特定理由離職者の認定条件|2026年版の判定表

※本ページにはプロモーションが含まれています
特定理由離職者には、2027年3月31日という期限がついています。正確に言えば、期限がついているのは特定理由離職者のうち「第1種」に当たる人だけです。
この区分を知らずに「特定理由離職者になれば手厚くもらえる」とだけ覚えていると、判断を誤ります。第1種と第2種では、受け取れる総額が最大で数十万円変わります。そして第2種のほうは、認定されても受け取る総額は一般の自己都合退職と同じです。変わるのは受給が始まる時期と、受給資格を得るためのハードルの2つだけです。
この記事では、厚生労働省が公開している「特定理由離職者の範囲」と雇用保険法の条文から、自分がどちらに当たるのかを判定できる表をつくりました。あわせて、認定されると金額がいくら動くのかを条件を明示した試算で示します。
- 第1種と第2種を分ける、契約書の更新条項という判定軸
- 「更新する」と明示されていた場合は特定理由離職者にならない理由
- 認定されて動く金額を、条件を明示して試算した比較表
- 第1種の所定給付日数の上乗せが2027年3月31日で切れること
- 離職日が1日違うだけで国民健康保険料の軽減が11か月変わる仕組み
- 離職理由別に必要になる証明書類と、認定されなかったときの手段
特定理由離職者とは|法律が定める2つの入口
特定理由離職者は、雇用保険法が定める受給資格の区分です。厚遇を与えるための制度ではなく、受給資格の要件を緩める規定の対象者を指す言葉です。根拠は雇用保険法第13条第3項にあります。
前項の特定理由離職者とは、離職した者のうち、第二十三条第二項各号のいずれかに該当する者以外の者であつて、期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないこと(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかつた場合に限る。)その他のやむを得ない理由により離職したものとして厚生労働省令で定める者をいう。
雇用保険法 第13条第3項
条文を分解すると、入口が2つあることがわかります。1つ目が「期間の定めのある労働契約の期間が満了し、更新がないこと」、2つ目が「その他のやむを得ない理由」です。実務ではこの1つ目を第1種、2つ目を第2種と呼び分けます。厚生労働省の特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要でも、番号1と番号2として並べられています。
第1種|有期契約が満了し、更新されなかった場合
第1種は、契約社員・派遣社員・パートなど期間の定めのある契約で働いていた人が対象です。要件は「更新を希望したにもかかわらず、更新の合意が成立しなかった」ことです。自分から更新を断って辞めた場合は入りません。
ここで見落とされやすいのが、除外規定です。条文は「第二十三条第二項各号のいずれかに該当する者以外の者」と書いています。第23条第2項は特定受給資格者の規定で、そこには契約更新が明示されていたのに更新されなかったケースが含まれます。つまり契約書に「更新する」と書かれていた場合、その人は特定理由離職者ではなく特定受給資格者になります。格下げではなく、より手厚い区分に移るという意味です。
第2種|正当な理由のある自己都合退職
第2種は、自分から辞めたけれども「正当な理由」があったと認められる場合です。厚生労働省は範囲を6つの類型で列挙しており、この列挙にない理由は原則として通りません。列挙されているのは次の内容です。
- 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した場合
- 妊娠、出産、育児等により離職し、雇用保険法第20条第1項の受給期間延長措置を受けた場合
- 父母の死亡・疾病・負傷等のため扶養するために離職を余儀なくされた場合、または常時本人の看護を必要とする親族の疾病・負傷等のために離職を余儀なくされた場合
- 配偶者または扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となった場合
- 結婚に伴う住所の変更、保育所等の利用、事業所の通勤困難な地への移転、運輸機関の廃止、転勤・出向に伴う別居の回避などにより通勤が不可能または困難になった場合
- 企業整備による人員整理等で希望退職者の募集に応じて離職した場合(特定受給資格者に当たらないもの)
この6類型には、判断の余地が残る書き方が意図的に使われています。「体力の不足」「離職を余儀なくされた」といった表現は、事実の有無ではなく程度の評価だからです。だからこそ、後述する証明書類の準備が結論を左右します。うつ病や適応障害で辞めた場合は1つ目の類型で判定され、退職の伝え方から整理したい場合は離職票の離職理由への異議申立ての手順と証拠とあわせて読んでください。
認定条件の判定表【2026年版】|あなたはどの区分か
自分の区分は、離職の経緯を3つの質問に通せば絞り込めます。最初の分岐は「有期契約だったか」ではなく「契約書の更新条項にどう書かれていたか」です。ここを間違えると、第1種と特定受給資格者を取り違えます。
「更新する場合がある」という一文が第1種の目印です
厚生労働省は範囲の説明に補足を付けており、そこに判定の核心が書かれています。「労働契約において、契約更新条項が『契約の更新をする場合がある』とされている場合など、契約の更新について明示はあるが契約更新の確約まではない場合がこの基準に該当します」という一文です。
つまり第1種の判定は、退職時の会話でも上司の態度でもなく、契約書に印刷されている条項の文言で決まります。手元に契約書が残っていない場合は、会社に交付を求めるか、更新のたびに受け取った労働条件通知書を探してください。何回更新したかがわかる状態で持ち込むと、窓口での説明が一度で済みます。
第2種の判定基準は給付制限の「正当な理由」と同じです
第2種にも同じページで補足が付いています。「給付制限を行う場合の『正当な理由』に係る認定基準と同様に判断されます」という説明です。ここは制度の構造を理解する上で重要です。
雇用保険法第33条第1項は、給付制限を「正当な理由がなく自己の都合によつて退職した場合」に課すと定めています。正当な理由があると判断された人は、そもそも給付制限の規定の対象に入りません。第2種の人に給付制限がかからないのは、特典が与えられているからではなく、条文の適用対象から外れているからです。この構造がわかると、次の項で見る「認定されても総額が変わらない区分がある」という結論に納得がいきます。
認定されると何が変わるか|3つの差を徹底比較
認定によって動くのは3点です。給付制限の有無、受給資格に必要な被保険者期間、所定給付日数の3つで、このうち3つ目は第1種にしか効きません。
| 比較項目 | 一般の離職者 | 特定理由離職者 第2種 | 特定理由離職者 第1種 |
|---|---|---|---|
| 給付制限 | あり(2025年4月以降の運用では原則1か月) | なし | なし |
| 受給資格に必要な被保険者期間 | 離職前2年間に通算12か月以上 | 離職前1年間に通算6か月以上でも可 | 離職前1年間に通算6か月以上でも可 |
| 所定給付日数 | 全年齢共通の表(90〜150日) | 一般と同じ表(90〜150日) | 特定受給資格者と同じ表(90〜330日) |
| 期限 | なし | なし | 日数の上乗せは離職日が2027年3月31日まで |
| 国民健康保険料の軽減 | 対象外 | 離職理由コードが対象なら適用 | 離職理由コードが対象なら適用 |
所定給付日数の数値はハローワークインターネットサービスの基本手当の所定給付日数によるものです。被保険者期間の要件は同サービスの基本手当についてに記載があります。
条件をそろえた独自試算|第1種と第2種で60万円変わる
日数表を眺めても、自分にとっていくらの差なのかは見えません。そこで条件を固定して、3区分の受給総額を計算しました。前提を先に示します。
- 離職時の年齢:38歳(35歳以上45歳未満の区分)
- 雇用保険の被保険者であった期間:12年(10年以上20年未満の区分)
- 基本手当日額:5,000円と仮定(実際は離職前6か月の賃金から計算され、年齢区分ごとの上限額があります)
- 所定給付日数をすべて受給し、途中で就職しないものとします
- 離職日は2027年3月31日以前とします
| 区分 | 所定給付日数 | 受給総額(日額5,000円の場合) | 受給開始の目安 |
|---|---|---|---|
| 一般の離職者 | 120日 | 600,000円 | 待期7日+給付制限1か月の後 |
| 特定理由離職者 第2種 | 120日 | 600,000円 | 待期7日の後 |
| 特定理由離職者 第1種 | 240日 | 1,200,000円 | 待期7日の後 |
同じ「特定理由離職者」でも、この条件では第1種と第2種で受給総額が60万円違います。第2種で変わるのは受給が始まる時期だけで、総額は一般の離職者と1円も変わりません。「特定理由離職者になれば多くもらえる」という説明が半分しか当たっていないのは、この構造のためです。
自分の基本手当日額で置き換えて計算したい場合は、失業保険の計算完全ガイド(自動計算ツール付き)で賃金日額から求められます。受給開始までの日数の数え方は失業保険の待機期間7日間の数え方と注意点にまとめました。
2027年3月31日という期限の意味
上の表で第1種が240日になるのは、時限措置が生きているからです。ハローワークインターネットサービスは、範囲の1に該当する人について「受給資格に係る離職の日が2009年3月31日から2027年3月31日までの間にある方に限り、所定給付日数が特定受給資格者と同様となります」と明記しています。
この記事を公開した2026年8月時点で、残りは約7か月です。基準になるのは離職の日であって、ハローワークへ申請した日ではありません。有期契約の満了日が2027年春前後に来る人は、契約の終わり方が数十万円単位の差になる可能性があります。現時点で延長の可否は公表されていないため、期限内かどうかを自分の離職日で確認してください。
国民健康保険料の軽減|離職日が1日違うと11か月変わる事例
認定の効果は失業給付だけではありません。離職理由コードが対象に入っていれば、国民健康保険料が前年の給与所得を30パーセントとみなして計算されます。自治体が運用する非自発的失業者の軽減制度です。
対象になる条件は自治体の案内で確認できます。渋谷区は、離職時の年齢が65歳未満であること、雇用保険受給資格者証または受給資格通知を持っていること、その離職理由コードが11・12・21・22・31・32(特定受給資格者)または23・33・34(特定理由離職者)のいずれかであることの3つを挙げています(渋谷区「非自発的失業者の国民健康保険料の軽減」)。第1種と第2種のどちらでも対象になります。
注目すべきは、同じ案内が示している対象期間の例です。軽減は離職日の翌日から翌年度末までで、年度末をまたぐかどうかで期間が大きく変わります。渋谷区が挙げている例をそのまま並べると、差の大きさが見えます。
| 離職日 | 軽減の対象期間 | 対象月数 |
|---|---|---|
| 令和7年3月30日 | 令和7年3月31日〜令和8年3月31日 | 13か月分 |
| 令和7年3月31日 | 令和7年4月1日〜令和9年3月31日 | 24か月分 |
| 令和7年9月30日 | 令和7年10月1日〜令和9年3月31日 | 18か月分 |
離職日が1日違うだけで、軽減の対象が13か月分と24か月分に分かれます。差は11か月分です。退職日を自分で選べる立場にある人にとっては、覚えておく価値のある分岐です。軽減は自動では適用されず届け出が必要で、雇用保険受給資格者証または受給資格通知と本人確認書類を持って窓口へ行きます。制度の運用は自治体ごとに異なるため、住んでいる市区町村の案内で確認してください。退職後の保険の切り替え全体は退職代行後の社会保険手続きで整理しています。
認定を受ける手順と、離職理由別の必要書類
認定を申請する専用の窓口はありません。受給資格の決定手続きのなかで、ハローワークが離職理由を判定します。手順は次の順に進みます。
- 会社から離職票-1と離職票-2を受け取る。事業主が記入した離職理由と具体的事情記載欄の内容を読む
- 住所地を管轄するハローワークで求職の申込みを行い、離職票を提出する
- 離職理由を裏づける書類を提出し、窓口で経緯を説明する
- ハローワークが必要に応じて事業主に事実を確認し、離職理由を判定する
- 雇用保険受給資格者証または受給資格通知に離職理由コードが記載される
手続きの全体像と持ち物はハローワークインターネットサービスの雇用保険の具体的な手続きで確認できます。共通の持ち物はハローワーク初回の持ち物チェックリストにまとめており、認定を求める場合はここに次の証明書類を追加します。
| 主張する離職理由 | 用意する書類 | 入手のタイミング |
|---|---|---|
| 有期契約が更新されなかった(第1種) | 雇用契約書または労働条件通知書の全更新分、更新の打診に関するやり取り | 在職中に全期間分をそろえます。更新条項の文言が読める状態にしてください |
| 疾病・負傷・心身の障害 | 医師の診断書、通院履歴、就業が困難であることが読み取れる記載 | 退職前から通院し、離職と症状の時期が重なる記録を残します |
| 妊娠・出産・育児 | 母子健康手帳、受給期間延長の申請書類 | 受給期間の延長措置を受けていることが第2種の要件です。先に延長手続きを行います |
| 家族の介護・看護 | 家族の診断書、介護保険被保険者証、続柄がわかる戸籍謄本や住民票 | 続柄と介護の必要性の両方を示す書類が要ります |
| 配偶者との別居回避・転居 | 住民票、戸籍謄本、配偶者の転勤辞令、新旧住所がわかる書類 | 転居前後の住所が確認できる形にします |
| 通勤困難 | 事業所移転の社内通知、通勤経路と所要時間の記録、運行時刻の変更の告知 | 新旧の通勤経路と所要時間を印刷して添えます |
提出には実務上の作法があります。窓口の担当者はスマートフォンの画面をスクロールして追うことができないため、証拠は紙に印刷して持ち込むほうが早く読まれます。原本は手元に残し、写しを提出してください。判定に不服がある場合に必要になります。そもそも離職票が届かず手続きが止まっている場合は、退職代行で離職票が届かない原因と3段階の対処法を先に読んでください。
認定されにくいケースと、認定されなかったときの手段
通らないパターンには共通点があります。離職の理由そのものではなく、理由と離職を結ぶ資料が欠けている場合です。
- 体調不良だが受診記録がない — 退職後に初めて受診した場合、離職の時点で就業が困難だったことを示す資料が残りません
- 自分から契約の更新を断った — 第1種は更新を希望した場合に限られます。断った経緯が記録に残っていると通りません
- 契約書に「更新しない」と明示されていた — 更新の期待そのものが成り立たないため、範囲の1に当たりません
- 通勤時間が伸びたが事業所は移転していない — 自己都合の転居で、列挙された理由に当たらない場合は認められにくくなります
- 職場の人間関係が理由 — 6類型に含まれません。長時間労働やハラスメントが背景にある場合は、特定理由離職者ではなく特定受給資格者の枠で主張することになります
判定に納得できない場合の手段は法律で用意されています。雇用保険法第69条第1項が、失業等給付に関する処分に不服のある者は雇用保険審査官に審査請求できると定めています。審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月を過ぎるとできなくなるため、通知を受けた日を起点に日数を管理してください。書き方と証拠の集め方は離職票の離職理由への異議申立ての手順と証拠で詳しく扱っています。
状況別の相談先|まだ辞めていないなら打てる手があります
認定の可否を左右する資料の多くは、在職中でなければ集められません。契約書、勤怠記録、通院の履歴はいずれも退職後に取りに戻るのが難しい書類です。自分がどの段階にいるかで、相談先が変わります。
有期契約の更新を巡って会社と対立しているなら弁護士法人ガイア
更新を希望したのに更新されず、その経緯が会社の説明と食い違っている場合はこちらです。第1種の判定は契約書の文言と更新交渉の記録で決まるため、会社に書類の交付を求める段階から代理人を立てられると、資料がそろいます。
弁護士法人が直接対応するため、契約書や更新に関する記録の交付請求を代理人の名前で行えます。未払い賃金や残業代の請求まで同じ窓口で進められるので、離職区分を争うために集めた資料をそのまま使えます。非弁行為のリスクもありません。料金は25,300円(税込)からで、残業代等の請求では成功報酬20〜30%が別途かかります。LINE・メールで無料相談できます。
体調を理由に辞めたいが、退職日を調整したいなら退職代行Jobs
第2種の判定は退職前の記録で決まるため、辞めるまでの時間をつくれるかどうかが結論を変えます。診断書を取る、勤怠記録を印刷する、契約書を探す。この3つを済ませてから離職日を迎えられれば、窓口での説明が資料で完結します。
退職代行Jobsは顧問弁護士監修で、合同労働組合ユニオンジャパンと連携しているため、有給消化や退職日といった条件の交渉が合法的に可能です。退職日を動かせれば、その分だけ資料をそろえる時間が生まれます。料金は27,000円(税込)、安心パックは29,000円(退職代行27,000円+組合費2,000円・同時加入で加入金2,000円は免除)です。LINE・メール・電話に24時間365日対応しており、退職できなかった場合は全額返金されます。
受給が始まるまでの生活費から相談したいなら転職×退職サポート窓口
区分の判定を待つ間、収入をどう確保するかから相談したい場合の窓口です。転職×退職サポート窓口は退職給付金の申請サポートで、LINEから無料で相談できます。
申請そのものは自分でも無料でできる手続きです。有料のサポートを使う前に、費用と手間を必ず比べてください。この分野は国民生活センターが2025年12月3日に注意喚起を出しており、相談件数も増えています(国民生活センターの公表資料)。業者の見分け方は社会保険給付金サポートは怪しいのかで判別軸を整理しています。
使わない方がいいケース
すでに離職していて、契約書も診断書も手元にそろっているなら、費用をかけて第三者を立てる必要はありません。ハローワークの窓口で経緯を説明し、書類を提出すれば足ります。特定理由離職者の認定に申請料はかからず、代理人も不要です。
労働条件そのものに疑問がある場合や、退職を切り出したあとに不利益な扱いを受けた場合は、厚生労働省の労働条件相談ほっとラインで無料相談できます。
よくある質問(FAQ)
Q. 特定理由離職者と特定受給資格者は何が違いますか?
A. 根拠になる条文と、離職に至った経緯が違います。特定受給資格者は倒産・解雇など事業主側の事情で離職を余儀なくされた人で、雇用保険法第23条第2項が定めています。特定理由離職者は雇用保険法第13条第3項が定める区分で、有期契約が更新されなかった人と、正当な理由のある自己都合で離職した人が入ります。給付制限がかからない点と、被保険者期間6か月で受給資格を得られる点は両者で共通します。
Q. 契約社員です。契約が満了して辞めたら必ず第1種になりますか?
A. なりません。第1種に当たるのは、更新を希望したにもかかわらず更新の合意に至らなかった場合です。自分から更新を断って契約満了で辞めた場合は該当しません。また、契約書に「更新する」と明示されていたのに更新されなかった場合は、特定理由離職者ではなく特定受給資格者として扱われます。ハローワークは契約書の更新条項の書き方を見て判断します。
Q. 特定理由離職者に認定されると、もらえる総額は必ず増えますか?
A. 第2種は増えません。所定給付日数の上乗せがあるのは第1種だけで、第2種の所定給付日数は一般の離職者と同じ表で決まります。第2種で変わるのは、給付制限がかからないことによる受給開始の前倒しと、被保険者期間6か月で受給資格を得られる点です。総額が動くかどうかは、自分が第1種と第2種のどちらかで結論が変わります。
Q. 第1種の所定給付日数の上乗せに期限があると聞きました。いつまでですか?
A. 2027年3月31日までです。ハローワークインターネットサービスの所定給付日数のページに補足として、特定理由離職者のうち範囲の1に該当する人については、受給資格に係る離職の日が2009年3月31日から2027年3月31日までの間にある人に限り所定給付日数が特定受給資格者と同様になると記載されています。判定の基準は離職の日であり、申請した日ではありません。
Q. うつ病や適応障害で退職した場合は認定されますか?
A. 第2種の判定対象になります。厚生労働省が示す特定理由離職者の範囲には、体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した者が挙げられています。判断するのはハローワークで、医師の診断書など離職と症状の関係が読み取れる資料が判断材料になります。退職前から通院の記録を残しておくと説明がしやすくなります。
Q. 国民健康保険料の軽減も受けられますか?
A. 雇用保険受給資格者証または受給資格通知の離職理由コードが対象に入っていれば受けられます。渋谷区の案内では、対象は離職時の年齢が65歳未満で、離職理由コードが11・12・21・22・31・32(特定受給資格者)または23・33・34(特定理由離職者)のいずれかである人とされています。軽減は前年の給与所得を30パーセントとみなして保険料を計算する扱いで、届け出が必要です。
ハローワークへ行く前に済ませる3つのこと
離職票を持って窓口へ行く前に、資料の側を先に固めます。
- 雇用契約書の更新条項の文言を確認する — 「更新する」「更新する場合がある」「更新しない」のどれが印刷されているかで、第1種か特定受給資格者か一般かが分かれます。更新のたびに受け取った分をすべてそろえてください
- 離職の理由を裏づける書類を紙に印刷する — 診断書、通院履歴、転勤辞令、移転の社内通知。窓口には写しを出し、原本は審査請求まで手元に残します
- 自分の離職日を2027年3月31日と照らす — 第1種に当たる可能性がある人は、離職日がこの期限の内側かどうかで所定給付日数が変わります。契約満了日を調整できる立場なら、先に確認してください
3つとも、ハローワークへ行く前に自分だけで進められます。区分は窓口で決まりますが、決まる材料をそろえるのは離職者本人の仕事です。まだ在職中で、資料をそろえる時間や退職日そのものを動かしたい場合は、代理人を立てて一度で片づけるほうが早く終わります。
出典一覧
- e-Gov法令検索「雇用保険法」(第13条第3項 特定理由離職者の定義、第33条第1項 給付制限、第69条第1項 審査請求)
- ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」(範囲の1・2、補足1の更新条項の扱い、補足2の正当な理由の認定基準)
- ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」(区分別の日数、2027年3月31日までの時限措置)
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(受給要件・被保険者期間6か月の特例)
- ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」(受給資格の決定と離職理由の判定)
- 渋谷区「非自発的失業者の国民健康保険料の軽減」(対象の離職理由コード、対象期間の例、給与所得30パーセント算定)
- 厚生労働省「労働条件相談ほっとライン」(労働条件に関する無料の電話相談窓口)
- 国民生活センターの公表資料(失業保険の申請サポートに関する注意喚起・2025年12月3日)
