退職代行は妊娠中でも使える|マタハラ対処と給付金

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「つわりで出社できないのに、上司に『妊娠は自己都合だろ』と言われた」「退職したいけど、出産手当金がもらえなくなるのが怖い」——妊娠中の退職には、体調面の不安だけでなく、マタハラや給付金の損失リスクがつきまといます。
結論として、妊娠中でも退職代行は利用できます。そして男女雇用機会均等法第9条第3項により、妊娠を理由とした解雇・退職勧奨・降格・減給は全て違法です。
この記事では、マタハラの法的整理、退職タイミング別の給付金シミュレーション、おすすめの退職代行サービスまで、妊娠中に退職を考えている方が知るべき情報を全て整理します。
この記事の内容
マタハラは違法|均等法9条3項の保護内容
妊娠を理由とした不利益取扱いは、男女雇用機会均等法第9条第3項で明確に禁止されています。この法律は正社員だけでなく、契約社員・派遣社員・パート・アルバイトにも適用されます。
禁止される不利益取扱い9項目
厚生労働省のガイドラインでは、以下の行為が均等法違反にあたるとされています。
| 不利益取扱い | 具体例 |
|---|---|
| 解雇 | 妊娠報告後に解雇通知を出す |
| 退職勧奨 | 「妊娠したなら辞めたら?」と退職を促す |
| 降格 | 妊娠報告後に役職を外す |
| 減給 | つわり休暇を取った月の基本給を減額する |
| 不利な配置転換 | 通勤困難な遠方への異動命令 |
| 契約更新の拒否 | 「妊婦は更新しない」と通告する |
| 正社員から非正規への変更 | パートへの切り替えを強要する |
| 昇進・昇格の対象外 | 「産休を取る人は昇格させない」 |
| 不利な自宅待機命令 | 必要性がないのに自宅待機させる |
解雇は原則無効
均等法第9条第4項は、妊娠中および出産後1年以内の女性労働者に対する解雇を原則無効としています。会社側が「妊娠・出産が理由ではない」と証明できなければ、解雇そのものが成立しません。
さらに、労働基準法第19条では産前6週間・産後8週間の休業期間およびその後30日間は解雇が禁止されています。
マタハラを受けた場合の対処法
退職する・しないに関わらず、マタハラの証拠は保全しておくべきです。
- メール・LINEのスクリーンショットを保存する
- 会話はスマホで録音する(自分が参加している会話の録音は合法です)
- 日付・時刻・発言内容をメモに記録する
- 都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談する(厚生労働省 都道府県労働局一覧)
退職タイミング別|給付金シミュレーション
妊娠中の退職で最も大きな損失リスクは、出産手当金と育児休業給付金の受給資格を失うことです。退職タイミングによって受け取れる金額が大きく変わります。
パターンA: 産休前に退職する場合
| 給付金 | 受給可否 | 条件 |
|---|---|---|
| 出産手当金 | 条件付きで可能 | 退職日が出産予定日の42日前以降で、退職日に出勤していないこと。健康保険の被保険者期間が継続1年以上(健康保険法第104条) |
| 育児休業給付金 | 受給不可 | 退職すると雇用保険の被保険者資格を喪失するため |
| 出産育児一時金 | 受給可能 | 退職後も健康保険・国保から50万円が支給される |
| 失業保険 | 延長申請で受給可能 | 妊娠中はすぐに働けないため、受給期間を最大4年間延長できる |
パターンB: 産休に入ってから退職する場合
| 給付金 | 受給可否 | 条件 |
|---|---|---|
| 出産手当金 | 受給可能 | 産休中に退職届を提出。退職日に出勤しなければ退職後も残りの期間分を受給できる |
| 育児休業給付金 | 受給不可 | 育休開始前に退職するため対象外 |
| 出産育児一時金 | 受給可能 | 50万円 |
| 失業保険 | 延長申請で受給可能 | パターンAと同じ |
パターンC: 育休取得後に退職する場合
| 給付金 | 受給可否 | 条件 |
|---|---|---|
| 出産手当金 | 受給済み | 産休期間中に全額受給完了 |
| 育児休業給付金 | 退職日まで受給可能 | 育休中にやむを得ず退職した場合、退職日が属する支給単位期間の末日まで受給できる |
| 出産育児一時金 | 受給済み | 50万円 |
| 失業保険 | 延長申請で受給可能 | 育児のため求職活動ができない場合に延長可能 |
給付金の金額シミュレーション(月給25万円の場合)
退職タイミングによる給付金の差額を具体的に示します。
| 給付金 | パターンA(産休前退職) | パターンC(育休後退職) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 出産手当金(98日分) | 条件次第で約54万円 | 約54万円 | 0円 |
| 育児休業給付金(6ヶ月) | 0円 | 約100万円 | 約100万円 |
| 出産育児一時金 | 50万円 | 50万円 | 0円 |
| 合計 | 約104万円 | 約204万円 | 約100万円 |
育児休業給付金だけで約100万円の差が生じます。ただし、マタハラで精神的に追い詰められている場合や、つわりで出社が困難な場合は、母体と赤ちゃんの安全が最優先です。給付金のために心身を壊しては本末転倒です。
妊娠中に退職代行を使う3つの理由
妊娠中の退職で退職代行を選ぶ理由は、体調面・心理面・法的面の3つに集約されます。
理由1: つわりや体調不良で出社・電話ができない
つわりは妊娠5〜16週頃にピークを迎え、日常生活に支障が出るレベルの「妊娠悪阻(にんしんおそ)」は全妊婦の約1〜2%に発生します。この状態で上司との面談や退職手続きをこなすのは現実的ではありません。
退職代行ならLINEで申し込むだけで、出社も電話も一切不要です。申し込み翌朝には会社への連絡が完了します。
理由2: マタハラの加害者と直接交渉したくない
マタハラを行っている上司に退職の意思を伝えることは、さらなるハラスメントを誘発するリスクがあります。「妊娠したから逃げるのか」「無責任だ」といった発言で退職を阻止しようとするケースが報告されています。
退職代行を間に入れることで、加害者との直接接触を完全に回避できます。弁護士法人のサービスであれば、マタハラに対する損害賠償請求の相談も可能です。
理由3: 退職日に出勤しないことが出産手当金の受給条件
出産手当金の退職後継続受給には「退職日に出勤していないこと」が条件です(健康保険法第104条)。退職代行を利用すれば、退職日に会社へ行く必要がなく、この条件を自動的にクリアできます。
自分で退職する場合、「最後の日くらい挨拶に来い」と言われて出勤してしまい、出産手当金の受給資格を失うリスクがあります。退職代行なら最初からその心配がありません。
おすすめ退職代行3選(妊娠中の方向け)
妊娠中の退職には、マタハラ対応の可否・給付金手続きのアドバイス・女性スタッフの在籍が重要な選定基準です。以下3社は、いずれも妊娠中の方の利用実績があるサービスです。
1位|弁護士法人ガイア法律事務所 — マタハラの法的対応が必要な方に
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 25,300円〜(税込) |
| 運営主体 | 弁護士法人 |
| 対応時間 | 24時間(LINE) |
| マタハラ対応 | 損害賠償請求・未払い残業代請求が可能 |
| 成功報酬 | 残業代等の請求時に20〜30% |
マタハラで降格・減給・退職勧奨を受けた場合、弁護士法人なら退職だけでなく損害賠償請求まで一括で対応できます。会社が「妊娠は関係ない」と主張しても、均等法9条4項により「妊娠・出産が理由でないこと」の証明責任は会社側にあります。弁護士がこの点を突けるのが最大の強みです。
2位|わたしNEXT — 女性特化のサポートで安心
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 正社員 21,800円 / パート 18,800円(税込・別途組合費1,000円) |
| 運営主体 | 労働組合(合同労働組合toNEXTユニオン) |
| 対応時間 | 24時間(LINE) |
| 特徴 | 女性スタッフが対応、退職後2週間のアフターフォロー |
女性特有の悩み——マタハラ・セクハラ・人間関係の問題に寄り添ったサポートが特徴です。女性スタッフが対応するため、妊娠に関するデリケートな相談もしやすい環境が整っています。労働組合運営のため有給消化の交渉も可能です。
進捗状況が分からないタイミングが多かったので、少し不安になったのは気になりました。
出典: ベンナビ労働問題
3位|退職代行 即ヤメ — コスパ重視で最短即日退職
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 24,000円(キャンペーン税込) |
| 運営主体 | 労働組合 |
| 対応時間 | 24時間(LINE) |
| 特徴 | 後払い対応可、最短即日退職 |
出産費用・ベビー用品などで出費がかさむ妊娠中は、退職代行の費用も抑えたいところです。即ヤメは24,000円(キャンペーン税込)で後払いにも対応しており、「今すぐ退職したいが手持ちがない」場合にも利用できます。申し込みから最短即日で会社への連絡が完了します。
退職前に確認すべき3つの注意点
妊娠中の退職には、一般的な退職にはない固有のリスクがあります。以下の3点は退職代行に申し込む前に必ず確認してください。
注意1: 出産手当金の継続受給条件を確認する
退職後も出産手当金を受け取るための条件は3つです。
- 退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あること
- 退職日が出産予定日の42日前以降であること(支給対象期間内)
- 退職日に出勤していないこと
特に3つ目の「退職日に出勤していないこと」は見落としやすい条件です。退職代行を利用すれば退職日に出勤する必要がないため、この条件は自動的にクリアされます。
注意2: 健康保険の切り替え手続きを忘れない
退職後14日以内に国民健康保険への加入手続きが必要です。または、退職日の翌日から20日以内であれば任意継続被保険者として前の健康保険を最大2年間継続できます。
妊婦健診や出産費用は高額になるため、健康保険の空白期間を作らないことが重要です。配偶者がいる場合は、配偶者の扶養に入る選択肢もあります。
注意3: 失業保険の受給期間延長手続きをする
妊娠中は「すぐに働ける状態」ではないため、失業保険をすぐに受給することはできません。ただし、退職後30日を経過した日の翌日から1ヶ月以内にハローワークで「受給期間延長」の手続きをすれば、最大4年間まで受給開始を延長できます。
延長手続きに必要な書類は、離職票・母子健康手帳・本人確認書類の3点です。郵送でも手続き可能なので、体調が優れない場合は郵送を利用してください。
退職代行の利用ステップ
妊娠中の退職代行は、通常の退職代行と基本的な流れは同じです。ただし、給付金に関する確認事項が追加されます。
ステップ1: LINEで無料相談する
体調が安定しているタイミングで、退職代行サービスにLINEで連絡します。妊娠中であること、出産予定日、マタハラの有無を伝えてください。出産手当金の受給条件に関わるため、健康保険の被保険者期間も確認されることがあります。
ステップ2: 退職日を決める
出産手当金の継続受給を希望する場合は、退職日を出産予定日の42日前以降に設定してください。有給休暇が残っている場合は、有給消化期間の最終日を退職日にするのが最も有利です。
ステップ3: 申し込み・入金
退職日が決まったら、正式に申し込みと入金を行います。後払い対応のサービスであれば、手持ちが少ない場合でも先に退職手続きを進められます。
ステップ4: 退職代行が会社に連絡
指定した日の朝、退職代行業者があなたの代わりに会社へ連絡します。あなたは自宅で待つだけです。出社も電話対応も必要ありません。
ステップ5: 退職完了・書類の受け取り
退職が確定したら、離職票・源泉徴収票・健康保険資格喪失証明書などが郵送で届きます。届いたら速やかに健康保険の切り替えと失業保険の受給期間延長の手続きを行ってください。
よくある質問
Q. 妊娠中に退職代行を使うと不利になりますか?
不利になりません。退職代行の利用は合法であり、妊娠中であっても民法第627条に基づき退職届を提出してから2週間で退職が成立します。均等法9条3項により、妊娠を理由とした不利益取扱いは禁止されています。
Q. 出産手当金は退職後ももらえますか?
退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あり、退職日に出産手当金の支給対象期間内(出産予定日の42日前〜出産翌日から56日後)であれば、退職後も受給できます(健康保険法第104条)。退職日に出勤していないことも条件です。
Q. 妊娠中に退職すると育児休業給付金はもらえなくなりますか?
はい、育児休業給付金は雇用保険の被保険者が育児休業を取得することが前提です。退職すると受給資格を失います。月給25万円の場合、育休6ヶ月間だけで約100万円の給付になるため、育休取得後の退職も選択肢として検討してください。
Q. マタハラを受けていて退職代行を使いたいのですが、証拠は必要ですか?
退職代行を利用するだけなら証拠は不要です。ただし、マタハラについて損害賠償請求や労働局への相談を検討する場合は、メール・LINE・録音などの証拠を保全しておくと有利です。弁護士法人の退職代行なら法的対応も含まれます。
Q. 妊娠中に退職した場合、失業保険はどうなりますか?
妊娠中はすぐに働ける状態ではないため、失業保険の受給はできません。ただし、ハローワークで受給期間延長の手続きをすれば、最大4年間まで受給開始を延長できます。出産後に求職活動を開始した時点から受給が始まります。詳しくは失業保険 給付額計算ツールをご利用ください。
Q. つわりがひどくて出社できません。退職代行に申し込めますか?
申し込めます。退職代行はLINEやメールで完結するため、出社や電話は一切不要です。体調が悪い日でもスマホから申し込むだけで、翌朝には会社への連絡が完了します。
妊娠中の退職で後悔しないための判断基準
妊娠中の退職を迷っている方は、以下の3パターンで判断してください。
パターン1: マタハラで心身に危険がある場合 → 即退職
降格・減給・退職勧奨などのマタハラを受けている場合、母体と赤ちゃんの安全が最優先です。弁護士法人ガイアに相談し、退職と損害賠償請求を同時に進めてください。
パターン2: つわりで出社困難だが会社に問題はない場合 → 母性健康管理措置を利用
均等法第13条に基づき、会社は妊婦の申請に応じて時差通勤・勤務時間短縮・休業等の措置を取る義務があります。まず会社にこの制度の利用を申請し、それでも改善しない場合に退職を検討するのが合理的です。
パターン3: 職場環境は問題ないが辞めたい場合 → 育休取得後の退職を検討
給付金の観点では、育休取得後の退職が最も有利です(パターンCの約204万円)。育休明け退職の詳細はこちらの記事で解説しています。
いずれのパターンでも、女性向けの退職代行や退職代行ランキングも合わせて確認し、自分の状況に最適なサービスを選んでください。
