退職代行と傷病手当金|退職後の継続受給5条件と申請方法

退職代行と傷病手当金|退職後の継続受給5条件と申請方法

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労働問題専門メディア編集部

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退職代行を使っても、傷病手当金は継続受給できます。ただし1つだけ絶対に守らなければならない条件があります——退職日に出勤しないことです。

退職代行を利用すれば、この条件は自動的にクリアされます。退職の連絡は代行業者が行い、あなたは退職日当日に出社する必要がないためです。

一方で、退職日に一度でも出勤してしまうと、傷病手当金は退職日翌日で打ち切りになります。「最後の挨拶だけ」と出勤した結果、継続受給の権利を失うケースが実際に発生しています。

健康保険法第104条の継続給付5要件・退職代行のタイプ別申請サポート対応力・退職後の申請4ステップについて順番に解説します。

退職代行を使っても傷病手当金は受給できる

傷病手当金とは、病気やケガで働けない期間に、健康保険から支給される給付金です。標準報酬日額の2/3相当額が、支給開始日から通算して1年6ヶ月受給できます(協会けんぽ公式)。

退職代行を使って退職した場合でも、傷病手当金の受給資格は失われません。傷病手当金の受給可否は「退職の方法」ではなく、「退職日にどういう状態だったか」で決まります。

退職代行が「退職日の出勤NG」を確実に守れる理由

傷病手当金を退職後も受給し続けるには、退職日に出勤していないことが必須条件です。この条件は見落とされやすく、「最後の挨拶だけでも」と退職日に出勤した結果、継続受給の権利を失うケースがあります。

退職代行を利用すれば、退職日当日の出社は発生しません。業者が会社に連絡し、退職手続きは郵送・書類のやり取りで完結します。体調が悪い状態で無理に「最後の挨拶」に行く必要がなくなります。

退職代行の選び方で詳しく解説していますが、民間・労組・弁護士のどのタイプを使っても、退職日の出勤は発生しません。

傷病手当金の退職後継続受給5要件(健康保険法第104条)

傷病手当金の退職後継続受給に必要な5つの条件の解説

健康保険法第104条(資格喪失後の継続給付)は、退職後も傷病手当金を継続受給できる条件を定めています。

退職日前日までに1年以上継続して健康保険に加入していた人が、退職時に傷病手当金を受給中であれば、退職後も被保険者として受けられるはずだった期間、引き続き同一の保険者から給付を受けることができます。(健康保険法第104条 要旨)

この条文に基づき、退職後も傷病手当金を受給するには以下の5要件を全て満たす必要があります。

要件内容退職代行使用時の影響
① 被保険者期間1年以上退職日前日までに1年以上健康保険に継続加入影響なし
② 受給中または受給要件を満たしている退職日に傷病手当金を受給中、または待期3日完成済み影響なし
③ 退職日に労務不能医師が「労務不能」と証明していること影響なし
④ 退職日に出勤していない退職日当日に出社・出勤しないこと自動クリア(退職代行で出社不要)
⑤ 退職後も引き続き労務不能退職後も同一傷病で働けない状態が続いていること影響なし

要件① 退職日前日までに1年以上の被保険者期間

退職日前日まで継続して1年以上、協会けんぽまたは健康保険組合に加入していることが必要です。転職や会社の変更で保険者が変わっても、1日も空白期間がなく継続していれば通算できます。ただし任意継続期間は除いて計算します。

要件② 退職日に傷病手当金を受給中または受給要件を満たしている

退職日の時点で、すでに傷病手当金を受給中か、または待期3日(連続3日の休業)が完成した状態である必要があります。退職日の直前に初めて体調不良になった場合は、待期3日が完成していないため継続受給の権利が生じません。

要件③ 退職日に労務不能の状態である

退職日時点で、医師が「労務不能」と認めていることが必要です。うつ病・適応障害・身体疾患を問わず、担当医が労務不能と判断している状態であれば要件を満たします。

要件④ 退職日に出勤していない(最重要)

退職日に1分でも出勤すると「労務不能」が解消されたと判断され、継続受給の権利を失います。「最後の挨拶だけ」「荷物の引き取りだけ」も出勤扱いになります。退職代行を利用すれば、この条件を確実にクリアできます。

要件⑤ 退職後も引き続き同一傷病で労務不能

退職後も、同じ傷病により働けない状態が続いていることが必要です。一度「就労可能」と判断されてアルバイト等をすると、その後に状態が悪化しても継続受給はできません。就労可能になった期間は通算の1年6ヶ月から除外されます(2022年1月1日改正)。

退職代行タイプ別・傷病手当金申請サポート対応力比較

傷病手当金の申請には、会社に「傷病手当金支給申請書(事業主記入欄)」を記入してもらう必要があります。退職代行のタイプによって、この書類の取り寄せ力が大きく異なります。

タイプ具体例事業主記入欄の対応有給消化交渉傷病手当金向きか
民間業者即ヤメ、ヒトヤスミ会社への要請は可能だが交渉権なし❌ 不可△(シンプルな退職向き)
労働組合運営男の退職代行、わたしNEXT団体交渉権で書類発行を要請できる✅ 可能○(有給消化も必要な場合)
弁護士法人ガイア、退職110番法的根拠で書類発行を要求できる✅ 可能◎(書類トラブルにも対応)

民間業者(退職連絡の代行のみ)

民間業者は弁護士法第72条の制限により、会社との「交渉」ができません。傷病手当金の申請書(事業主記入欄)を会社に書くよう「伝える」ことは可能ですが、会社が拒否した場合に強制する手段がありません。

傷病手当金の申請書は会社に法的な発行義務があります。民間業者でも「発行を依頼している」という事実を残せるため、通常は対応してもらえます。離職票が届かない場合と同様に、書類が届かない時は段階的に対処します。

労働組合運営(団体交渉権で書類を要請可能)

労働組合法に基づく団体交渉権を持つため、傷病手当金の申請書発行を会社に要請できます。会社が拒否した場合は不当労働行為として追及できます。有給休暇の消化も交渉できるため、退職前に有給を消化しながら傷病手当金の準備を整えたい場合に適しています。

弁護士法人(法的根拠で書類・交渉の両方に対応)

弁護士は弁護士法に基づき、会社との交渉を法的に行えます。傷病手当金の申請書発行を法的根拠を示して要求でき、会社が不当に拒否した場合は法的措置も検討できます。弁護士運営の退職代行は料金が高くなりますが、傷病手当金の継続が必要な状況では最も確実です。

退職代行を使った後の傷病手当金申請4ステップ

退職代行利用後の傷病手当金申請書類の準備と手順

Step 1 退職代行業者に事業主記入欄への対応を依頼する

退職代行業者に連絡する際、「傷病手当金の申請書(事業主記入欄)を会社に記入してもらう必要がある」と明確に伝えます。業者が会社に連絡する際に、申請書の発行依頼を含めてもらいます。

申請書は退職後に協会けんぽ・健康保険組合から取り寄せてから会社に送付する流れになります。先に「書類の発行をお願いします」という意思を業者経由で伝えておくことが、退職後のスムーズな手続きにつながります。

Step 2 担当医から労務不能の証明を受ける

傷病手当金の申請書には「療養担当者記入欄」があり、担当医師が労務不能期間を証明します。退職後も引き続き医師の診療を受け、定期的に証明を更新してもらう必要があります。申請は月単位で行うため、毎月医師の証明が必要です。

Step 3 健康保険組合・協会けんぽに申請書を提出する

事業主記入欄と療養担当者記入欄を記入した申請書を、加入していた健康保険組合または協会けんぽに郵送します。支給までは通常2〜4週間かかります。なお、退職後の健康保険組合・協会けんぽへの支給申請は、退職前のものと同じ保険者が継続して担当します。

Step 4 退職後の健康保険を切り替える

退職翌日から健康保険の被保険者資格が失効します。ただし、傷病手当金の継続給付は退職前に加入していた健康保険組合・協会けんぽから引き続き受給できます(任意継続への切り替えは不要)。

医療費自己負担のために、国民健康保険または任意継続保険のどちらに加入するかを検討します。任意継続は退職翌日から20日以内に手続きが必要です。詳細は退職代行後の保険証返却と健康保険切り替えを参照してください。

傷病手当金が打ち切られる3つのケース

退職日に出勤した場合

退職日に1分でも出勤すると継続給付の権利が失われます。退職代行を使わずに自分で退職を申し出た場合、「最後だから」と出勤してしまうケースがあります。荷物の片付けや挨拶を理由に出勤すると、その日は「労務可能」と判断されます。

支給開始日から通算1年6ヶ月を経過した場合

傷病手当金の支給期間は、支給開始日から通算1年6ヶ月です。2022年1月1日の改正により、就労可能になってアルバイト等をした期間は通算から除外されますが、1年6ヶ月の上限は変わりません。

傷病手当金の支給期間中に就労した場合

就労できる状態になって実際に働き始めると、その期間の傷病手当金は支給されません。「少し働けるようになった」という段階で焦って就労を始めると、その後に症状が悪化しても支給再開が難しくなる場合があります。担当医と相談しながら就労時期を決めることが重要です。

傷病手当金と失業保険の関係

傷病手当金は「労務不能な状態」の人に支給されます。失業保険(雇用保険の基本手当)は「すぐに就職できる状態」の人に支給されます。両者の条件は相反するため、同時受給はできません。

傷病手当金の受給期間中は、ハローワークで失業給付の受給期間延長手続き(最長3年間延長可能)を行います。就労可能な状態に回復してから失業保険の受給を開始する流れになります。詳細は退職代行と失業保険の記事を参照してください。

よくある質問

退職代行を使ったら傷病手当金はもらえなくなりますか?

退職代行を使っても傷病手当金は受給できます。傷病手当金の可否は退職方法ではなく、退職日に出勤していないか・1年以上の被保険者期間があるかなど5つの要件を満たしているかで決まります。退職代行を使えば退職日の出勤がないため、この条件を確実にクリアできます。

民間の退職代行でも傷病手当金の申請書を取り寄せてもらえますか?

民間業者は会社との交渉権がないため、書類発行を強制することはできません。ただし「会社に発行を伝える」ことは可能で、通常は対応してもらえます。書類発行を確実に進めたい場合は、弁護士法人または労働組合運営の退職代行が安心です。

傷病手当金はいつまでもらえますか?

支給開始日から通算して1年6ヶ月分受給できます。2022年1月1日の改正で「通算」方式に変わり、就労可能になって働いた期間は1年6ヶ月から除外されて計算されます。

退職後に任意継続した場合、傷病手当金は受給できますか?

退職日に健康保険法第104条の要件を満たしていれば、任意継続の手続きをしなくても退職前の健康保険組合・協会けんぽから継続受給できます。任意継続は医療費の自己負担のためのもので、傷病手当金の受給とは別の問題です。

うつ病・適応障害でも退職代行と傷病手当金は両立できますか?

可能です。うつ病・適応障害は業務外の傷病として扱われ、傷病手当金の対象になります。退職代行を使えば会社との直接やり取りがなくなり、精神的な負担を最小限に抑えて退職できます。休職中の退職代行うつ病での退職代行の記事も参考にしてください。

傷病手当金を守りながら退職するなら弁護士法人がおすすめ

傷病手当金の継続受給が必要な場合、申請書の発行を確実に進めるために弁護士法人または労働組合運営の退職代行を選ぶことをおすすめします。

弁護士法人ガイア法律事務所(料金:25,300円〜)

うつ病・適応障害・身体疾患で療養中の方が傷病手当金の継続を確保しながら退職したい場合に最適です。弁護士が直接会社と交渉するため、傷病手当金の申請書(事業主記入欄)の発行を法的根拠に基づいて要求できます。24,000円〜の即ヤメと比べて料金は高めですが、書類トラブルが発生した場合に法的に追及できる安心感があります。

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退職110番(料金:43,800円)

弁護士法人あおばと社会保険労務士が連携しており、傷病手当金の申請書類の整備から退職後の手続きまで厚くサポートします。料金は高めですが、複雑な書類トラブルにも対応でき、傷病手当金の受給が不安な方に向いています。

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退職後の給付金申請サポートも必要な場合

傷病手当金だけでなく、失業保険や各種退職給付金の申請サポートも希望する場合は、転職×退職サポート窓口(LINE相談)がおすすめです。退職後の給付金受給を専門にサポートしており、退職代行サービスと組み合わせて利用できます。

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