親の介護で辞めたい|介護離職前に使う制度と退職代行

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仕事から帰っても休む間もなく親の介護が始まり、眠れないまま朝を迎える——そんな生活が続くと「いっそ会社を辞めてしまいたい」と考えるのは、決してあなたが弱いからではありません。仕事と介護の両立は、体力も気力も想像以上に削られます。
親の介護を理由に会社を辞めることは、法律上いつでも可能です。期間の定めのない雇用なら、民法第627条第1項により退職を申し入れてから2週間で辞められます。ただし、辞めると決める前に介護休業(通算93日)や介護休暇、失業保険の特定理由離職者といった制度を使えないかを確認することが、後悔しないための分かれ道になります。
この記事では、介護離職の最新データ、辞める前に使える介護支援制度と月給別の給付金早見表、介護離職・制度活用・退職代行を選ぶ判断フロー、失業保険で損をしないための知識、親の介護を理由に退職代行で辞める方法(タイプ別 徹底比較)、後悔しないための注意点を順に解説します。
親の介護で「辞めたい」と感じる人が知っておくべき現状
親の介護で仕事を辞める人は、あなただけではありません。厚生労働省の調査によると、介護・看護を理由に離職した人は年間約10.6万人にのぼります(総務省「就業構造基本調査」2022年)。しかも、離職した人の多くは「辞めたくて辞めた」わけではないという特徴があります。
| データ | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 介護・看護を理由とする離職者数 | 年間 約10.6万人(2022年) | 総務省「就業構造基本調査」 |
| 離職理由「仕事と介護の両立が難しい」 | 59.4% | 厚労省 仕事と介護の両立実態調査 |
| 介護離職者の年代(最多) | 50代が最多 | 厚労省 同調査 |
| 介護離職者の性別 | 女性 70.7% / 男性 29.3% | 厚労省 同調査 |
| 両立支援制度を利用しなかった人 | 6割以上 | 厚労省 同調査 |
注目すべきは、離職した人の6割以上が、介護休業などの両立支援制度を一度も使っていないという点です。「制度があること自体を知らなかった」「使いづらい雰囲気だった」という理由で、本来なら会社を辞めずに乗り切れたかもしれないケースが多く含まれています。だからこそ、辞める判断を下す前に、次の章で解説する制度を必ず確認してください。
ここで解説するのは「家族の介護で辞めたい人」に向けた内容です。介護職・介護士として働いていて職場を辞めたい方は、介護職が退職代行で辞める方法を参照してください。
会社を辞める前に必ず使える介護支援制度【給付金早見表つき】
結論から言うと、親の介護で退職を考える前に使える公的制度は5つあります。いずれも育児・介護休業法で保障された労働者の権利で、会社は原則として拒否できません。まず全体像を確認しましょう。
| 制度 | 内容 | 取得できる量 |
|---|---|---|
| 介護休業 | まとまった期間、仕事を休める | 対象家族1人につき通算93日・3回まで分割可 |
| 介護休暇 | 通院付き添い・手続きなどで単発で休める | 年5日(対象家族2人以上なら年10日) |
| 短時間勤務等の措置 | 時短勤務・フレックス・始業時刻変更など | 利用開始から3年以上の間で2回以上 |
| 所定外労働の制限 | 残業を免除してもらえる | 介護終了まで請求できる |
| 深夜業の制限 | 午後10時〜午前5時の労働を免除 | 介護終了まで請求できる |
介護休業給付金は月給の67%【月給別の早見表】
介護休業を取ると収入が止まって不安になりますが、雇用保険から介護休業給付金が支給されます。支給額は「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%」で計算します。ここが多くの競合記事では「67%」としか書かれていない部分です。実際にいくらもらえるのか、月給別に計算した早見表を用意しました。
| 休業前の月給 | 1か月あたりの給付金の目安(67%) | 93日フル取得時の総額の目安 |
|---|---|---|
| 20万円 | 約13.4万円 | 約41.5万円 |
| 25万円 | 約16.7万円 | 約51.9万円 |
| 30万円 | 約20.1万円 | 約62.3万円 |
| 35万円 | 約23.5万円 | 約72.7万円 |
給付金には上限があり、1か月あたりの支給上限は356,574円(令和7年8月改定)です。上の早見表の範囲なら上限には達しません。注意点として、育児休業給付とは違い介護休業給付には社会保険料の免除はないため、休業中も保険料の負担は続きます。それでも、退職して収入ゼロで介護に入るより、給付金を受け取りながら93日間じっくり体制を整えるほうが、家計へのダメージは小さくなります。正確な支給額や申請方法は厚生労働省「介護休業給付」で確認できます。
2025年4月改正で会社に「制度の周知」が義務づけられた
知っておきたいのが、2025年4月施行の改正育児・介護休業法です。これにより、労働者が家族の介護に直面したと会社に申し出た場合、会社は介護休業などの制度内容を個別に周知し、利用の意向を確認することが義務になりました。さらに、40歳前後の労働者には介護に直面する前の早期段階で制度情報を提供することも義務化されています(厚生労働省「育児・介護休業法について」)。
つまり、あなたが「介護で辞めるか迷っている」と会社に伝えれば、会社側から制度を案内する義務があるということです。「制度を使いたいと言い出しにくい」と感じる必要はありません。まずは制度の利用を申し出て、それでも両立が難しいときに退職を検討する——この順番が、国も推奨する介護離職を防ぐ流れです。
介護離職・制度活用・退職代行の判断フロー【図解】
「制度を使うべきか、それとも辞めるべきか」を迷ったときのために、判断の流れを図解にまとめました。上から順に自分の状況を当てはめて、進むべき方向を確認してください。
ポイントは、いきなり「退職」に飛ばないことです。介護が一時的なら介護休業で乗り切れますし、介護サービスを整えれば時短勤務で仕事を続けられる可能性があります。地域包括支援センター(市区町村の窓口)に相談すれば、介護保険のケアプラン作成やサービス調整を無料でサポートしてもらえます。それでも両立が難しいと判断したときに、はじめて退職を具体的に検討する流れが安全です。
辞めると決めたら知っておく失業保険「特定理由離職者」
親の介護を理由に退職する場合、失業保険(雇用保険の基本手当)で「特定理由離職者」と認められる可能性があります。これは単なる自己都合退職より条件が有利になる区分で、知らずに手続きすると損をします。
| 項目 | 通常の自己都合退職 | 特定理由離職者(介護) |
|---|---|---|
| 給付制限 | 原則1か月の給付制限あり | 給付制限なし(待機7日で開始) |
| 必要な加入期間 | 離職前2年間に12か月以上 | 離職前1年間に6か月以上 |
| 給付日数 | 90〜150日 | 90〜150日(年齢・加入期間による) |
特定理由離職者として認められれば、給付制限なしで待機7日後から受給を開始でき、雇用保険の加入期間が短くても受給資格を得やすくなります。ハローワークでの手続きの際に「家族の介護のため離職せざるを得なかった」と伝え、介護の状況がわかる書類(要介護認定通知書や医師の診断書など)を用意しておくとスムーズです。失業保険の受給の流れは退職代行を使っても失業保険はもらえる?で詳しく解説しています。
親の介護を理由に退職代行で辞める方法【タイプ別 徹底比較】
制度を検討したうえで「やはり辞める」と決めても、次のハードルが立ちはだかります。上司に「介護で辞めます」と切り出す精神的な負担です。介護で疲れ切っているときに、引き止めや詮索に向き合うのは大きな負担になります。そんなときに使えるのが退職代行です。退職代行には民間業者型・労働組合型・弁護士型の3タイプがあり、介護離職の場面での対応力が異なります。
| 代行タイプ | 退職の意思を伝える | 有給消化・退職日の交渉 | 人手不足を理由にした強い引き止めへの対応 |
|---|---|---|---|
| 民間業者型 | 可(伝言のみ) | 不可 | 弱い(会社が拒否すると押し返せない) |
| 労働組合型 | 可 | 団体交渉として可 | 交渉で対応できる |
| 弁護士型 | 可 | 法的根拠で可 | 損害賠償の脅しにも法的対応が可能 |
介護離職では「今辞められたら困る」と人手不足を理由に強く引き止められがちです。有給を使い切って退職日まで出社せずに済ませたい、引き止めをきっぱり止めたいなら、交渉権のある労働組合型か弁護士型が安心です。介護の状況が落ち着いていて円満に辞められそうなら、費用を抑えられる民間型でも十分です。引き止めへの具体的な対処は退職代行で退職を引き止められたときの対処法も参考になります。以下、介護離職に対応できる3サービスを紹介します。
退職代行 即ヤメ — 労働組合型で引き止め・有給交渉に対応
| サービス名 | 退職代行 即ヤメ |
| 料金(税込) | 24,000円(キャンペーン税込) 通常28,000円 |
| 運営元 | 労働組合 |
| 対応時間 | 24時間 |
| 即日対応 | 可 |
| 支払い方法 | 後払い可 |
即ヤメは労働組合運営のため団体交渉権を持ち、「人手不足だから辞めさせられない」という引き止めを交渉で押し返せます。残った有給の消化や退職日の調整も交渉してもらえるため、退職日まで出社せずに介護へ集中できます。24時間LINE対応で、介護の合間の深夜でも相談でき、24,000円(キャンペーン税込)で後払いにも対応しているのが強みです。
弁護士法人ガイア法律事務所 — 損害賠償の脅しにも法的対応
| サービス名 | 弁護士法人ガイア法律事務所 |
| 料金(税込) | 25,300円〜 |
| 運営元 | 弁護士法人 |
| 対応時間 | 24時間 |
| 即日対応 | 可 |
| 対応範囲 | 交渉・損害賠償・未払い賃金請求すべて |
「今辞めたら損害賠償だ」と脅された、未払いの残業代がある、会社が退職代行に一切応じない——こうした強硬な会社に確実に対応できるのが弁護士型のガイアです。弁護士法人のため、あらゆる交渉と法的手続きを一貫して任せられ、介護で余裕がないなかでも会社との対立をすべて代理してもらえます。25,300円〜の費用は、トラブルを法的に処理して安全に退職を終わらせるための投資として妥当です。弁護士型の選び方は弁護士の退職代行の選び方で解説しています。
退職代行ヒトヤスミ — 最安16,500円で介護と両立しやすい費用
| サービス名 | 退職代行ヒトヤスミ |
| 料金(税込) | 16,500円 |
| 運営元 | 民間(弁護士監修) |
| 対応時間 | 24時間 |
| 即日対応 | 可 |
| 特徴 | 全額返金保証・転職支援付き |
「大きなトラブルはなさそうだが、上司に切り出す気力がない」——そんな人に最適なのが業界最安クラスの16,500円で使えるヒトヤスミです。介護で収入が減る局面では費用の安さが助かります。弁護士監修の民間サービスで、退職の意思伝達や書類の受け取りの相談に対応し、退職後のアフターサポートや転職支援も用意されています。全額返金保証があるため、初めての退職代行でも試しやすいのが強みです。
介護離職で後悔しないための3つの注意点
介護離職には、退職後にはじめて気づく落とし穴があります。国が介護離職の防止を課題として掲げているのも、辞めたあとの生活が想像以上に厳しくなりやすいからです。次の3つは、退職を決める前に必ず対策を立てておきましょう。
| 後悔しやすい点 | リスクの中身 | 先に打てる対策 |
|---|---|---|
| 収入が途絶える | 介護費用と生活費が同時にのしかかる | 失業保険・介護休業給付金を先に確保する |
| 再就職が難しくなる | ブランクが長いほど復職のハードルが上がる | 介護サービスを整え、就労継続の道を残す |
| 社会との接点を失い孤立する | 介護に専念すると相談相手が減り、共倒れリスク | 地域包括支援センター・介護者の会につながる |
特に見落としがちなのが「介護は数か月では終わらないことが多い」という現実です。厚労省の調査でも、仕事と介護の両立期間が1年以上に及ぶ人が多数を占めます。退職して収入を断つ前に、介護保険サービスをフル活用して「働きながら介護する」体制を作れないか、地域包括支援センターに一度相談してください。金銭面では、退職給付金や失業給付の申請サポートを行う転職×退職サポート窓口のような専門窓口に相談し、受け取れる給付を取りこぼさないことも大切です。
よくある質問(FAQ)
Q. 親の介護を理由に会社を辞められる?
A. 辞められます。期間の定めのない雇用なら、民法第627条第1項により退職を申し入れてから2週間で退職できます。就業規則に「3か月前に申告」とあっても民法が優先されるため、2週間で辞めることは可能です。ただし辞める前に、介護休業(通算93日)や介護休暇などの制度を使えないかを確認することをおすすめします。
Q. 辞める前に使える介護の制度は?
A. 介護休業(対象家族1人につき通算93日・3回まで分割可)、介護休暇(年5日、対象家族2人以上なら年10日)、短時間勤務等の措置、所定外労働(残業)の免除、深夜業の制限があります。介護休業中は雇用保険から休業開始時賃金日額の67%が介護休業給付金として支給されます。
Q. 介護休業給付金はいくらもらえる?
A. 「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で計算します。月給20万円なら月あたり約13.4万円、93日フルで取得すると約41.5万円が目安です。1か月あたりの支給上限は356,574円(令和7年8月改定)です。育児休業給付と違い、社会保険料の免除はない点に注意してください。
Q. 介護離職すると失業保険はどうなる?
A. 家族の介護を理由とするやむを得ない離職は「特定理由離職者」と認められる場合があり、給付制限(原則1か月)がなく待機7日で受給を開始できます。雇用保険の加入期間が離職前1年間に6か月以上あれば受給資格を得られます(通常は2年間に12か月)。給付日数は年齢や加入期間に応じて90〜150日です。
Q. 親の介護で辞めたいとき退職代行は使える?
A. 使えます。上司に直接「介護で辞めます」と切り出す負担が大きいときや、人手不足を理由に強く引き止められているときに有効です。有給消化や退職日の交渉が必要なら労働組合型・弁護士型、費用を抑えたいなら民間型と、状況で選び分けましょう。
Q. 介護離職はしないほうがよい?
A. 収入が途絶える、再就職が難しくなる、社会的に孤立するという3つのリスクがあるため、いきなり辞めるのは避けるのが無難です。まず介護休業や介護サービスの活用を検討し、それでも両立が難しいときに退職を選ぶ順番が安全です。2025年4月からは会社に介護制度の個別周知・意向確認が義務づけられています。
辞める前に今日からできる3つの準備
親の介護で辞めたい気持ちが限界に近いなら、勢いで辞める前に今日からできる準備が3つあります。どれも将来の後悔を大きく減らします。
準備1:会社に介護制度の利用を申し出る
2025年4月改正で、介護に直面したと申し出れば会社には制度を案内する義務があります。「介護休業を使いたい」と一言伝えるだけで、辞めずに93日間の時間を確保できるかもしれません。制度で乗り切れるなら、退職は最後の手段に回せます。
準備2:地域包括支援センターに相談する
市区町村の地域包括支援センターは、介護保険の申請やケアプラン、サービス調整を無料でサポートしてくれる窓口です。介護サービスを整えられれば「働きながら介護する」道が開け、収入とキャリアを守れます。まずは電話で相談予約を取りましょう。
準備3:退職代行にLINEで無料相談する
制度を使っても両立が難しく退職を決めたら、上司に切り出す負担は退職代行に任せられます。即ヤメ・ヒトヤスミはLINEで無料相談でき、有給消化の交渉や退職日の調整が可能かをその場で確認できます。相談したからといって必ず契約する必要はありません。退職から手続き完了までの流れは退職代行の流れで確認できます。
この3つを進めておけば、介護と仕事のあいだで一人で抱え込まず、あなたと親の生活を守る選択ができます。50代で介護と退職が重なりやすい方は50代の退職代行の使い方もあわせて参考にしてください。
