具体ケース
解雇懲戒解雇以外の解雇(普通解雇・整理解雇)
倒産倒産・破産・民事再生による事業所廃止
事業所の廃止事業所の閉鎖・合併・縮小
賃金未払い賃金の3分の1を超える額が支払日までに支払われなかった月が1か月以上ある、または全額の支払が支払日より遅れたことが1回以上ある(その月から1年以内の離職。その後、通常の支払が3か月以上続いた場合を除く)
賃金大幅低下賃金が85%未満に低下した場合
長時間労働離職前6ヶ月中に3ヶ月連続で月45時間超、又は1ヶ月100時間超、又は2-6ヶ月平均80時間超の時間外労働
ハラスメント上司・同僚からのパワハラ・セクハラで退職
職場差別性別・年齢・身体状態等の差別的扱いを受けて退職
退職勧奨会社からの退職勧奨に応じた場合
通勤困難事業所の移転で通勤時間が片道2時間以上になった

特定理由離職者に該当するケース

分類具体ケース
有期契約の不更新期間の定めのある契約で、更新の希望があったのに更新されなかった
正当な自己都合①体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力・聴力の減退等による退職
正当な自己都合②妊娠・出産・育児により離職し、受給期間延長措置を受けた
正当な自己都合③父母の死亡・疾病・負傷等で父母を扶養するため退職を余儀なくされた
正当な自己都合④配偶者又は扶養すべき親族と別居生活が困難となった(結婚による住所変更、事業所の通勤困難な場所への移転等)
正当な自己都合⑤企業整備による人員整理等で希望退職に応じた

出典: ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」

該当可能性がある場合は、離職票の退職理由を必ず確認してください。会社が「自己都合」と記載していても、タイムカード・給与明細・医師の診断書・ハラスメントの記録などを提出すれば、ハローワークで会社都合への変更が認められるケースがあります。退職代行を利用する場合、労働組合または弁護士運営のサービスなら、離職票の理由変更交渉まで依頼できます。サービスの比較は退職代行ランキングを参照してください。ハローワークへ申し出る具体的な手順と、主張したい実態ごとに効く証拠は離職票の離職理由への異議申立ての手順と証拠にまとめています。

アルバイトしながら失業保険を受ける場合の減額計算

失業保険の受給期間中でも、一定のルールを守ればアルバイトは可能です。ただし就労した日は基本手当が不支給または減額され、必ずハローワークへの申告義務があります。申告の期限(働いた日の後の最初の認定日)と、申告しなかった場合に起きる4段階の不利益は失業保険をもらいながらアルバイト|申告ルールと減額で条文つきに整理しています。

アルバイト可能な条件

  • 週20時間未満(これを超えると「就職」とみなされ受給終了)
  • 雇用保険に加入しない範囲(31日以上の雇用見込みがないこと)
  • 待期期間7日間中は原則働かない(働くと待期日数が延長される)

減額計算の公式ロジック

アルバイト時の支給額は、以下の3パターンで決まります。

アルバイト時の減額計算式

前提: 控除額 = 1,429円(令和8年8月改定)、賃金日額 = w、基本手当日額 = y、当日の収入 = x

  • ①全額支給: (x − 1,429) + y ≤ w × 80% の場合 → 基本手当日額 y の全額を支給
  • ②一部支給(減額): (x − 1,429) + y > w × 80% の場合 → y から超過分を差し引いて支給
  • ③不支給: x − 1,429 ≥ w × 80% の場合 → その日は不支給

例: 月給30万円・賃金日額10,000円・基本手当日額6,307円の人が、1日4時間未満の内職・手伝いで5,000円稼いだ場合、(5,000 − 1,429) + 6,307 = 9,878円 > 10,000 × 80% = 8,000円のため一部減額となり、9,878 − 8,000 = 1,878円が基本手当から差し引かれ、当日分は6,307 − 1,878 = 4,429円支給される計算になります(出典: 厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」)。1日4時間以上働いた日は「就労」として減額計算の対象にならず、その日の分は支給されず、受給期間(離職日の翌日から1年)内であれば後ろに繰り越されます(所定給付日数は減りません)。

申告を怠った場合のペナルティ

アルバイトを申告せずに受給した場合は不正受給となり、その日以後の基本手当が支給されなくなります(雇用保険法第34条第1項)。さらに受け取った額の返還と、不正に受けた額の2倍以下の納付を命じられることがあります(同法第10条の4第1項。合わせて最大3倍)。また悪質な場合は刑事告訴の対象になります。必ず認定日に「失業認定申告書」で申告してください。申告書の全6欄の書き方と、求職活動として認められる範囲を定めた条文は失業認定申告書の書き方|全6欄を条文で確定にまとめています。

パート・派遣・契約社員の失業保険計算の違い

パート・派遣・契約社員でも、雇用保険に加入していれば失業保険を受給できます。計算式自体は正社員と同じですが、いくつか注意点があります。

雇用保険の加入要件

雇用保険の加入要件(2026年4月時点)
  1. 週の所定労働時間が20時間以上
  2. 31日以上の雇用見込みがある
  3. 学生でないこと(昼間学生は原則対象外)

※2028年10月から週10時間以上に拡大予定(改正雇用保険法)。

雇用形態別の注意点

雇用形態計算上の注意点
パート・アルバイト時給×時間で日額が低くなるため、総受給額も少なくなる傾向。直近6ヶ月の実績賃金で計算
派遣社員登録型派遣で次の派遣就業の合意があり本人も希望していたのに、契約満了日までに派遣元から指示がなく離職した場合は特定受給資格者になる
契約社員(有期)更新を希望したのに更新されなかった場合は、雇用期間と更新の明示の有無で特定受給資格者(2A・2B)か特定理由離職者(2C)。自分から更新を望まなかった場合は、雇用期間3年未満なら2D(給付制限なし)、3年以上かつ更新1回以上なら原則3Cか4D(4Dは給付制限あり)(最後の更新のときに本人から「次で最後」と申し入れていた場合は2D)
日雇い・季節労働「日雇労働求職者給付金」「特例一時金」など別制度の対象になる場合あり

派遣・契約社員の方は、離職票の理由コードが2A〜2Dのどれかを確認してください。2Aと2Bは特定受給資格者、2Cは特定理由離職者、2Dは一般の離職者です。2A〜2Dには給付制限はかかりませんが、2Dは所定給付日数が年齢に関係ない表(最大150日)になるため、受給額が大きく変わります。ただし、雇用期間3年以上で更新が1回以上あった人が自分から更新を断った場合(最後の更新のときに本人から「次で最後」と申し入れていた場合は2D)や、派遣元から次の派遣就業を指示されたのに断った場合は、2A〜2Dではなく3Cか4Dになり、4Dなら給付制限がかかります。判定の順番は離職理由コード一覧にまとめています。

【独自早見表】パート・派遣・契約社員の総受給額

パート・派遣・契約社員は時給制・契約期間ありで受給額の計算が正社員と異なります。以下は各雇用形態で「直近6ヶ月の月収」から逆算した独自早見表です。給付率80%が適用される低所得帯ほど、所得に対する受給割合が高くなるのが特徴です。

パート・アルバイトの総受給額早見表(35歳・自己都合)

月収賃金日額給付率基本手当日額勤続5年
(90日)
勤続10年
(120日)
5万円1,666円
(下限3,203円適用)
80%2,562円23.1万円30.7万円
8万円2,666円
(下限3,203円適用)
80%2,562円23.1万円30.7万円
10万円3,333円80%2,666円24.0万円32.0万円
12万円4,000円80%3,200円28.8万円38.4万円
15万円5,000円80%4,000円36.0万円48.0万円
18万円6,000円約78%4,683円42.1万円56.2万円
20万円6,666円約76%5,036円45.3万円60.4万円

※ パート・アルバイトは雇用保険加入要件(週20時間以上・31日以上の雇用見込み)を満たしている前提で試算。月収5万円・8万円帯は賃金日額が下限3,203円を下回るため下限額が適用されます。

派遣社員の総受給額早見表(35歳・特定受給資格者の場合)

月収基本手当日額派遣勤続1〜5年
(150日)
派遣勤続5〜10年
(180日)
備考
20万円5,036円75.5万円90.6万円給付制限なし
25万円5,775円86.6万円104.0万円給付制限なし
30万円6,307円94.6万円113.5万円給付制限なし
35万円6,629円99.4万円119.3万円給付制限なし

※ 登録型派遣で、次の派遣就業の合意があり本人も希望していたのに契約満了日までに派遣元から指示がなく離職した場合(特定受給資格者・業務取扱要領50305)として試算。同じ派遣元で被保険者期間が3年以上ある人は、指示がないまま離職すれば2Aです。該当しない場合は2C(2027年3月31日までの離職なら同じ日数)か2D(算定基礎期間10年未満は90日・給付制限なし)になります。次の派遣就業の指示を断った場合は3Cか4D(4Dは給付制限あり)です。

契約社員の総受給額早見表(35歳・有期契約満了の場合)

月収基本手当日額更新を希望したが不更新(2C・3年未満)
1〜5年勤続(150日)
3年未満で自分から更新せず満了(2D)
1〜10年勤続(90日)
差額
20万円5,036円75.5万円45.3万円+30.2万円
25万円5,775円86.6万円52.0万円+34.7万円
30万円6,307円94.6万円56.8万円+37.8万円

契約社員は、更新を希望したのに更新されなかった「2C」と、自分から更新を望まなかった「2D」で受給額が30〜40万円違います(2Cの日数は2027年3月31日までの離職に適用される暫定措置です)。雇用期間3年以上かつ更新1回以上の人が自分から更新しなかった場合は、最後の更新のときに本人から「次で最後」と申し入れていた場合(2D)を除き、3Cか4D(4Dは給付制限が原則1か月)になる点にも注意してください。本当は更新を希望していたのに2Dで発行されている場合は、離職票の離職者記入欄に事実を書き、ハローワークで申し立ててください。

 パート・派遣・契約社員の受給額を計算する 

失業保険申請から受給までのスケジュール

離職票を受け取ってから初回の振込までの流れをタイムラインで整理します。

ハローワーク初回手続き

  1. 退職日: 会社から離職票が交付される(退職後10日〜2週間ほどで郵送されるのが目安)
  2. 離職票受領後: 居住地管轄のハローワークで求職申込み&離職票提出
  3. 受給資格決定日: この日から待期期間7日が始まる
  4. 雇用保険説明会(受給説明会): 日時は受給資格決定のときに知らされます。受給資格者証・失業認定申告書が交付される

初回手続きの持ち物は、離職票(-1・-2)・マイナンバー確認書類・本人確認書類・写真2枚・本人名義の預金通帳(またはキャッシュカード)です。離職票が退職後2週間を過ぎても届かない場合は、会社には資格喪失届と離職証明書をハローワークへ出す義務があり(雇用保険法施行規則第7条)、本人が求めれば離職証明書を交付する義務もあるため(同第16条)、まず会社(退職代行を利用した場合は退職代行経由)に発行を督促し、それでも届かなければ管轄ハローワークに相談してください。ハローワークから会社へ発行を促してもらえるほか、離職票が間に合わない場合の仮手続き(受給資格の仮決定)も認められています(仮手続きの日が待期の起算日になりますが、基本手当の支給は離職票を提出して正式に決定された後です)。詳しくは離職票が届かない場合の3段階対処法をご覧ください。休職期間満了で退職した場合は離職票が「6 その他」で届くため、特定理由離職者の認定手続きが別途必要です。手順は休職期間満了の退職|自然退職と失業保険の全手順にまとめています。

待期期間・給付制限期間・認定日の流れ

待期期間7日間は離職理由にかかわらず一律に適用されます。その後の給付制限が原則1ヶ月になるのは離職日が2025年(令和7年)4月1日以降の場合で、2025年3月31日以前の離職は原則2ヶ月のままです。失業の認定は原則4週間に1度行われ、基本手当は認定を行った日から通常5営業日で振り込まれます(出典: ハローワーク インターネットサービス「Q&A〜雇用保険給付について」 / 同「雇用保険の具体的な手続き」)。

初回振込までの日数の差自己都合は会社都合の約2倍待つ会社都合など自己都合0日目 ハローワークで受給資格決定待期期間 7日間(離職理由を問わず)給付制限なしすぐ受給対象に約28日目 認定日初回振込約35日目給付制限 1ヶ月この間は支給なし受給対象期間へ約37日目から約65日目 認定日初回振込約72日目※日数は目安。認定は4週間ごと※給付制限1ヶ月は2025年4月以降の離職※特定理由離職者も給付制限なし出典: ハローワーク(2026年9月確認)
受給資格決定日から初回振込までの日数(会社都合など 約35日目/自己都合 約72日目・2026年9月時点の目安)
タイミング会社都合退職自己都合退職(2025年4月改正後)
0日目受給資格決定日(ハローワーク初回来所)
1〜7日目待期期間(7日間)※この間に働いた日は待期に数えない
8日目〜受給対象期間開始給付制限期間(1ヶ月)
約28日目第1回失業認定日—
約35日目初回振込(認定日から約1週間後)—
約37日目〜—受給対象期間開始
約65日目—第1回失業認定日
約72日目—初回振込

振込タイミング

初回振込後は4週間ごとの認定日に求職活動実績を報告し、認定日から約1週間後に前回認定日〜今回認定日までの日数分が振り込まれます。

  • 会社都合: 離職から約5〜6週間で初回振込
  • 自己都合: 離職から約2ヶ月半〜3ヶ月で初回振込
  • 認定日までに原則2回以上の求職活動実績が必要(初回認定日のみ1回でOK)

出典: ハローワーク「Q&A〜雇用保険給付について」(待期・給付制限の期間) / ハローワーク「雇用保険の具体的な手続き」(認定日・振込)

この間の生活費が心配な方は、離職前から貯蓄を準備する、もしくは退職代行サービスを利用して有給消化や会社都合への変更交渉を依頼するという選択肢があります。サービスの比較は退職代行ランキングをご覧ください。貯金がほとんどない状態で辞める場合に必要な貯金額の逆算と、健康保険の任意継続の保険料試算は仕事辞めたいけどお金がないときの手続きにまとめています。

失業保険を増やす5つのコツ(合法)

同じ離職でも、手続きの工夫で受給額を最大化できます。以下はすべて法令・ハローワーク公式の範囲内で合法に使えるテクニックです。

①離職理由を正確に確認する

最大の増額ポイントは「会社都合 or 特定理由離職者」の認定を受けることです。ハラスメント・長時間労働・賃金未払いなどの証拠(タイムカード・給与明細・診断書・メール履歴等)がある場合、ハローワークで離職理由の変更申立てができます。認定されれば給付制限なし+長い給付日数が得られ、数十万円単位の増額になります。

②賃金日額の計算対象月を把握する

賃金日額は「離職前6ヶ月」の賃金で決まります。繁忙期で残業代が多い時期に離職すると日額が上がるため、可能なら残業代が多い月を6ヶ月含めるタイミングで退職するのが有効です。ただし退職時期をコントロールできる人のみ適用可能。

③受給期間の延長制度を活用する

妊娠・出産・育児・病気・介護などで働けない期間は、受給期間を最大3年延長できます(通常の受給期間1年+延長最大3年=最大4年)。延長中は受給開始しないため、働ける状態に戻ってから満額受給が可能です。申出ができるのは、引き続き30日以上働けなくなった日の翌日から、延長後の受給期間の最後の日まで(最長で離職日の翌日から4年)です(雇用保険法施行規則第31条第3項)。療養から復帰して受給に移るまでの手順は傷病手当金から失業保険への切り替え手順にまとめています。

④再就職手当を狙う

所定給付日数を3分の1以上残して再就職した場合、残り日数の60〜70%を一時金として受給できます(再就職手当)。支給残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%です(雇用保険法第56条の3)。日額6,307円×120日の自己都合で、残り75日(3分の2未満なので60%)で再就職すれば75日×60%×6,307円=約28.4万円の一時金。失業保険と再就職手当の両方を得られる設計です。

自分の基本手当日額と就職日で計算したい場合は、再就職手当の計算シミュレーションで給付率と金額、70%になる就職日の期限を確認できます。

⑤教育訓練給付金・職業訓練を活用する

ハローワーク所長の受講指示を受けて公共職業訓練を受ける場合は、訓練期間中は給付制限が解除され、給付日数の延長(訓練延長給付)も受けられます。自己都合で給付制限中の人が受講指示を受けて訓練を開始すると、すぐに受給開始できる大きなメリットがあります。

訓練延長給付は待期中・受講中・修了後の3つに分かれ、受講指示を受けられる支給残日数にも締切があります。条件と早見表は職業訓練で失業保険を延長|訓練延長給付の条件で確認してください。

失業保険以外の給付金も受け取れる可能性があります

失業保険は生活を支える制度ですが、心身の不調が退職理由の場合、失業保険とは別に傷病手当金などの社会保険給付金を受け取れることがあります。制度が分かれているため、自分がどれに該当するかを見落としたまま受給し損ねるケースが少なくありません。申請可否の判断だけでも専門窓口に確認しておくと安全です。

失業保険以外の給付金もまとめて確認したい方へ

退職する前に

退職ステーション

  • LINEで給付金の受給診断ができる(公式サイトの表示)
  • 無料の電話相談のあと、内容と料金に納得した場合だけ申し込む流れ
  • 給付金を受給できなかった場合、費用は発生しない(公式サイトの表示)

こんな人に在職中で退職を考えていて、退職前に給付金の申請準備を始めたい

受け取れる給付金をLINEで診断する

※退職ステーションはヤメラボの提携先(広告)です。サポート料金は受給金額の10〜15%(公式サイトの表示)。行うのは申請のサポートで、申請の代行ではありません。

よくある質問

Q1. 失業保険はいくらもらえますか?

離職前6ヶ月の賃金合計を180で割った賃金日額に給付率50〜80%を掛けた基本手当日額を、所定給付日数分受給できます。月給30万円・勤続10年・35歳の自己都合退職の場合、日額約6,307円×120日=約76万円が総受給額の目安です。正確な金額は失業保険シミュレーターで確認できます。

Q2. 2025年4月の失業保険改正で何が変わりましたか?

2025年4月1日以降の離職から、自己都合退職の給付制限期間が2ヶ月から原則1ヶ月に短縮されました。これにより、自己都合でも約1ヶ月7日で受給開始できるようになり、会社都合との差が縮まりました。

Q3. 失業保険に税金や社会保険料はかかりますか?

基本手当は非課税です。所得税・住民税ともにかからず、確定申告も不要。ただし受給中は会社の健康保険を抜けるため、国民健康保険・国民年金に自身で加入する必要があります。

Q4. 退職金・ボーナスは賃金日額に含まれますか?

含まれません。賃金日額は月々の給与(基本給+通勤手当・残業代・住宅手当等)のみで計算し、賞与・退職金・臨時給付金は除外されます。

Q5. 自己都合でも会社都合に変更できますか?

可能なケースがあります。パワハラ・長時間労働・賃金未払いなどの証拠がある場合、ハローワークに申し立てることで離職理由の変更(会社都合・特定理由離職者への認定)が認められることがあります。タイムカード・給与明細・診断書・メール記録を揃えて相談してください。

Q6. 65歳以上は失業保険をもらえますか?

65歳以上は高年齢求職者給付金として、基本手当日額の30日分(雇用保険の加入期間1年未満)または50日分(1年以上)が一時金で支給されます。年金との併給が可能です。待期7日と、自己都合の場合の給付制限は基本手当と同じようにあります。受給期限は離職日の翌日から1年で、延長はできません。

Q7. アルバイトしながら失業保険をもらえますか?

週20時間未満・雇用保険に加入しない範囲であれば可能です。ただし就労した日は基本手当が不支給または減額され、必ずハローワークへの申告が必要です。申告しないと不正受給となり、以後の支給が止まるほか、返還に加えて不正受給額の2倍以下の納付を命じられることがあります(合わせて最大3倍)。

Q8. 派遣社員の契約終了は自己都合ですか?

契約期間の満了で辞めた場合、多くは契約期間満了の区分(2A〜2D)になり、2A〜2Dには給付制限がかかりません。ただし、雇用期間が3年以上で更新が1回以上あった人が自分から更新を断った場合(最後の更新のときに本人から「次で最後」と申し入れていた場合は2D)や、派遣元から次の派遣就業を指示されたのに断った場合は、3C(正当な理由あり)か4D(正当な理由なし)になり、4Dなら給付制限がかかります。登録型派遣で、次の派遣就業の合意があり本人も希望していたのに満了日までに派遣元から指示がなかった場合は特定受給資格者です。区分ごとの違いは離職理由コード一覧で確認してください。

Q9. 失業保険の受給期間を延長できますか?

妊娠・出産・育児・病気・介護などで30日以上働けない場合、最大3年の受給期間延長が可能です(通常1年+延長3年=最大4年)。申請できるのは、引き続き30日以上働けなくなった日の翌日から、延長後の受給期間の最後の日まで(離職日の翌日から最大4年)です(雇用保険法施行規則第31条第3項)。期限は長めですが、申請が遅いと、延長されても受給期間内に所定給付日数をすべて受け取れなくなることがあるため、働けない状態が30日続いた時点で早めに申請してください。

Q10. 退職代行を使っても失業保険はもらえますか?

問題なくもらえます。失業保険の受給資格は雇用保険の加入期間と求職活動の意思で決まり、退職の伝え方(自分で伝えたか退職代行が伝えたか)は受給要件に影響しません。退職代行を使った退職は原則「自己都合退職」に分類されますが、パワハラ・長時間労働等が原因なら特定受給資格者として会社都合と同等の給付を受けられる場合があります。労働組合・弁護士運営の退職代行なら、離職理由の会社都合への変更交渉まで依頼でき、受給額を増やせる可能性があります。サービスの比較は退職代行ランキングをご覧ください。

Q11. 職業訓練を受けると失業保険はどうなりますか?

ハローワーク所長の受講指示を受けて公共職業訓練を受ける場合は、給付制限が解除され、訓練期間中は給付日数が延長されます。さらに受講手当(日額500円)・通所手当(交通費)も支給され、実質的に受給総額が増えます。自己都合で給付制限中の人に特に有利な制度です。

Q12. 2025年4月から教育訓練を受けると給付制限はどうなりますか?

2025年4月1日以降に受講を始めた一定の教育訓練(教育訓練給付金の対象講座など)を、離職日前1年以内または離職日以後に受けた場合は、ハローワークに申し出ることで自己都合退職の給付制限が解除されます(離職日以後に受ける場合は、受講を開始した日以後。重責解雇は対象外)。

Q13. パートで月給10万円の場合、失業保険はいくらもらえますか?

賃金日額は10万円×6÷180=約3,333円です。下限額3,203円を上回るため給付率80%が適用され、基本手当日額は約2,666円。勤続10年・35歳の自己都合なら2,666円×120日=約32万円が総受給額の目安です。パートは時給制のため、繁忙月の時給アップ・残業を含めた直近6ヶ月の実績で日額が決まります。

Q14. 派遣社員の契約終了は会社都合になりますか?

登録型派遣で、次の派遣就業について派遣元と本人の双方が合意・共通認識を持っており、本人も引き続き派遣就業を希望していたのに、雇用契約の満了日までに派遣元から次の派遣就業を指示されずに離職した場合は、特定受給資格者として扱われます(業務取扱要領50305)。同じ派遣元で被保険者期間が3年以上ある人は、指示がないまま離職すれば2A(特定受給資格者)です。逆に、派遣元から次の派遣就業を指示されたのに断った場合は、3C(正当な理由あり)か4D(正当な理由なし)になり、4Dなら給付制限がかかります(業務取扱要領21503)。

Q15. 契約社員の雇い止めは特定理由離職者になりますか?

本人が更新を希望していたのに更新されなかった場合、コードは雇用期間と更新の明示の有無で分かれます。雇用期間3年以上かつ更新1回以上の人は2Aか1A、更新が確約されていれば2B(いずれも特定受給資格者)、それ以外で満了日までに更新を申し出ていれば2C(特定理由離職者)です。本人が更新を望まずに満了で辞めた場合、雇用期間3年未満なら2D(給付制限なし)、3年以上かつ更新1回以上なら原則3Cか4D(4Dは給付制限あり)です。ただし、最後の更新のときに本人から「次で最後」と申し入れて満了した場合は2Dです。

Q16. 離職票が届かない・会社が発行してくれない場合はどうすればいい?

会社には、退職日の翌々日から10日以内に資格喪失届と離職証明書をハローワークに出す義務があります(雇用保険法施行規則第7条)。離職票はそれを受けてハローワークが発行します。退職後2週間以上経っても届かない場合は、まず会社(退職代行を利用した場合は退職代行経由)に発行を督促し、それでも届かなければ管轄ハローワークに相談してください。ハローワークから会社へ発行を促してもらえるほか、離職票なしでの仮手続き(受給資格の仮決定)も可能です。仮手続きの日が待期の起算日になりますが、基本手当の支給は離職票を提出して正式に決定された後です。

関連ツール

関連記事

受給額を最大化するための次のアクション

失業保険の計算は「①賃金日額 → ②基本手当日額 → ③総受給額」の3ステップで完結します。最も重要なのは離職理由の判定で、自己都合と会社都合では総受給額が数十万〜150万円以上変わるケースもあります。受給額を最大化するには、退職前に以下の3つを順番に実行してください。

  1. 受給額を試算する: 失業保険計算シミュレーターで年齢・月給・勤続年数・離職理由を入力し、改正後の最新式で自動計算します。自己都合と会社都合の差額が一目でわかるため、退職時期と理由の判断材料になります。
  2. 離職理由の変更余地を確認する: パワハラ・長時間労働・賃金未払い・契約更新の希望ありなどの事情があれば、特定受給資格者・特定理由離職者への認定を狙う。タイムカード・給与明細・診断書・メール記録を退職前に集めておく。
  3. 2025年4月改正の教育訓練を活用する: 公共職業訓練等・教育訓練給付金対象講座を受講すれば、自己都合退職でも受講を開始した日以後は給付制限が解除されます(ハローワークへの申出が必要)。

会社との退職交渉が難しい場合は、労働組合・弁護士法人運営の退職代行を利用することで、有給消化交渉や離職理由の変更を依頼できます。失業保険を最大化したい方は退職代行ランキングも併せてご覧ください。

 失業保険シミュレーターで今すぐ計算する