職業訓練で失業保険を延長|終了後手当30日の条件

職業訓練の受講で失業保険が延長される訓練延長給付の条件解説

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「所定給付日数の3分の1が残っていれば訓練に間に合う」——所定給付日数が240日以上の人には、この目安は通用しません。ハローワークが公表している必要残日数の表は、240日を境に別の基準へ切り替わっています。

この記事が想定しているのは、失業手当を受け取りながら次の仕事の準備を進めていて、残りの日数が減っていく焦りの中で職業訓練を検討している場面です。訓練に通えば給付が延びると聞いてはいるものの、いつまでに動けば間に合うのかがはっきりしません。判断に必要なのは制度の概要ではなく、自分の残日数と締切の関係です。

訓練延長給付の根拠は雇用保険法第24条です。条文と政令が定める日数をそのまま並べると、ネット上で流通している説明とずれる箇所が4つあります。ずれる箇所を条文番号つきで指摘したうえで、自分の残日数から締切を逆算できる形にまとめます。

このページでわかること
  • 訓練延長給付が3つの期間に分かれる仕組みと、それぞれの上限日数の条文根拠
  • 受講指示に必要な支給残日数の早見表と、訓練開始までに消化できる日数の逆算
  • 「残り3分の1」という目安が所定給付日数240日以上で成立しない理由
  • 訓練終了後の30日延長(終了後手当)の4つの条件と、「30日−支給残日数」の計算方法
  • 終了後手当の応募実績の数え方(面接・自己応募も含むか)
  • 受講手当・通所手当・寄宿手当の正確な金額と、月額と通算額の取り違え
  • 求職者支援訓練が対象に含まれる条文上の根拠

結論|訓練延長給付は3つに分かれ、根拠は雇用保険法第24条です

訓練延長給付とは、ハローワークの受講指示を受けて職業訓練に通う間、所定給付日数を超えて基本手当が支給される仕組みです。延長される期間は1つではなく、訓練の前・訓練中・訓練後の3つに分かれています。

受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(その期間が政令で定める期間を超えるものを除く。)を受ける場合には、当該公共職業訓練等を受ける期間(その者が当該公共職業訓練等を受けるため待期している期間(政令で定める期間に限る。)を含む。)内の失業している日について、所定給付日数を超えてその者に基本手当を支給することができる。

雇用保険法 第24条第1項

この条文が指す「政令で定める期間」は2か所あり、雇用保険法施行令第4条が訓練期間の上限を2年、待期している期間を90日と定めています。3つ目の訓練終了後の延長(終了後手当)は第24条第2項が定めており、上限は施行令第5条第1項の30日です。

注意すべきは、3つとも自動的に付いてくるわけではない点です。①と②は受講指示さえ出れば要件を満たしますが、③は「就職が相当程度に困難な者であると認めたもの」に限られます。判断はハローワーク所長が行います。

見落とされがちなのが受給期間です。基本手当は原則として離職日の翌日から1年の間にしか受け取れませんが、雇用保険法第24条第3項は、受講指示の訓練がこの期間を超えて続く場合、受給期間を訓練を受け終わる日まで延ばすと定めています。1年を超えて訓練が続いても、日数が切れることはありません。

受講指示に必要な支給残日数の早見表【2026年版】

受講指示が出るかどうかは、訓練開始日の時点で基本手当の支給残日数がどれだけあるかで決まります。ハローワークは所定給付日数ごとに必要な残日数を公表しており、これが実質的な締切になります。

所定給付日数必要な支給残日数(給付制限あり)必要な支給残日数(給付制限なし)訓練開始までに消化できる日数の上限
90日31日以上1日以上59日
120日41日以上1日以上79日
150日51日以上31日以上99日
180日61日以上61日以上119日
210日71日以上71日以上139日
240日91日以上91日以上149日
270日121日以上121日以上149日
300日151日以上151日以上149日
330日181日以上181日以上149日
360日211日以上211日以上149日

左の3列はハローワークが公表している受講指示の要件の値です。右端の「消化できる日数の上限」は、所定給付日数から必要残日数を引いて当編集部が算出した数字で、給付制限がある場合の値です。自分の所定給付日数の行を見れば、あと何日ぶん受け取ったら間に合わなくなるかが分かります。

自分の所定給付日数が分からない場合は、受給資格者証の所定給付日数欄で確認できます。年齢と被保険者期間から決まる日数の表はハローワークインターネットサービスの基本手当の所定給付日数にあります。受け取れる金額の目安は失業保険の給付額計算ツールで試算できます。

給付制限の有無で締切が変わるのは所定給付日数150日までです

表を縦に見ると、給付制限の有無で必要残日数が変わるのは90日・120日・150日の3行だけです。180日以上の行は給付制限の有無にかかわらず同じ日数になります。倒産や解雇で辞めて給付制限がかからない人は、90日と120日の行では残日数1日でも受講指示の対象になり得ます。逆に自己都合で給付制限がかかっている人は、同じ90日でも31日以上を残しておく必要があります。

給付制限そのものの長さと数え方は失業保険の待期期間と給付制限|7日と1ヶ月の違いで整理しています。倒産や更新拒否で辞めた場合は給付制限がかからず、所定給付日数も変わる可能性があるため、特定理由離職者の認定条件を先に確認してください。

「残り3分の1」の目安は所定給付日数240日以上では成立しません

訓練延長給付の解説記事はほぼ例外なく「所定給付日数の3分の2を消化する前に訓練を開始すること」と書いています。この言い換えである「残りが3分の1を超えていればよい」は、210日までしか成立しません。

訓練開始までに消化できる日数の上限訓練開始までに消化できる日数実際の上限3分の2の目安所定給付日数 90日59日所定給付日数 150日99日所定給付日数 210日139日所定給付日数 240日149日目安159日所定給付日数 360日149日目安239日240日以上は一律149日で頭打ち150日分受け取ると受講指示の対象外210日までは目安と実際が一致※給付制限ありの場合の日数出典: ハローワーク公表値から算出
所定給付日数別・訓練開始までに消化できる日数の上限(給付制限ありの場合。全10区分は上の早見表・ヤメラボ作成)
所定給付日数「3分の2ルール」で消化できる日数実際に消化できる日数の上限ずれ
90日〜210日59日〜139日59日〜139日なし(一致します)
240日159日149日10日ぶん早い
270日179日149日30日ぶん早い
300日199日149日50日ぶん早い
330日219日149日70日ぶん早い
360日239日149日90日ぶん早い
この比較表の前提
  • 「3分の2ルールで消化できる日数」は、所定給付日数の3分の2に満たない最大の整数日数として計算しています
  • 「実際に消化できる日数の上限」は、ハローワークが公表する必要残日数を所定給付日数から引いた値です
  • いずれも給付制限がある場合の数字です。180日以上の行は給付制限の有無で差がありません
  • この表は締切の目安を比べるためのもので、受講指示を出すかどうかの最終判断はハローワークが行います

240日以上の行では、消化できる日数が一律149日で頭打ちになります。所定給付日数が長いほど猶予も伸びるという直感は成り立ちません。360日の人は、239日ぶん受け取ってからでも間に合うと考えていると、実際には150日目の時点で受講指示の対象から外れています。

所定給付日数が240日以上になるのは、倒産や解雇で離職した特定受給資格者や、就職困難者に当たる場合です。つまり自分の意思で辞めていない人ほど、この落とし穴に当たりやすい構造になっています。受給開始からの経過日数を早めに数えておいてください。

訓練終了後の30日延長(終了後手当)は「30日−支給残日数」が上限です

訓練を終えても就職が決まらなかった場合、さらに支給が延びることがあります。ハローワークの業務取扱要領はこれを「終了後手当」と呼んでいます。ただし上乗せされるのは30日ではなく、30日から訓練終了日の支給残日数を差し引いた日数です。

この場合において、所定給付日数を超えて基本手当を支給する日数は、前段に規定する政令で定める日数から支給残日数を差し引いた日数を限度とするものとする。

雇用保険法 第24条第2項後段

前段の「政令で定める日数」を30日と定めているのが雇用保険法施行令第5条第1項です。差し引きの結果は次のようになります。

訓練終了日の支給残日数上乗せされる日数(上限)終了後に受け取れる日数の合計
0日30日30日
5日25日30日
10日20日30日
20日10日30日
29日1日30日
30日以上0日(対象外)支給残日数のぶんだけ

合計が30日で揃うことに意味があります。この延長は上乗せではなく、訓練終了後に受け取れる日数を30日まで底上げする仕組みです。残日数が30日以上ある人は、条文上そもそも対象になりません。雇用保険法第24条第2項が対象者を「支給残日数が政令で定める日数に満たないものに限る」と絞っているためです。

ここでいう支給残日数は、所定給付日数の残りだけで決まるわけではありません。業務取扱要領52355は、支給残日数を「受講終了日の翌日から受給期間の最後の日までの間に基本手当の支給を受けることができる日数」と定めています。所定給付日数が残っていても、受給期間(原則として離職日の翌日から1年)の終わりが近ければ、その分だけ支給残日数は少なく数えられます。

終了後手当を受けるには4つの条件を全部満たす必要があります

残日数が30日未満でも自動的には支給されません。雇用保険法第24条第2項は「就職が相当程度に困難な者であると認めたもの」に限っており、業務取扱要領52355はその中身を次の4つと定め、全てを満たすことを求めています。

  • ①就職の見込みがなく、職業指導などの援助が特に必要と認められる — 施行令第5条第2項の基準です。最初に求職の申込みをした日以後に、正当な理由なくハローワークの紹介する職業に就くこと、受講指示の訓練を受けること、職業指導を受けることを拒んだことがある人は除かれます
  • ②受講した訓練の職種で、雇用保険に入る就職を希望している — 訓練と関係のない職種だけを探している場合は当たりません
  • ③訓練終了日前の4週間に、その職種の求人へ複数回応募したのに内定がない — 応募の実績で判断されます
  • ④その職種の都道府県の有効求人倍率が1倍以下 — 厚生労働省職業分類の小分類ごとの倍率で判断します
終了後手当(訓練終了後の30日延長)の判定終了後手当が出るかの判定入口|訓練終了日の支給残日数30日未満か(30日以上なら対象外)次の4つを全部満たすか①就職の見込みがない紹介・訓練・指導を断ったことがない②訓練した職種で就職を希望雇用保険に入る働き方で探している③終了前4週間に複数回応募面接を受けた分も含む・内定なし④その職種の求人倍率1倍以下都道府県・職業分類の小分類で判断終了後手当が出る上限=30日−支給残日数残0日なら30日・残12日なら18日訓練を途中でやめた人は対象外出典: 雇用保険法24条2項・業務取扱要領52355
終了後手当(訓練終了後の30日延長)の判定の流れ(ヤメラボ作成)

応募の実績はどこまで数えられるか

条件の③は、知恵袋などで「応募だけでいいのか」と最も多く質問されている部分です。業務取扱要領52355は、応募の実績を次のように広めに数えると定めています。

  • 面接を受けた場合も含む — 4週間の中で新たに応募していなくても、その期間に面接等を受けていれば実績になります。面接のための応募が4週間より前でも差し支えありません
  • ハローワーク以外の応募も含む — 民間の職業紹介事業者の紹介や、企業へ自分で直接応募した分も数えます
  • 確認は失業認定申告書で行う — 応募・面接の有無と、その求人の職種を申告書などに書いて確認します。書き漏らすと実績として扱われません
  • 職種は訓練の受講証明書で決まる — 公共職業訓練等受講証明書の「訓練受講職種」欄の区分で判断し、似た小分類の職種への応募も含めてよいとされています

つまり「応募しただけ」では足りず、「訓練した職種に、複数回、内定なし」の3点がそろって初めて実績になります。終了の1か月ほど前から、訓練した職種への応募を申告書に記録していくのが確実です。申告書の書き方は失業認定申告書の書き方で解説しています。

内定が出た・訓練をやめた・認定日に行けなかったとき

  • 訓練終了前に内定が出た — 条件①の「就職の見込みがない」と③の「内定に至っていない」に当たらなくなるため、終了後手当の対象になりません。早く就職すると再就職手当の対象になることがあります
  • 訓練を途中でやめた — 要領は、中途でとりやめた人は「公共職業訓練等を受け終わった者」に当たらないとして対象外にしています。ハローワークの指示で訓練期間が短縮された場合は除きます
  • 認定日・出頭日に行かなかった — 求職の申込み以後に所定の認定日や出頭日に来所しなかった場合は、条件を満たさないものとして扱われます。面接や採用試験と重なった場合などの例外があります
  • 短時間の仕事だけを希望している — 雇用保険に入らない短時間労働だけを希望する人は、援助が特に必要かどうかを十分慎重に判断するとされています

決め方とスケジュール

終了後手当を出すかどうかは、各ハローワークの審査会議で決まり、所長が決裁します。審査会議はおおむね2週間に1回開かれ、基本手当の支給終了日がおおむね1か月後に来る人を選んで審査します。支給が決まると、受給資格者証または受給資格通知にその旨が記載されます。

求人倍率の判断に使う数値も決まっています。6月〜11月に判断する場合はその年の4月の職種別有効求人倍率を、12月〜5月に判断する場合は直前の10月の倍率(要領の表記は「同年10月」)を使います。訓練終了日に支給残日数がある人はその支給が終わる日に、残日数が無い人は訓練終了日に呼び出され、事情に変わりがないかを確認されます。

延長が決まると受給期間も延びます。延びるのは当初の受給期間に「30日−支給残日数」を足した日までで、訓練中にすでに当初の受給期間を超えていた人は、訓練終了日から30日を経過する日までです。延長中に、正当な理由なく紹介や職業指導を拒むと、その日以後は支給されません(雇用保険法第29条)。

「60日延長」という説明を見かけることがありますが、終了後手当の上限は施行令第5条第1項が定める30日です。訓練を受けながらの求職活動の進め方はハローワークの職業紹介で必要な持ち物と流れで確認してください。

訓練中に受け取れる手当の料金表(受講手当・通所手当・寄宿手当)

訓練延長給付とは別に、訓練中は技能習得手当と寄宿手当が支給されます。雇用保険法施行規則第56条は、技能習得手当を受講手当と通所手当の2つと定めています。金額はすべて施行規則が定めた固定額です。

手当の種類金額上限の単位条文
受講手当日額500円1つの訓練につき40日分(通算20,000円)施行規則第57条
通所手当(交通機関を利用)1か月の運賃相当額月額42,500円施行規則第59条第2項第1号
通所手当(自動車等・片道10km未満)月額3,690円月額42,500円施行規則第59条第2項第2号
通所手当(自動車等・片道10km以上)月額5,850円月額42,500円施行規則第59条第2項第2号
通所手当(指定地域・自動車等で片道15km以上)月額8,010円月額42,500円施行規則第59条第2項第2号
寄宿手当(生計を維持している同居の親族と別居して寄宿する場合)月額10,700円別居して寄宿した期間ぶん施行規則第60条

受講手当を「月額上限2万円」と説明している記事がありますが、これは誤りです。施行規則第57条第1項が定めているのは「四十日分を限度として支給する」という通算の上限で、月ごとの上限ではありません。6か月の訓練に通っても受講手当は最大20,000円です。生活費の計画を立てるときは、この差が数万円になります。

通所手当にも見落としがちな条件があります。施行規則第59条第1項は、徒歩で通った場合の距離が片道2キロメートル未満の人を原則として対象から外しています。訓練施設が近い場合は通所手当が出ません。

給付制限期間中は手当も支給されません

雇用保険法第36条第1項は、技能習得手当を「公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合」に支給すると定めています。受講指示のない講座に自費で通っても、受講手当も通所手当も支給されません。さらに同条第3項は、給付制限により基本手当を支給しないこととされる期間について、技能習得手当と寄宿手当も支給しないと定めています。

給付制限は解除されますが、遡って支給されるわけではありません

自己都合で辞めた人が受講指示を受けて訓練に通うと、給付制限が解除されます。ただし解除の効果が及ぶのは訓練の開始日以降であり、それまでの給付制限期間にさかのぼって支払われることはありません。

ただし、次に掲げる受給資格者(第一号に掲げる者にあつては公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける期間及び当該公共職業訓練等を受け終わつた日後の期間に限り…)については、この限りでない。

雇用保険法 第33条第1項ただし書

括弧書きの「受ける期間及び受け終わつた日後の期間に限り」が範囲を確定しています。1か月の給付制限のうち10日目に訓練が始まれば、支給が始まるのはその日からで、最初の9日分は戻りません。訓練の開始日が早いほど受け取れる期間が長くなるという結論は、この条文から出ています。

なお給付制限の長さは、2025年4月1日以降に離職した人の自己都合退職では原則1か月です。条文上は「第二十一条の規定による期間の満了後一箇月以上三箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間」と幅を持たせています。受給の全体的な流れと金額の計算は失業保険の計算方法|給付額と日数の完全ガイドにまとめています。

訓練延長給付が受けられない4つのケース

訓練に通えば必ず延長されるわけではありません。条文上、次の4つのいずれかに当たると支給されません。

  • 受講指示ではなく受講推薦・支援指示で通っている — 雇用保険法第24条第1項の要件は「公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等」です。同じ講座でも指示の種類が違えば対象外になります。申込みの時点でどれに当たるかを窓口で確認してください
  • 訓練期間が2年を超えるコースを選んだ — 施行令第4条第1項が対象期間を2年と定めており、これを超える課程は条文上除外されます
  • 訓練開始時点の支給残日数が足りない — 早見表の必要残日数を下回っていると、そもそも受講指示が出ません
  • 他の延長給付をすでに受けている — 施行令第9条が延長給付どうしの調整を定めています。個別延長給付・広域延長給付・全国延長給付との関係で受給期間の計算が変わります

求職者支援訓練は条文上「公共職業訓練等」に含まれます

求職者支援訓練は失業保険をもらっていない人向けの制度だと説明されることがありますが、雇用保険法上は公共職業訓練等の一部です。第15条第3項が「公共職業訓練等」の中身を定義しており、そこに認定職業訓練が明記されています。

公共職業訓練等(国、都道府県及び市町村並びに独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が設置する公共職業能力開発施設の行う職業訓練(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。)、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律第四条第二項に規定する認定職業訓練(厚生労働省令で定めるものを除く。)その他法令の規定に基づき…政令で定めるものをいう。)

雇用保険法 第15条第3項

ここでいう認定職業訓練が求職者支援訓練です。雇用保険を受給している人が求職者支援訓練に受講指示で通う場合、訓練延長給付の対象になります。公共職業訓練に希望のコースがないという理由だけで選択肢から外す必要はありません。指示の種類だけ確認してください。

「職業訓練受講給付金(月10万円)」は別の制度です

「訓練中に月10万円もらえる」と紹介される職業訓練受講給付金は、求職者支援制度の給付です。雇用保険の受給資格者ではない人のための制度で、失業保険を受けている人の訓練延長給付とは別物です。

項目訓練延長給付(この記事)職業訓練受講給付金
対象失業保険(基本手当)の受給資格者雇用保険被保険者でも受給資格者でもない人
受け取るお金基本手当を訓練終了日まで+受講手当・通所手当職業訓練受講手当 月10万円+通所手当など
主な要件受講指示+訓練開始時の支給残日数本人収入月8万円以下・世帯収入月30万円以下・世帯の金融資産300万円以下など

所定給付日数を使い切ったあとに訓練を考える人は、こちらの給付金が選択肢になります。要件の全体は厚生労働省「求職者支援制度のご案内」で確認できます。

受講指示をもらうまでの5ステップ

手続きの主役は訓練校ではなくハローワークです。受講指示は申込みの結果として出るものなので、順番を飛ばすと延長給付だけ受けられないという事態が起きます。

  • ステップ1(当日)|受給資格者証で所定給付日数と支給残日数を確認する — 早見表の自分の行を見て、あと何日ぶん受け取ったら締切になるかを計算します。ここが全体の期限になります
  • ステップ2(1〜2週間前)|訓練コースを選び、開講日を確認する — 応募締切ではなく開講日が基準です。開講日の時点で必要残日数を満たしている必要があります
  • ステップ3(応募締切まで)|ハローワークで職業訓練の受講申込みをする — このとき「受講指示の対象になりますか」と明示的に聞いてください。窓口が残日数を照合します
  • ステップ4(選考日)|訓練校の面接・筆記選考を受ける — 選考に落ちると開講日がずれ、残日数の条件を満たせなくなることがあります。第2希望まで並行して検討しておくほうが安全です
  • ステップ5(合格後・開講前)|ハローワークで受講指示を受ける — 合格通知だけでは足りません。開講日の前日までに受講指示の手続きを済ませることで、待期中の延長も対象になります

離職後の手続き全体の順番は退職後にやること|手続きの順番と期限にまとめています。離職票が手元にない段階では受給資格の決定自体ができないため、そちらを先に片づけてください。

まだ退職していない人が先に確認しておくこと

ここまでは受給が始まっている前提の話です。これから辞める段階の人にとっては、退職日そのものが訓練延長給付の締切を動かします。受給資格の決定が遅れれば、その分だけ訓練開始までの残り時間が削られるためです。

退職日や離職理由でもめている場合は弁護士法人ガイア

退職の申し出を保留され、退職日が確定しないまま月をまたぎそうな場合に向いています。退職日が動くと離職票の発行も受給資格の決定もずれ込み、訓練の開講日までに必要な残日数を確保できなくなります。弁護士法人が直接対応するため、退職日の確定と未払い賃金の請求を同時に処理できます。

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有給を消化してから訓練に入りたいなら退職代行Jobs

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使わない方がいいケース

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よくある質問(FAQ)

Q. 訓練延長給付を受けるのに申請書は必要ですか?

A. 訓練延長給付そのものに申請手続きはありません。雇用保険法第24条第1項は「受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合には」と定めており、要件は受講指示を受けて訓練に通っていることです。申請すべき対象は延長給付ではなく、その前段にある受講指示です。ハローワークの窓口で職業訓練の受講申込みをするとき、受講指示の対象になるかどうかを必ず確認してください。

Q. 求職者支援訓練でも訓練延長給付の対象になりますか?

A. 受講指示が出れば対象になります。雇用保険法第15条第3項は「公共職業訓練等」の中に、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律第4条第2項に規定する認定職業訓練を含めています。認定職業訓練とは求職者支援訓練のことです。ただし対象になるのは受講指示が出た場合であり、受講推薦や支援指示で通う場合は訓練延長給付の対象外です。同じ講座でも指示の種類で結論が変わります。

Q. 訓練期間が2年を超えるコースでも延長されますか?

A. 延長されません。雇用保険法第24条第1項は対象から「その期間が政令で定める期間を超えるもの」を除いており、雇用保険法施行令第4条第1項がその期間を2年と定めています。2年を超えるコースは条文上そもそも訓練延長給付の対象になりません。長期の課程を検討している場合は、訓練期間が2年以内に収まるかどうかを先に確認してください。

Q. 訓練が終了しても就職できなかった場合、30日分もらえますか?

A. 30日から訓練終了日の支給残日数を差し引いた日数が上限です。雇用保険法第24条第2項の後段は「所定給付日数を超えて基本手当を支給する日数は、前段に規定する政令で定める日数から支給残日数を差し引いた日数を限度とする」と定めており、雇用保険法施行令第5条第1項がその日数を30日としています。終了時に残日数が10日あれば上乗せは20日、30日以上残っていれば上乗せはありません。

Q. 訓練終了後手当は、応募しただけでももらえますか?

A. 応募しただけでは足りません。業務取扱要領52355は、訓練終了日前の4週間に、受講した訓練の職種の求人へ複数回応募したのに内定に至っていないことを条件の1つにしています。その期間に面接を受けた場合も実績に含まれ、ハローワーク以外の紹介や自分で直接応募した分も数えます。ほかに、訓練した職種での就職を希望していること、その職種の都道府県の有効求人倍率が1倍以下であることなども全て必要です。

Q. 訓練終了前に内定が出たら、終了後手当はどうなりますか?

A. 対象になりません。終了後手当は、就職の見込みがなく、応募しても内定に至っていない人が対象です。内定が出た時点でこの条件に当たらなくなります。早く就職した場合は、条件を満たせば再就職手当の対象になることがあります。

Q. 給付制限中に訓練を始めたら、制限された分はあとから支払われますか?

A. 支払われません。雇用保険法第33条第1項ただし書は、公共職業訓練等を受ける受給資格者について給付制限を適用しない範囲を「公共職業訓練等を受ける期間及び当該公共職業訓練等を受け終わつた日後の期間に限り」と定めています。効果が及ぶのは訓練開始日以降であり、それ以前の給付制限期間にさかのぼって支給されるわけではありません。訓練の開始日が早いほど、受け取れる期間が長くなります。

Q. 訓練中にもらえる受講手当の上限は月2万円ですか?

A. 月額の上限ではなく、1つの訓練につき40日分が上限です。雇用保険法施行規則第57条第1項は受講手当を「四十日分を限度として支給する」と定め、同条第2項が日額を500円と定めています。6か月の訓練でも受け取れるのは通算で最大20,000円です。月額2万円が毎月支給されるという説明は誤りなので、生活費の見通しを立てるときは通算額で計算してください。

訓練の申込みまでに片づける3つのこと

今日のうちに手元で終わる作業が3つあります。どれもハローワークに行く前に済ませられます。

  • 受給資格者証で所定給付日数と支給残日数を書き出す — 早見表の自分の行を見て、消化できる日数の上限から締切日を割り出します。240日以上の人はここで149日という上限を確認してください
  • 候補コースの開講日を3つ並べる — 応募締切ではなく開講日で判定されます。選考に落ちた場合に備えて、締切日より前に開講するコースを複数持っておきます
  • 訓練施設までの通所距離を測る — 片道2キロメートル未満だと通所手当が出ません。自動車で通う場合は10キロメートルと15キロメートルの境目で金額が変わります

締切を決めているのは訓練の開講日ではなく、あなたの支給残日数です。日数は毎回の認定日ごとに確実に減っていきます。所定給付日数が240日以上の人ほど猶予があると誤解しやすいので、149日という上限を先に手帳へ書き込んでください。まだ退職していない段階なら、退職日を確定させることが最初の一手になります。

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