【2026年最新】失業保険をもらいながらアルバイト|申告ルールと減額の全条件

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退職・雇用保険に関する公的情報を専門に扱うメディア。厚生労働省・ハローワーク公表資料と、e-Gov法令検索で取得した条文原文をもとに、最新の雇用保険制度を利用者目線で解説しています。

失業保険をもらいながらアルバイトをする場合の申告ルール

失業保険の振込を待ちながら、貯金が目に見えて減っていく。この状況で単発のアルバイトの誘いが来たとき、多くの方が同じところで手が止まります。「働いたら手当が消えるのか」ではなく、働いたことをいつ、どこに、どう書けばいいのかがわからないからです。

申告のルールは担当者の裁量ではなく、雇用保険法と同法施行規則の条文で決まっています。期限も、書く場所も、書かなかったときに最初に起きることも、すべて条文に書いてあります。本記事は、その条文を実際に引いた上で、認定日に迷わない形へ整理したものです。

この記事でわかること
  • 申告の期限は「働いた日の後における最初の失業認定日」(雇用保険法施行規則第29条第1項)
  • 収入があった日を全額支給・減額・不支給に分ける3つの区分(雇用保険法第19条第1項)
  • 申告しなかったときに起きる4段階の不利益(最初に来るのは3倍返しではありません)
  • 「働いた」に含まれるもの・含まれないものの線引き
  • 週20時間・31日以上で「就職」扱いになる仕組み
  • 認定日の前日までに揃えておく4つの準備

失業保険をもらいながらアルバイトはできます

結論として、失業保険(雇用保険の基本手当)を受給しながらアルバイトをすることは認められています。禁止する条文は存在しません。存在するのは、働いて収入を得たら届け出るという義務と、その収入額に応じて手当を調整するという計算ルールの2つだけです。

ただし時期によって扱いが変わります。ハローワークで求職の申込みをした後の7日間(待期期間)は、失業していることを確認するための期間です。この間に就労すると、待期の完成がその分だけ後ろにずれます。待期が終わった後は、給付制限中でも受給中でも、申告を前提にアルバイトができます。

時期アルバイト扱い
待期期間(7日間)避ける働いた日は失業の状態と扱われず、待期の完成が後ろにずれます
給付制限期間中可能もともと基本手当が出ない期間のため減額は起きません。申告は必要です
受給中(認定対象期間)可能申告した上で、収入額に応じて全額支給・減額・不支給のいずれかになります

待期7日間の正確な数え方と、自己都合退職の給付制限が1ヶ月に短縮された2025年4月改正については失業保険の待機期間7日間の数え方と注意点で解説しています。

申告の期限は「働いた日の後の最初の認定日」です

申告の期限は条文で決まっています。解説記事の多くは「必ず申告しましょう」で止まりますが、いつまでに申告するのかを定めているのは雇用保険法施行規則第29条第1項です。

受給資格者が法第十九条第三項の規定により行う届出は、その者が自己の労働によつて収入を得るに至つた日の後における最初の失業の認定日に、失業認定申告書により管轄公共職業安定所の長にしなければならない。

雇用保険法施行規則 第29条第1項

読み取れることは3つです。第一に、報告の手段は失業認定申告書であり、電話や窓口での口頭連絡はその代わりになりません。第二に、期限は「収入を得るに至った日の後における最初の認定日」であり、次回以降にまとめて書くことは想定されていません。第三に、認定日を待たずに急いで駆け込む必要もありません。

義務の根拠は雇用保険法第19条第3項

そもそもの申告義務は、次の条文が定めています。

受給資格者は、失業の認定を受けた期間中に自己の労働によつて収入を得たときは、厚生労働省令で定めるところにより、その収入の額その他の事項を公共職業安定所長に届け出なければならない。

雇用保険法 第19条第3項

条文が対象にしているのは「自己の労働によつて収入を得たとき」です。金額の下限も、日数の下限も、雇用契約の有無も条件になっていません。1日だけの単発でも、知人の店を数時間手伝って謝礼を受け取った場合でも、この条文に当てはまります。

書く場所は「失業認定申告書(様式第十四号)」

認定日に提出する用紙の正式名称と様式番号も条文にあります。施行規則第22条第1項は、受給資格者は失業の認定日に管轄のハローワークへ出頭し、失業認定申告書(様式第十四号)を提出した上で職業の紹介を求めなければならないと定めています。認定日に扱う用紙がこれです。

この用紙には、認定対象期間の各日について働いたかどうかを記入する欄と、収入があった場合にその額と収入の基礎となった日数を記入する欄があります。ここで注意したいのが、働いた日と収入を得た日は必ずしも同じ日ではない点です。月末締め翌月払いのアルバイトなら、働いた日は今回の認定対象期間内、支払日は次の期間ということが起こります。申告のトリガーは条文どおり「収入を得るに至った日」ですので、実際に支払いを受けた時点を基準に判断してください。

申告のタイミングと、書かなかった場合の分岐STEP 1アルバイトで収入を得た日STEP 2その後における最初の失業認定日STEP 3失業認定申告書(様式第十四号)を提出根拠:雇用保険法第19条第3項/同法施行規則第22条第1項・第29条第1項書いた書かなかったその認定日に支給決定収入額に応じて3区分に振り分け全額支給/減額支給/不支給雇用保険法第19条第1項支給決定が先送りされる収入の有無を調べる必要があるとき認定した日分の支給決定を次の支給日まで延期できる施行規則第29条第2項無申告で最初に起きるのは「3倍返し」ではありませんまず振込が止まります。返還命令・納付命令は、偽りその他不正の行為があった場合の措置です(雇用保険法第10条の4第1項・第34条第1項)
失業認定申告書の提出タイミングと、提出しなかった場合の取り扱い(雇用保険法・同法施行規則の条文をもとに作成)

【2026年版】収入があった日は3つに分かれます

申告した収入は、基本手当を止めるためではなく、その日の支給額を計算するために使われます。計算のルールは雇用保険法第19条第1項が3つの号に分けて定めています。働いた日が必ず不支給になるわけではありません。

条文条件その日の基本手当
第19条第1項第1号(収入の1日分 − 控除額)+ 基本手当日額 が、賃金日額の80%以下全額支給
同項第2号上記の合計額が賃金日額の80%を超える(第3号に当たる場合を除く)超えた額を基本手当日額から引いた残額を支給
同項第3号超過額が基本手当日額以上不支給

ここで使う賃金日額は、離職前の賃金から計算される金額です。基本手当日額はその賃金日額に給付率をかけたものですので、賃金日額の80%という上限は、もともと基本手当日額より上に設定されています。少額のアルバイトなら第1号に収まり、その日の手当は満額出ます。この構造を知らないまま「働いたら丸損になる」と考えて申告を避けるのが、最ももったいない選択です。

3区分がどこで切り替わるかを試算する

条文だけでは境界の位置が見えにくいので、数字を入れて計算してみます。前提として、賃金日額10,000円・基本手当日額5,000円の方が、控除額1,282円(雇用保険法の本則額)で計算した場合を置きます。実際の控除額は毎年8月1日に改定されるため、以下は境界の位置を把握するための試算です。

1日の収入収入−控除額+基本手当日額賃金日額の80%(8,000円)との比較その日に受け取る額
4,000円4,000−1,282+5,000=7,718円以下(第1号)収入4,000円+手当5,000円(全額)
6,000円6,000−1,282+5,000=9,718円1,718円の超過(第2号)収入6,000円+手当3,282円(減額)
10,000円10,000−1,282+5,000=13,718円5,718円の超過=基本手当日額以上(第3号)収入10,000円+手当0円(不支給)

この前提だと、1日の収入が4,282円までなら手当は満額出ます。読み取れるのは、不支給になる日でも受け取る合計額は減っていないという点です。上の3行目でも、手当5,000円を失う代わりに収入10,000円を得ています。つまり第19条第1項は、手当を取り上げる仕組みではなく、手当と収入の合計が離職前の水準に近づきすぎないよう調整する仕組みです。申告を避ける理由にはなりません。

控除額が毎年変わる理由

計算式に出てくる控除額は、法律の本則では1,282円と書かれています(雇用保険法第19条第1項第1号)。ただし同条第2項は、年度の平均給与額の変動を基準として翌年度の8月1日以後の控除額を変更しなければならないと定めています。解説記事によって控除額の数字が食い違うのは、それぞれが別の年度の改定額を引いているからです。

基本手当日額の上限額も同じ仕組みで毎年8月1日に改定されます。ハローワークインターネットサービス「基本手当について」によると、令和8年8月1日現在の基本手当日額の上限額は30歳未満が7,450円、30歳以上45歳未満が8,270円、45歳以上60歳未満が9,110円、60歳以上65歳未満が7,830円です。いま適用される控除額は、認定日にハローワークで確認してください。ネット上の記事に書かれた金額をそのまま使うと、年度をまたいだ時点でずれます。

自分の賃金日額と基本手当日額そのものがわからない場合は、失業保険計算シミュレーターで先に算出してください。計算式の詳細と、減額計算の具体例は失業保険 計算の完全ガイドにまとめています。

 失業保険シミュレーターで基本手当日額を出す 

申告しなかったときに起きることは4段階あります

失業認定申告書に働いた日を記入しなかった場合に起きる段階的な不利益の解説

アルバイトの無申告について、多くの解説は「3倍返し」という結論だけを示します。実際の条文は、段階の違う4つの措置を別々の場所に置いています。順番に見ると、最初に来るのは返還命令ではありません。

第1段階:支給決定が次の支給日まで延期される

施行規則第29条第2項は、届出をしない受給資格者について収入があったかどうかを調べる必要があると認めるときは、その認定日に認定した日分の基本手当の支給決定を、次の基本手当を支給すべき日まで延期できると定めています。不正と判断される前の、調査のための措置です。実務上まず体感するのはこれで、認定は受けたのに振込が来ない状態になります。

第2段階:支給済みの手当の返還を命じられる

雇用保険法第10条の4第1項は、偽りその他不正の行為により失業等給付の支給を受けた者に対し、政府が支給した失業等給付の全部または一部を返還することを命ずることができると定めています。ここで初めて「返す」が登場します。

第3段階:返還額とは別に、2倍以下の納付を命じられる

同じ第10条の4第1項の後半が、いわゆる「3倍」の正体です。厚生労働大臣の定める基準により、不正に受給した額の2倍に相当する額以下の金額の納付を命ずることができるとされています。返還(1倍)と納付(最大2倍)を合わせると最大で3倍になる、という構造です。「必ず3倍」ではなく「2倍以下の納付を命ずることができる」が条文の書き方です。

第4段階:以後の基本手当が支給されなくなる

雇用保険法第34条第1項は、偽りその他不正の行為により求職者給付等の支給を受け、または受けようとした者には、その日以後、基本手当を支給しないと定めています。ただし同項にはただし書があり、やむを得ない理由がある場合には基本手当の全部または一部を支給することができるとされています。このただし書に触れている解説記事はほとんどありませんが、扱いが一律ではない根拠がここにあります。

申告し忘れに気づいたら

認定日を過ぎてから申告漏れに気づいた場合は、次の認定日を待たずにハローワークへ連絡してください。第1段階の支給決定の延期は調査のための手続きであり、自分から申し出た事実は記録に残ります。黙ったまま次の認定日を迎えるほうが、第2段階以降に近づきます。

申告で迷いやすい5つのケース

判断の軸は、条文の「自己の労働によつて収入を得たとき」に当てはまるかどうかです。あなたの状況が次のどれかに当たる場合は、以下の考え方で処理してください。

ケース申告考え方
知人の店を1日手伝って謝礼を受け取った必要雇用契約の有無は条文の要件ではありません。自己の労働による収入に当たります
在宅の内職・クラウドソーシングの報酬必要働いた場所も就労形態も条件になっていません
働いたが、支払いは翌月末になる必要申告のトリガーは「収入を得るに至った日」です。実際に受け取った日の後の最初の認定日に申告します
働いたが報酬はゼロ(完全に無償の手伝い)申告書に記入収入はなくても、失業認定申告書には就労の有無を記入する欄があります。扱いは窓口で確認してください
株式の配当・不動産の家賃収入対象外自己の労働による収入ではないため、第19条第3項の届出義務には当たりません

アルバイト先そのものを辞めるかどうかで悩んでいる段階の方は、バイトを辞めたいのに言えないときの対処法もあわせてご覧ください。

週20時間を超えると「就職」になります

申告の話とは別に、働き方そのものが受給資格に影響する境界があります。1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある働き方です。これは雇用保険の被保険者になる要件であり、この条件を満たす働き方を始めた時点で、ハローワークは失業の状態が終わったものとして扱います。要件の詳細はハローワークインターネットサービス「雇用保険の被保険者について」で確認できます。

働き方扱い基本手当
週20時間未満失業の状態は続く申告の上、3区分で計算されます
週20時間以上・雇用見込み31日未満短期の就労申告の上、その日は不支給になり得ます
週20時間以上・雇用見込み31日以上就職支給は終了し、再就職手当の対象を検討します

週20時間は所定労働時間で判定します。シフトが週によって変動する場合、たまたま1週だけ20時間を超えたことが直ちに就職の認定につながるわけではありませんが、恒常的に超える見込みで契約している場合は該当します。判断に迷うシフト内容であれば、契約前に窓口で確認するのが確実です。

そのまま働き続けたほうが得になるケースもあります。所定給付日数の3分の1以上を残して就職した場合は再就職手当の対象になり得ますし、職業訓練に受講指示で通う場合は所定給付日数を超えて基本手当が支給されます。条件は職業訓練で失業保険を延長|訓練延長給付の条件で解説しています。

認定日の前日までにやる4つの準備

認定日当日に記憶をたどって書こうとすると、日付か時間か金額のどれかが必ず曖昧になります。次の4つを前日までに済ませておけば、窓口で迷いません。

認定日前チェックリスト
  • 働いた日をカレンダーに印を付ける:認定対象期間は直前の28日間です(雇用保険法第15条第3項)。その28日のどこに就労日があるかを先に特定します
  • 1日ごとの労働時間を書き出す:合計時間ではなく日別です。申告書は日単位で記入します
  • 受け取った金額と、受け取った日を確認する:振込明細か給与明細で支払日を確定させます
  • 求職活動の実績を確認する:施行規則第28条の2第1項により、ハローワークは申告書に記載された求職活動の内容を確認します。就労の申告だけでは認定は完了しません

認定日そのものが初回の場合は、持ち物が別途必要です。ハローワーク初回の持ち物チェックリストで事前に揃えてください。離職理由が自己都合のままで納得できていない場合は、特定理由離職者の認定条件と判定表離職票の離職理由への異議申立ての手順と証拠を確認すると、給付制限の有無から見直せます。

受給期間中の生活費の見通しを立てたい方は、転職先が決まってない退職|空白期間の出費と手続きで無収入になる日数を先に逆算しておくと、アルバイトをどの程度入れるべきかの判断がしやすくなります。

よくある質問

Q1. アルバイトをしたら、認定日を待たずにハローワークへ連絡すべきですか?

その必要はありません。施行規則第29条第1項は、届出は「収入を得るに至った日の後における最初の失業の認定日に、失業認定申告書により」行うと定めています。認定日に申告書へ記入すれば期限内です。

Q2. 1日だけのアルバイトでも申告は必要ですか?

必要です。雇用保険法第19条第3項に日数や金額の下限はありません。「1日だけだから」「少額だから」という例外は条文に存在しません。

Q3. 申告すると、その日の手当は必ず消えますか?

消えません。雇用保険法第19条第1項第1号に当てはまる金額であれば全額支給されます。減額されるのは、収入の1日分から控除額を引いた額と基本手当日額の合計が賃金日額の80%を超えた場合で、不支給になるのはその超過額が基本手当日額以上になった場合です。

Q4. 給付制限期間中のアルバイトも申告が必要ですか?

必要です。給付制限期間中はもともと基本手当が支給されないため減額は起きませんが、失業認定申告書には就労の状況を記入します。給付制限が終わった後の認定日から、実際の減額計算が始まります。

Q5. 無申告が発覚すると、必ず3倍返しになりますか?

必ずではありません。雇用保険法第10条の4第1項は、返還を命ずることが「できる」、さらに不正受給額の2倍に相当する額「以下」の納付を命ずることが「できる」という書き方です。返還と納付を合わせた上限が3倍という構造で、金額は厚生労働大臣の定める基準によって決まります。

Q6. アルバイト先が雇用保険に加入していない場合も申告しますか?

申告します。届出義務の根拠である第19条第3項が対象にしているのは収入を得た事実であり、勤務先が雇用保険の適用事業所かどうかは要件になっていません。

退職手続きでつまずいている方へ

ここまでは、すでに受給が始まっている方に向けた申告の話です。一方で、会社が離職票を出してくれない、退職の意思を伝えられないまま日数だけが過ぎている、という段階で止まっている方もいます。受給開始が遅れるほど、アルバイト収入で埋めなければならない期間は長くなります。

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本記事の参照元(公的情報)

※本記事は2026年8月28日時点の法令・公式情報に基づきます。控除額および基本手当日額の上限額は毎年8月1日に改定されるため、適用額は認定日にハローワークでご確認ください。