退職代行の男女比|女性が多い説は本当か

退職代行の男女比は調査によって結果が逆転する

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労働問題専門メディア編集部

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「退職代行は女性の利用が多い」——この説の出どころをたどると、行き着くのは1つの集計です。ところが別の調査を開くと、男性59%・女性37%と結果が反転します

このページでは、男女比を公表している4つの調査を並べて比較します。そのうえで、総務省統計局「労働力調査」2025年平均の就業者男女比(男性54.2%・女性45.8%)で各調査を割り戻し、性別による利用の濃さを示す相対利用指数を独自に算出しました。結論から書くと、退職代行の利用は性別ではほとんど説明できません。

このページの特徴
  • 男女比を公表する4調査を1表に集約(他サイトは1調査のみの引用が大半)
  • 就業者の男女比で割り戻した相対利用指数の独自計算(本サイト算出)
  • 女性856名調査と転職者800名調査で見る、利用理由の男女差
  • 男女比よりはるかに大きい「勤続年数の偏り」の提示

退職代行の男女比は調査ごとに逆転する|4調査を徹底比較【2026年版】

退職代行の男女比は、調査によって男性優位にも女性優位にも振れます。男女比を公表している主要な4つの調査を並べると、その振れ幅が一目でわかります。

男女比を公表している4調査の一覧

調査対象・母数男性女性
労働基準調査組合
(2026年6月1〜2日)
退職代行利用者 100名59%37%
(回答なし4%)
辞めエール
(株式会社Liberes・2023年2月)
退職代行利用者 100名51人49人
退職サポート
(自社利用者集計)
自社サービス利用者46%54%
退職代行モームリ
(アルバトロス)
自社利用者 15,934名「性別による差はそこまで見受けられない」

※ 出典: 労働基準調査組合「退職代行利用者100名の追跡調査」 / 株式会社Liberes「退職代行の利用者100人にアンケート調査」 / 退職サポート「退職代行を使う年齢層は?男女比はどれくらい?」 / 株式会社アルバトロス「退職代行モームリ利用の15,934名分の退職データ」

最大値と最小値の差は大きく開きます。男性の比率は46%から59%まで13ポイント、女性の比率は37%から54%まで17ポイントの幅があります。同じ「退職代行の男女比」という指標で、これだけ結論が変わります。

なぜ調査によって男女比が入れ替わるのか

母集団が違うためです。理由は3つあります。

  • 特定1社の利用者内訳である — 退職サポートとモームリのデータは、自社サービスを使った人の内訳です。サービスごとに主な利用者層は異なり、女性専用・男性専用をうたうサービスも存在します。業界全体の平均ではありません。
  • 母数が100名しかない — 労働基準調査組合と辞めエールの調査はいずれも有効回答100名です。10人の増減がそのまま10ポイントの差になります。標本誤差の範囲で順位が入れ替わります。
  • 調査時期が3年離れている — 辞めエールの調査は2023年2月、労働基準調査組合の調査は2026年6月です。退職代行の利用者総数はこの間に大きく増えており、単純な時系列比較もできません。

利用者の総数がどう伸びてきたかは退職代行の利用率・認知率の年次推移にまとめています。母集団そのものが動いている以上、単一の調査だけを引いて男女比を断定するのは無理があります

【独自計算】就業者の男女比で割り戻すと「女性が多い」は消える

そもそも働いている人の数が男女で違います。比率をそのまま比べても、性別による利用の濃さはわかりません

総務省統計局「労働力調査(基本集計)」2025年平均によると、就業者数は6,828万人で、内訳は男性3,702万人・女性3,126万人です。構成比は男性54.2%・女性45.8%となります(ヤメラボ算出)。この構成比を分母にして各調査を割り戻したものが、下記の相対利用指数です。

退職代行の男女比 vs 就業者の男女比就業者(総務省)男性 54.2%女性 45.8%労働基準調査組合男性 61.5%女性 38.5%辞めエール男性 51.0%女性 49.0%退職サポート男性 46.0%女性 54.0%就業者構成比の基準線(男性54.2%)相対利用指数(調査の性別割合 ÷ 就業者構成比・1.0が構成どおり)男性 0.85〜1.13 / 女性 0.84〜1.18どの調査も1.0の前後に収まり、性別で利用が偏っているとは言えません※労働基準調査組合は「回答なし4%」を除いて再計算。就業者は総務省統計局 労働力調査2025年平均。指数はヤメラボ算出
就業者の男女比を基準にした退職代行の男女比比較(ヤメラボ独自計算)

相対利用指数 早見表

調査男性比率男性指数女性比率女性指数
労働基準調査組合61.5%1.1338.5%0.84
辞めエール51.0%0.9449.0%1.07
退職サポート46.0%0.8554.0%1.18
就業者(基準)54.2%1.0045.8%1.00

※ 指数は各調査の性別割合を総務省統計局「労働力調査(基本集計)年平均結果」2025年平均の就業者構成比で割ったヤメラボ算出値。労働基準調査組合の数値は回答なし4%を除いて100%に再基準化。

指数の幅は男性0.85〜1.13、女性0.84〜1.18です。指数1.0が「働いている人の構成どおりに使われている」状態を表します。どの調査も1.0の前後2割以内に収まっており、性別で利用が大きく偏っている証拠はありません

比較のために書くと、地域別では偏りがはっきり出ます。退職代行の都道府県別利用率では、人口100万人あたりで大阪府61.2人に対し全国平均40.1人と1.53倍の差がつきました。性別の指数はこの半分以下の振れ幅しかありません。

退職代行の男女比データを複数の調査から比較検証する場面

男女で違うのは比率ではなく「退職代行を使う理由」

男女差が出るのは利用率ではなく、動機です。女性を対象にした調査と、男女を含む転職者全体の調査では、上位に来る理由が明確に異なります。

働く女性856名の「使いたい理由」

女性の転職サイト「女の転職type」が働く女性856名に実施した調査では、退職代行を「ぜひ使ってみたい」4.1%・「場合によっては使ってみたい」54.8%・「すでに使った」2%で、合計約60.9%が利用意向を示しました。理由の内訳は次のとおりです。

順位使いたい理由割合
1位有給消化や退職金など権利を行使して辞めたい42.8%
2位退職交渉は気まずい42.2%
3位退職の意志を伝えると、退職日まで不当な扱いを受けそう36.4%

※ 出典: Forbes JAPAN「働く女性の6割が『退職代行を使ってみたい』」(女の転職type・働く女性856名調査)

1位が権利行使である点が特徴です。有給消化や退職金は法律で認められた権利ですが、自分で交渉すると角が立ちます。ここを代わりにやってほしいという需要が最上位に来ています。有給の法的根拠と、交渉できる運営タイプの違いは退職代行と有給消化で解説しています。

転職者800名全体の「使った理由」

一方、マイナビが直近1年間に転職した20代〜50代の正社員800名に実施した2024年の調査では、利用理由の上位は次のようになります。

順位使った理由(複数回答)割合
1位引き留められたから40.7%
2位言い出せる環境でない32.4%
3位トラブル懸念23.7%

※ 出典: マイナビキャリアリサーチLab「退職代行サービスに関する調査レポート(2024年)」(調査期間2024年7月4〜18日・個人800名)

全体では「引き留められた」が最上位で、権利行使は上位3位に入りません。女性調査で1位だった権利行使は、全体調査では前面に出ないということです。男女で分かれるのは「使うかどうか」ではなく「何を代行してほしいか」です。退職理由そのものの内訳は退職理由ランキングで扱っています。

使いたくない理由にも男女差が出る

同じ女の転職type調査では、使いたくない理由の1位が「礼儀として自分で交渉すべき」61.5%、2位が「自分でできる」53.7%、3位が「円満に退職したい」50.4%でした。利用をためらう最大の要因は、費用でも効果への疑いでもなく礼儀の問題です。この心理的な障壁については退職代行の罪悪感で詳しく扱っています。

年代・勤続年数で見ると男女差より大きい偏りがある

男女比の差は最大でも17ポイントです。ところが勤続年数で見ると、桁違いの偏りが現れます。

退職代行モームリ 15,934名の勤続年数内訳

勤続年数人数割合
1ヶ月未満3,903名24.4%
1ヶ月〜6ヶ月未満6,169名38.7%
半年未満 合計10,072名63.2%

※ 出典: 株式会社アルバトロス「退職代行モームリ利用の15,934名分の退職データ」(年齢15〜71歳・全国)

入社半年未満が63.2%です。同じデータで20代の利用が6割以上を占めることも公表されています。パーソル総合研究所が2025年8〜9月に1,829名を対象に実施した調査でも、正社員離職者のうち退職代行利用者は5.1%で、そのうち前職の在籍期間が1年未満の割合は約4割でした。

数ポイント差でしかない男女比と比べて、入社直後への集中は比較にならないほど大きい偏りです。退職代行の利用者像を語るなら、性別より勤続年数と年代を見るほうが実態に近づきます。年代別の内訳は退職代行の年代別利用率、業種別は退職代行の業界別利用率にまとめています。

男女別に選ぶ退職代行3選【2026年版】

退職の手続き自体に性別による差はありません。それでも男性専用・女性専用のサービスが選ばれるのは、相談相手の性別を揃えられる安心感があるためです。料金は公式サイト掲載の税込価格です。

男性向け|男の退職代行 — 男性スタッフに相談したい人に

料金(税込)正社員・契約・派遣 21,800円/パート・アルバイト 18,800円(別途組合費1,000円)
運営元労働組合(toNEXTユニオン)
交渉対応可(労働組合法にもとづく団体交渉権)
支払いpaidy翌月後払いに対応(案内制・LINE/フォーム/メールで要問い合わせ)

男の退職代行は労働組合が運営するため、退職日の調整や有給消化の交渉に対応できます。公式サイトでは「退職成功率100%」「6万件以上の実績数」「退職できない場合全額返金保証」と公表されています。雇用形態でパート・アルバイトは3,000円安くなる料金体系です

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女性向け|わたしNEXT — 女性スタッフに相談したい人に

料金(税込)正社員・契約・派遣 21,800円/パート・アルバイト 18,800円(別途組合費1,000円)
運営元労働組合(toNEXTユニオン)
交渉対応可(労働組合法にもとづく団体交渉権)
支払いpaidy翌月後払い・コンビニ後払いに対応(案内制・要問い合わせ)

わたしNEXTは男の退職代行と同じ運営で、料金体系も共通です。公式サイトでは「退職成功率100%」「6万件以上」「万が一退職できなかった場合でも100%返金保証」と公表されています。女の転職type調査で1位だった「有給消化や退職金など権利を行使して辞めたい」に対応できる労働組合運営です。女性の退職代行選びは女性向け退職代行の選び方もあわせてご確認ください。

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性別を問わず|弁護士法人ガイア法律事務所 — 法的な請求まで必要な人に

料金(税込)25,300円〜(残業代等の請求では成功報酬20〜30%が別途)
運営元弁護士法人ガイア法律事務所
交渉対応弁護士権限で法的交渉・請求まで対応可
相談方法LINE・メールで無料相談

未払い賃金・残業代・ハラスメントの慰謝料まで請求する場合は、弁護士法人を選びます。ガイアは弁護士法人が直接対応するため、非弁行為のリスクがありません。女の転職type調査で3位だった「退職日まで不当な扱いを受けそう」という懸念に、法的手段で対応できるのは弁護士法人だけです。運営タイプごとの権限の違いは退職代行と非弁行為で解説しています。

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よくある質問(FAQ)

Q. 退職代行は女性の利用が多いというのは本当ですか?

A. 調査によって結果が変わるため、断定できません。退職サポートの集計では男性46%・女性54%で女性が多い一方、労働基準調査組合が2026年6月に実施した利用者100名調査では男性59%・女性37%・回答なし4%と逆転します。辞めエールの100名調査では男性51人・女性49人でほぼ半々でした。モームリの利用者15,934名のデータでも、性別による差はそこまで見られないと公表されています。

Q. 調査によって男女比が違うのはなぜですか?

A. 母集団が違うためです。各調査は特定の退職代行サービス1社の利用者内訳か、100名規模のアンケートのいずれかです。サービスごとに主な利用者層は異なり、女性専用・男性専用をうたうサービスもあります。100名規模のアンケートでは、10人の増減がそのまま10ポイントの差になります。単一の調査だけを見て男女比を語ると結論が逆転します。

Q. 就業者の男女比と比べるとどうなりますか?

A. 退職代行の利用は、性別ではほぼ説明できません。総務省統計局「労働力調査」2025年平均の就業者は6,828万人で、男性3,702万人・女性3,126万人、構成比は男性54.2%・女性45.8%です。この構成比で各調査を割り戻すと、相対利用指数は男性0.85〜1.13、女性0.84〜1.18の範囲に収まります。指数1.0が「就業者の構成どおり」を意味するため、どの調査も1.0の前後で振れているにすぎません。

Q. 男性と女性で退職代行を使う理由に違いはありますか?

A. あります。女の転職typeが働く女性856名に実施した調査では、使いたい理由の1位が「有給消化や退職金など権利を行使して辞めたい」42.8%、2位が「退職交渉は気まずい」42.2%、3位が「退職の意志を伝えると不当な扱いを受けそう」36.4%でした。一方マイナビが転職者800名に実施した2024年調査では、全体の利用理由は「引き留められたから」40.7%、「言い出せる環境でない」32.4%、「トラブル懸念」23.7%です。女性側では権利行使が最上位に来る点が特徴です。

Q. 男性向け・女性向けの退職代行を選ぶ意味はありますか?

A. 退職の手続き自体に性別による差はありませんが、相談のしやすさで選ぶ意味はあります。男の退職代行とわたしNEXTはいずれも同じ運営で、料金も正社員・契約・派遣21,800円(税込)、パート・アルバイト18,800円(税込)で共通し、別途組合費1,000円がかかります。有給消化や未払い賃金の請求まで必要な場合は、性別を問わず弁護士法人ガイア法律事務所(25,300円〜)を選びます。

Q. 男女比よりも注目すべきデータはありますか?

A. 勤続年数と年代です。モームリの利用者15,934名のデータでは、勤続1ヶ月未満が3,903名で24.4%、1ヶ月〜6ヶ月未満が6,169名で38.7%、合わせて半年未満が63.2%を占めます。年代では20代が6割以上です。数ポイント差でしかない男女比よりも、入社直後の層に集中しているという偏りのほうが圧倒的に大きく、実態を表しています。

男女比データを読むときの4つのポイント

退職代行の男女比について、押さえるべき点を整理します。

  • 単一の調査で断定しない — 男性は46%〜59%、女性は37%〜54%と、調査によって順位が入れ替わります
  • 就業者構成比で割り戻す — 男性54.2%・女性45.8%を基準にすると、相対利用指数は男性0.85〜1.13・女性0.84〜1.18。どれも1.0の前後2割以内です
  • 男女差が出るのは動機のほう — 女性856名調査では権利行使42.8%が1位、転職者800名調査では引き留め40.7%が1位でした
  • 勤続年数の偏りのほうが大きい — 15,934名データで半年未満が63.2%。性別より入社直後かどうかが実態を説明します
  • サービスは性別より運営タイプで選ぶ — 交渉が必要なら労働組合運営、法的請求まで必要なら弁護士法人を選びます

退職代行統計の全体像は退職代行に関する統計データまとめ、利用率の年次推移は退職代行の利用率推移、年代別内訳は年代別利用率、地域別は都道府県別利用率、業界別は業界別利用率もあわせてご確認ください。

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