退職代行の依頼後に本人がやること7つ|期限表

退職代行に依頼したあと本人が対応する手続きと期限の解説

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退職代行に依頼したあと、本人がやることは7つだけです。会社との連絡・交渉はすべて依頼先が引き受けるため、本人に残るのは書類と物のやり取りに限られます

厄介なのは、その7つのうち2つが本人が請求しなければ会社側に義務が発生しない手続きだという点です。黙って待っていると、会社は違法状態にすらなりません。依頼した直後から退職が成立するまでを時系列で分解し、いつ何を動かせばよいかを期限つきで整理します。

このページでわかること
  • 依頼後に本人がやること7つと、それぞれの期限
  • 労働基準法第23条と第22条が「請求してはじめて動く」条文であること
  • 本人が出社・引き継ぎ・電話対応をしなくてよい法的な理由
  • 弁護士・労働組合・民間で本人の作業量がどれだけ変わるか
  • 会社・健康保険組合・ハローワークのどこからの連絡なら応じるべきか
  • 退職後2週間から1ヶ月で受け取る書類と、届かないときの動き方

退職代行の依頼後に本人がやること7つ【2026年版・期限つき早見表】

依頼後の本人の作業は、「会社に渡すもの」「会社から受け取るもの」「自分で請求するもの」の3種類に分かれます。渡すものと受け取るものは会社側にも事務があるため自然に進みますが、請求するものは動かないと止まったままになります。

#本人がやること期限の目安種類・根拠
1会社情報と退職条件を依頼先に伝える依頼直後会社名・部署・上司名・退職希望日・有給残日数
2退職届を作成して郵送する退職条件が確定した当日〜翌日渡すもの/民間業者では本人作成が必須
3貸与品を追跡できる方法で返却する退職日まで渡すもの/社員証・鍵・PC・制服・保険証
4ロッカーの私物の返送を依頼する退職日まで受け取るもの/取りに行く必要はない
5未払い賃金・積立金の返還を請求する請求から7日以内に会社が返還請求するもの/労働基準法第23条
6退職証明書を請求する必要になった時点でいつでも請求するもの/労働基準法第22条第1項
7離職票・源泉徴収票を受け取り、保険と年金を切り替える退職日の翌日から14日以内受け取るもの/市区町村の窓口で手続き

5番と6番が、上位の解説記事でほとんど触れられていない部分です。労働基準法は会社に対して「請求があった場合においては」という条件つきで義務を課しています。請求しない限り期限の時計は動きません。

使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があつた場合においては、七日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。

労働基準法 第23条第1項(e-Gov法令検索

この条文に違反した場合の罰則は労働基準法第120条第1号に置かれ、30万円以下の罰金と定められています。社内預金・財形貯蓄・社宅の敷金といった「会社が預かっているお金」が返ってこない場面で使える条文です。通常の月給は就業規則の支給日どおりに支払われるため、この請求が必要になるのは預かり金がある人に限られます。

依頼後の本人タスク|時系列マップタイミング本人がやることやらなくてよいこと依頼当日(0〜24時間)業者が会社へ連絡会社情報・退職希望日を渡す有給残日数を確認して共有出社・上司への電話翌日〜3日目退職条件が確定退職届を特定記録郵便で郵送貸与品を追跡便でまとめて返送引き継ぎの完了退職日まで有給消化または欠勤私物の返送を業者経由で依頼会社からの郵便を開封し仕分け私物を取りに行く退職成立後すぐ請求して動かす期間積立金の返還を請求(7日以内)退職証明書を請求理由の説明2週間〜1ヶ月書類が届く時期保険・年金を14日以内に切替離職票が来なければ請求届くまで待つだけ
依頼後に本人が動かす作業と、動かなくてよい作業の対応表

依頼当日から退職成立までの実測タイムライン

本人の作業が集中するのは依頼から3日目までの前半と、退職後2週間からの後半の2箇所です。その間の有給消化期間は、待つだけの時間になります。

依頼当日(0〜24時間)にやること

依頼した時点で必要なのは、代行側が会社に電話をかけるための材料を渡すことだけです。会社名・所属部署・直属の上司の氏名・入社日・退職希望日・有給の残日数を伝えます。有給残日数は給与明細に記載されているのが一般的で、この数字が退職日の設定を左右します

会社への連絡は、多くのサービスが翌営業日の朝一番に入れます。この連絡以降、本人の携帯に会社から着信が入る場合がありますが、応答する義務はありません。着信を残したまま代行に共有すれば足ります。全体の進み方は退職代行の流れ|相談から退職完了までの6ステップで確認できます。

翌日〜3日目にやること

会社が退職を受け入れると、退職日と有給の扱いが確定します。この確定を受けて、退職届を作成して郵送します。提出先は人事部宛てで、追跡記録が残る特定記録郵便か簡易書留を使います。普通郵便では届いた証拠が残らず、後から「受け取っていない」と言われたときに反論できません。

書き方と郵送手順は退職代行を使うときの退職届の書き方と郵送手順にまとめています。同じタイミングで貸与品も箱にまとめ、追跡便で返送します。品目ごとの梱包方法と送料の負担は退職代行で貸与品を返却する5ステップで確認してください。

退職日まで(有給消化期間)にやること

この期間の本人の作業は、会社から届く郵便物の開封と仕分けだけです。電話に出る必要はありませんが、郵便は開けてください。離職票・源泉徴収票・退職証明書といった手続きに必須の書類が、この期間から届き始めます。

ロッカーに私物が残っている場合は、代行経由で返送を依頼します。自分で取りに行く必要はありません。デスクの引き出しやロッカーの中身を写真で説明できるようにしておくと、返送漏れが減ります。手順は退職代行を使ったときの私物と荷物の受け取り方で解説しています。

退職後2週間〜1ヶ月にやること

離職票は退職から10日前後、遅い会社でも2週間程度で届きます。健康保険と国民年金の切り替えは退職日の翌日から14日以内が期限で、こちらは離職票を待たずに進められます。市区町村の窓口で、退職日がわかる書類を持参して手続きします。

失業給付の申請はハローワークで行い、離職票が到着してからの受付になります。退職後の手続き全体の抜けは退職代行後の手続き一覧|優先順位つきチェックリストで確認できます。給付額の目安は失業保険の計算方法と受給手続きの完全ガイドで計算してください。

本人が「やらなくていいこと」6つ|法的根拠つき

依頼後に本人を消耗させるのは、やる必要のない作業を義務だと思い込むことです。次の6つは、法律上の義務ではありません。

  • 出社する — 民法第627条第1項は解約の申入れから2週間の経過で雇用が終了すると定めており、その2週間を出社で埋めよとは定めていません。有給消化か欠勤で埋めるのが実務です
  • 上司に電話で説明する — 退職の意思表示は代行を通じて到達しています。本人が重ねて説明する義務はありません
  • 引き継ぎを完了させる — 引き継ぎ義務を定めた法律はありません。就業規則に定めがあっても、それ自体で退職を止める効力はありません
  • 私物を取りに行く — 郵送で足ります。会社に立ち入る義務はありません
  • 退職理由を会社に納得させる — 民法第627条第1項は理由の正当性を退職の要件にしていません
  • 離職票が届くのを待ち続ける — 届かないときは請求できます。待つことは義務ではありません

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

民法 第627条第1項(e-Gov法令検索

引き継ぎについては、しないことで損害賠償を請求されるのではという不安がよく出ます。実際に賠償が認められるには、引き継ぎをしなかったことと会社の具体的な損害との因果関係を会社側が立証する必要があり、通常の退職でこれが通ることはまずありません。判断の詳細は退職代行で引き継ぎをせずに辞められるかで整理しています。

業者タイプ別|本人の作業量が変わる責任分担を徹底比較

同じ「退職代行に依頼した」でも、依頼先が弁護士か労働組合か民間業者かで、本人に残る作業量が変わります。この違いを説明している解説記事はほとんどありません。分かれ目は、弁護士法第72条が定める法律事務の取扱い制限です。

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。

弁護士法 第72条(e-Gov法令検索

この規定に違反した場合の罰則は弁護士法第77条にあり、2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金と定められています。民間業者が退職届を代わりに作成したり、退職日を会社と交渉したりできないのは、この条文があるためです。労働組合が運営するサービスは、団体交渉権にもとづいて会社と交渉できます。

項目弁護士労働組合民間業者
退職の意思伝達対応対応対応
退職届の作成任せられるひな形の提供まで本人が作成
退職日・有給の交渉対応対応(団体交渉)不可
未払い賃金・積立金の請求対応対応本人が請求
会社の代理人弁護士への対応対応限定的不可
本人に残る作業量最小最大
退職代行の依頼先の種類によって本人が作成する書類が変わることの解説

料金だけで民間業者を選ぶと、本人が退職届を作り、未払い分を自分で請求し、会社の代理人弁護士が出てきた時点で手詰まりになります。会社と揉める要素がまったくないなら民間業者で足りますが、預かり金や未払い残業代がある場合は最初から交渉できる依頼先を選ぶほうが結果的に手間が減ります。運営主体ごとの違いは退職代行は非弁行為にあたるのか|違法業者の見分け方で詳しく解説しています。

会社から連絡が来たときの応答義務|連絡元別の判断表

「会社からの連絡には出なくていい」は正しいものの、この説明のままだと応じないと実害が出る連絡まで無視してしまいます。連絡元によって扱いを変えてください。

連絡元応じる必要対応
会社の人事・直属の上司なし着信を代行に共有し、折り返さない
同僚個人からの連絡なし返信不要。退職の事実を説明する義務もない
実家・家族経由の連絡なし家族に「代行に依頼済み」とだけ伝えておく
会社の代理人弁護士本人対応は不要書面をそのまま依頼先へ渡す
健康保険組合・協会けんぽあり保険証の返却と任意継続の期限に直結する
ハローワークあり失業給付の認定に直結する
市区町村(国保・年金窓口)あり14日以内の切り替え手続きに関わる

任意継続被保険者の申出には退職日の翌日から20日以内という期限があり、ここを逃すと国民健康保険に切り替えるしか選択肢がなくなります。会社からの連絡と同じ扱いで放置すると、保険料の負担が変わる形で跳ね返ります。

身元保証人になっている親に会社から連絡が入る場合もあります。身元保証は本人が会社に損害を与えたときの賠償に関する契約で、退職そのものを止める効力はありません。退職代行を使ったあとの会社からの接触については退職代行後に会社から連絡が来たときの対処法で場面別に整理しています。

依頼後の本人負担を減らせる退職代行2選

本人の作業量は依頼先で決まります。すでに預かり金や未払い分がある人、退職日を動かしたい人は、伝達しかできない業者を選ぶと自分で処理する範囲が広がります

書面作成と請求まで任せたいなら弁護士法人ガイア

社内預金や未払い残業代があり、退職届の作成からお金の請求まで自分でやりたくない場合はこちらです。弁護士法人が直接対応するため、労働基準法第23条の請求も第22条の退職証明書の請求も代理で進められます。本人に残るのは貸与品の返送だけになります。

料金は25,300円(税込)からで、残業代等の請求では成功報酬20〜30%が別途かかります。LINE・メールで無料相談できます。会社の代理人弁護士が出てきても対応が途切れません。

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退職日と有給の調整が必要なら退職代行Jobs

有給を消化してから辞めたい、退職日を給与の締め日に合わせたいなど、条件を会社と詰める必要がある場合はこちらです。退職日が動くと社会保険料の負担月が変わるため、この調整は伝達だけの民間業者では対応できません。

退職代行Jobsは顧問弁護士監修で、合同労働組合ユニオンジャパンと連携しているため有給消化や退職日の調整といった交渉が合法的に可能です。料金は27,000円(税込)、安心パックは29,000円(退職代行27,000円+組合費2,000円・同時加入で加入金2,000円は免除)です。24時間365日、LINE・メール・電話で相談できます。

依頼をした翌日にはスピーディーに退職が出来たので、対応が迅速だったのは非常に助かりました。

出典: ベンナビ労働問題(30代男性)

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使わない方がいいケース

会社と普通に連絡が取れていて、預かり金も未払い分もないなら、費用をかけて交渉型を選ぶ必要はありません。この場合に本人がやることは退職届の郵送と貸与品の返送だけで、どちらも郵便局で完結します。デメリットも含めた判断材料は退職代行のメリットとデメリットで確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 退職代行に依頼したら、その日から会社に行かなくていいですか?

A. 行かなくて構いません。民法第627条第1項は、期間の定めのない雇用について解約の申入れから2週間の経過で雇用が終了すると定めています。この2週間は残っている有給休暇の消化か欠勤で埋めるのが実務で、出社して引き継ぎをする義務は法律上ありません。ただし退職日そのものを会社と調整する場合は、交渉権を持つ弁護士か労働組合運営のサービスでなければ対応できません。

Q. 退職届は必ず出さないといけませんか?

A. 法律上の義務ではありませんが、出しておくべきです。退職の意思表示をした事実と日付を書面で残すことで、後から「聞いていない」と言われる余地がなくなります。民間業者に依頼した場合、退職届の作成は弁護士法第72条の制約により業者が代理できないため、本人が作成して郵送します。追跡記録が残る特定記録郵便か簡易書留を使い、発送控えを保管してください。

Q. 会社から届いた郵便物は開けなくていいですか?

A. 開けてください。会社からの電話に出る義務はありませんが、郵便物には離職票・源泉徴収票・退職証明書といった手続きに必須の書類が混ざります。開封して仕分けるだけで、返信や連絡をする必要はありません。内容に対応が必要なものがあれば、依頼している退職代行に写真を送って判断を仰げば足ります。

Q. 貸与品を返さないとどうなりますか?

A. 会社から返還を求められ、応じないまま使い続けると横領と評価される余地が生まれます。社員証・鍵・社用パソコン・制服・健康保険証が対象です。返却は郵送で足り、直接出向く必要はありません。送料は原則として本人負担が実務ですが、会社の指定する方法があるならそれに従います。追跡番号が残る方法で送り、発送日と品目を控えておいてください。

Q. 最後の給料はいつ振り込まれますか?

A. 通常は就業規則で定められた次の給与支給日に、通常どおり振り込まれます。退職を理由に支給日を早める義務は会社にありません。支給日を過ぎても振り込まれない場合や、積立金・社内預金が返らない場合は、労働基準法第23条により権利者が請求すれば7日以内に返還する義務が生じます。詳しくは退職代行を使ったときの最後の給料はいつ入るかで解説しています。

Q. 離職票が届かないときはどうすればいいですか?

A. 退職から2週間を過ぎても届かないなら、まず会社に催促し、応じない場合はハローワークに申し出てください。ハローワークから会社へ交付を促してもらえます。失業給付の申請は離職票がないと始まらないため、待ち続けるより早く動いたほうが受給開始が早まります。手順は離職票が届かないときの請求手順にまとめています。

Q. 会社の代理人弁護士から連絡が来たらどうしますか?

A. 本人が直接対応する必要はありません。連絡が来た事実と書面をそのまま依頼先へ渡してください。ここで対応できるのは弁護士か、団体交渉権を持つ労働組合運営のサービスに限られます。民間業者に依頼している場合は法律事務を扱えないため、弁護士への切り替えを検討する場面です。

依頼後72時間で終わらせる3つのチェック

依頼直後に手を動かす順番を固定しておくと、あとの作業が滞りません。

  • 退職条件が確定したその日に退職届を投函する — 追跡記録が残る郵便を使い、発送控えを写真で残します。ここが遅れると退職日の証拠が弱くなります
  • 貸与品を1つの箱にまとめて品目を控える — 保険証・社員証・鍵・PC・制服の5点を先に確認します。返し漏れは後から連絡が来る原因になります
  • 社内預金・財形貯蓄・社宅の敷金の有無を確認する — あるなら請求します。労働基準法第23条の7日は、請求してはじめて動き出します

3つのうち会社とのやり取りが必要なのは3つ目だけで、それも依頼先に任せられます。会社に伝える段階からやり直したい場合や、金銭の請求も一緒に進めたい場合は、書面作成まで対応できる依頼先を選んでください。労働条件そのものに疑問がある場合は厚生労働省の労働条件相談ほっとラインで無料相談もできます。

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