休職中のボーナス(賞与)はもらえる?判定早見表

※本ページにはプロモーションが含まれています
休職中に賞与がもらえるかどうかは、休職しているという事実ではなく、賞与の算定対象期間のどこを休んだかで決まります。同じ休職3か月でも、その3か月が算定対象期間に丸ごと重なっているのか、期間の外にはみ出しているのかで、支給される金額はまったく違う結果になります。
この記事が想定しているのは、傷病手当金だけで生活を回していて、次の賞与が入るかどうかで数か月先の生活設計が変わる場面です。人事に直接聞くのが気まずくて、支給日が近づくたびに検索している人が最も多く読んでいます。会社に聞かなくても、手元の材料だけで支給の見込みは計算できます。
必要なのは、賞与の算定対象期間の始まりと終わり、そのうち出勤した月数、そして自社の賃金規程の3つです。この3つが揃えば、満額・減額・0円のどれになるかはその場で判定できます。判定軸と、社会保険料を引いたあとの手取りまでの早見表をまとめました。
- 満額・減額・0円を分ける判定軸と、算定対象期間の数え方
- 算定対象期間の出勤月数別に、賞与額と手取りを出した独自早見表
- 賞与のルールが書かれている場所と、就業規則を見せてもらう法的根拠
- 賞与が出ても傷病手当金が減らない理由と、年4回以上支給の例外
- 賞与から社会保険料が引かれて振込がゼロになる仕組み
- 支給日まで在籍を続けるかどうかを決める3つの分岐
結論|満額・減額・0円は算定対象期間の重なり方で決まります
判定に使う材料は1つだけです。賞与の算定対象期間と、自分の休職期間がどれだけ重なっているかを見ます。休職の理由も、診断名も、休職が何回目かも、この判定には入りません。
この基準が成り立つのは、賞与が「その期間に働いたことへの対価」として設計されているからです。労働基準法第11条は、賞与を賃金の一種として明確に位置づけています。労務を提供していない期間について賃金が発生しないという原則が、そのまま賞与の減額根拠になります。
この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。
労働基準法 第11条
賞与が賃金である一方で、毎月支払わなければならない賃金からは外されています。労働基準法第24条第2項ただし書は、臨時に支払われる賃金や賞与を毎月1回以上支払う原則の対象外とし、これを「臨時の賃金等」と呼んでいます。支給の有無そのものが会社の制度設計に委ねられているのは、この位置づけによるものです。
自社の算定対象期間がわからない場合は、賃金規程の賞与の条項を見てください。たとえば夏の賞与を前年10月から3月、冬の賞与を4月から9月と定めている会社なら、6か月ごとの区切りで判定します。締め日から支給日までに1か月から3か月の間隔が空くのは、この期間の勤務実績を評価してから金額を決めるためです。
出勤月数別の賞与と手取りの早見表【2026年版の独自試算】
支給割合が決まっても、振り込まれる金額はそこから減ります。賞与にも健康保険料と厚生年金保険料がかかるためです。額面と手取りを同時に置いた表が見当たらなかったため、ヤメラボで計算しました。
- 算定対象期間は6か月、賞与は基本給25万円の2.0か月分(満額50万円)と仮定しています
- 減額は出勤月数に比例する月割按分と仮定しています。評価による増減は含みません
- 社会保険料は令和8年度の協会けんぽ東京支部の料率を使い、本人負担率を40歳未満14.19%として計算しました
- 健康保険法第45条により、標準賞与額は賞与額の千円未満を切り捨てた額としています
- 所得税・住民税は含みません。実際の按分単位や評価係数は自社の賃金規程で決まります
| 算定対象期間の出勤月数 | 支給割合 | 賞与の額面 | 社会保険料(40歳未満) | 手取りの目安 |
|---|---|---|---|---|
| 6か月(休職の重なりなし) | 100% | 500,000円 | 約70,900円 | 約429,100円 |
| 5か月(1か月が重なる) | 約83% | 約416,700円 | 約59,000円 | 約357,700円 |
| 4か月(2か月が重なる) | 約67% | 約333,300円 | 約47,300円 | 約286,000円 |
| 3か月(3か月が重なる) | 50% | 250,000円 | 約35,500円 | 約214,500円 |
| 2か月(4か月が重なる) | 約33% | 約166,700円 | 約23,600円 | 約143,100円 |
| 1か月(5か月が重なる) | 約17% | 約83,300円 | 約11,800円 | 約71,500円 |
| 0か月(全期間が重なる) | 0% | 0円 | 0円 | 0円 |
表で注目してほしいのは、出勤1か月と出勤0か月の差が、手取りで約7万円しかないという点です。休職の開始が1か月ずれるだけで賞与が丸ごと消えるという場面は、算定対象期間の終わり際に休職を始めたときにだけ起こります。期間の初めのほうで休職に入っている人が、あと1か月早く復職して回収できる額は限定的です。
40歳から64歳までは介護保険料が上乗せされ、本人負担率は15.00%になります。表の社会保険料はおよそ1.06倍になると考えてください。毎月の保険料そのものの金額と支払い方法は、休職中の社会保険料|支払い方法と実額早見表で標準報酬月額別に整理しています。
賞与のルールはどこに書かれていて、どう確認するのか
賞与を支払う義務を定めた法律はありません。存在するのは、賞与の定めを置く場合には就業規則に書きなさいという義務だけです。労働基準法第89条第4号が、賞与を含む臨時の賃金等を就業規則の記載事項として挙げています。
臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
労働基準法 第89条第4号
条文が「定めをする場合においては」と書いているところが重要です。賞与制度を置くかどうかは会社の裁量で、置いた場合にだけ記載義務が生じます。だからこそ、休職中に賞与が出るかどうかを法律で調べても答えは出ません。答えは自社の就業規則と賃金規程の中にしかありません。
休職中でも就業規則を見せてもらえます
出社していないから確認できない、という状況は法律上想定されていません。労働基準法第106条第1項は、就業規則を労働者に周知させることを使用者の義務としています。周知の方法として、掲示や備え付けのほかに書面の交付が明記されています。写しを送ってほしいという依頼は、この義務の範囲内の請求です。
使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、(中略)に規定する決議を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない。
労働基準法 第106条第1項
この義務には罰則があります。労働基準法第120条第1号は、第89条または第106条の規定に違反した者を30万円以下の罰金に処すると定めています。義務を定める条文と罰則の条文は別の場所にあるため、依頼する際は両方の条番号を書き添えると話が早く進みます。
依頼のメールで確認するのは3点だけです。賞与の算定対象期間の始まりと終わり、支給日在籍要件の有無、休職期間を算定対象期間に含めるかどうかの取り扱いです。この3点が揃えば、前章の早見表に自分の数字を当てはめられます。人事とのやり取り自体が負担になっている場合の連絡の絞り方は、休職中に会社から連絡が来たら|答える義務の線引きで扱っています。
賞与が出ても傷病手当金は減りません|健康保険法の3条文
賞与を受け取ると傷病手当金が止まるのではないか、という心配は不要です。健康保険法の条文構造上、賞与は傷病手当金の調整対象に入りません。根拠は3つの条文の組み合わせです。
出発点は、傷病手当金を止める条文が何を対象にしているかです。健康保険法第108条第1項は、調整の対象を「報酬」と書いています。
疾病にかかり、又は負傷した場合において報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間は、傷病手当金を支給しない。
健康保険法 第108条第1項
次に、その「報酬」の定義を見ます。健康保険法第3条第5項は、報酬を労働の対償として受けるすべてのものとしたうえで、ただし書で明確な除外を置いています。
この法律において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び三月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
健康保険法 第3条第5項
除外された「三月を超える期間ごとに受けるもの」が、そのまま同条第6項の「賞与」として定義されています。年2回や年3回の賞与は報酬ではないため、第108条第1項の調整には引っかかりません。傷病手当金を受け取りながら賞与を受け取っても、傷病手当金は1円も減らないという結論になります。
傷病手当金の計算式を見ても同じ結論になります。健康保険法第99条第2項は、支給額を直近12か月の標準報酬月額の平均の30分の1の3分の2としています。使うのは標準報酬月額であって、標準賞与額ではありません。賞与は計算の基礎にも、調整の対象にも入っていません。支給期間は同条第4項により、支給を始めた日から通算して1年6か月です。
例外は「年4回以上支給される賞与」です
この結論がひっくり返るケースが1つだけあります。年4回以上支給される賞与は、三月を超える期間ごとに受けるものに当たらないため、報酬として扱われます。年4回以上の支給がある会社では、その賞与は標準報酬月額に算入され、第108条第1項の調整対象になります。
自社が年何回支給なのかは、賃金規程の賞与条項に書かれています。年2回の支給も、決算賞与を加えた年3回の支給も、どちらもこの除外の範囲に収まります。数えるときは、支給月が固定されている賞与だけでなく、決算賞与や特別賞与も回数に含めてください。受給要件と退職後の継続受給の条件は、退職代行と傷病手当金|退職後の継続受給5条件と申請方法に整理しています。
賞与が出たのに振込がゼロになる事例と、その仕組み
賞与の支給が決まったのに振込額がゼロだった、という相談が生まれる理由は1つです。休職中に会社が立て替えていた社会保険料の本人負担分が、賞与から相殺されるためです。制度の問題ではなく、回収のタイミングが重なることで起きます。
休職中は給与がゼロなので、毎月の保険料を天引きできません。会社は本人に振り込んでもらうか、いったん立て替えて後日精算するかを選びます。立替を選んだ会社では、賞与や復職後の給与がまとまった回収機会になります。
事例|標準報酬月額30万円・出勤1か月で賞与が出たケース
前章の早見表と同じ条件で、標準報酬月額が30万円、40歳未満、会社が3か月分の保険料を立て替えている場合を計算します。
| 項目 | 金額 | 計算の内訳 |
|---|---|---|
| 賞与の額面(出勤1か月分) | 約83,300円 | 満額50万円 × 1か月 ÷ 6か月 |
| 賞与にかかる社会保険料 | 約11,800円 | 標準賞与額83,000円 × 14.19% |
| 賞与の手取り | 約71,500円 | 額面から賞与分の保険料を控除 |
| 会社が立て替えた保険料(3か月分) | 約127,700円 | 標準報酬月額30万円 × 14.19% × 3か月 |
| 賞与の振込額 | 0円 | 手取り71,500円が立替額に満たない |
| 相殺後に残る立替の残債 | 約56,200円 | 127,700円 − 71,500円 |
賞与が出たこと自体は損ではありません。本来なら自分で振り込むはずだった保険料が、賞与で相殺されただけです。困るのは、賞与が入る前提で支出の予定を組んでいた場合です。支給が決まった時点で、立替の有無と残債の金額を会社に確認してください。
賞与にかかる保険料の計算方法は、健康保険法第45条が定めています。賞与額の千円未満を切り捨てた額が標準賞与額になり、年度あたりの累計額には573万円という上限があります。上限に達したあとの賞与の標準賞与額は零になると条文に明記されています。休職期間中の賞与でこの上限に届くケースはほとんどありません。
賞与・給与・傷病手当金の扱いを徹底比較
休職中に受け取りうるお金は3つあり、根拠も条件もそれぞれ別です。3つを同じ表に置いて初めて、どれが止まってどれが続くのかが判別できます。
| 比較の軸 | 賞与(ボーナス) | 給与(基本給) | 傷病手当金 |
|---|---|---|---|
| 決めているもの | 就業規則・賃金規程 | 就業規則・労働契約 | 健康保険法 |
| 根拠となる条文 | 労働基準法第89条第4号(記載義務のみ) | 労働基準法第89条第2号 | 健康保険法第99条 |
| 休職中に受け取れるか | 算定対象期間の出勤月数による | 原則として無給 | 要件を満たせば受け取れる |
| 会社ごとに違うか | 違う(制度の有無から異なる) | 違う | 同じ(全国一律) |
| 社会保険料がかかるか | かかる(標準賞与額) | かかる(標準報酬月額) | かからない |
| 受け取ると傷病手当金が減るか | 減らない(年4回以上は例外) | 減る(差額のみ支給) | — |
| 上限 | 年度累計573万円(標準賞与額) | — | 支給開始から通算1年6か月 |
表の下から2行目が、この記事で最も実務的な行です。給与を一部でも受け取ると傷病手当金は差額支給に切り替わりますが、賞与では同じことが起きません。復職のリハビリ勤務で一部給与が出るケースと、賞与が出るケースを混同すると、受け取れる総額の見通しを誤ります。
休職を続けるか退職するかで受け取れる総額がどう変わるかは、【2026年版】休職と退職はどっちが得?お金で徹底比較で試算しています。
支給日まで在籍を続けるかを決める3つの分岐
賞与の支給日が近い時期に退職を考えている場合、判断材料は2つの日付だけです。賞与の支給日と、休職期間の満了日のどちらが先に来るかを見ます。
分岐1|休職期間の満了日が支給日より後にある
在籍したまま支給日を迎えられます。支給日在籍要件がある会社でも、休職は在籍状態なので要件を満たします。退職日を支給日より後に設定すれば、賞与を受け取ってから退職に進めます。日付の設計方法は退職代行 ボーナスもらってから辞められる?注意点で、返還請求への対応まで含めて解説しています。
分岐2|休職期間の満了日が支給日より前に来る
満了時の扱いが自然退職と定められている会社では、支給日を待たずに在籍が終わります。この場合、支給日在籍要件のある会社では賞与を受け取れません。復職の可否と満了日の延長余地を先に確認する必要があります。満了前後の手続きは休職期間満了の退職|自然退職と失業保険の全手順にまとめました。
分岐3|算定対象期間の出勤月数がゼロに近い
賞与のために在籍を延ばす意味は小さくなります。早見表のとおり、出勤1か月の手取りは約7万円で、社会保険料の立替分と相殺されると手元に残らない可能性があります。この場合は賞与を判断材料から外し、傷病手当金の受給期間と退職日の関係で決めるほうが金額の差が大きくなります。夏の賞与を狙う場合の逆算カレンダーは退職代行で夏ボーナスをもらって辞める方法|2026年にあります。
賞与が支給されなかったときに確認する順番
不支給の通知を受けたら、争う前に確認する順番があります。順番を守らないと、規程どおりの処理を不当な扱いと誤解したまま交渉に入ることになります。
- 賃金規程の賞与条項を読む — 支給対象者の範囲、算定対象期間、休職期間の取り扱いの3点を確認します。「算定対象期間に出勤実績のない者には支給しない」と書かれていれば、不支給は規程どおりです
- 自分の算定対象期間の出勤月数を数える — 出勤日が1日でもある月をどう数えるかは規程によります。月単位か日単位かで結果が変わります
- 支給日在籍要件の有無を確認する — 休職は在籍なので通常は満たします。要件を理由に不支給とされた場合は、その根拠条項の提示を求めます
- 過去の支給実績と照らす — 同じ状況の人に支給された前例があるにもかかわらず自分だけ不支給という場合は、規程の適用に問題があります
- 労働条件相談ほっとラインに相談する — 厚生労働省の労働条件相談ほっとラインは無料で、就業規則の解釈についても相談できます
規程に照らして支給されるはずの賞与が支払われていない場合、それは未払い賃金です。賞与も労働基準法第11条の賃金である以上、請求の対象になります。ここまで来ると個人での交渉は難しくなるため、金銭請求を扱える窓口に相談するほうが確実です。
会社とのやり取りが負担になっている場合の選択肢
ここまでの手順は、会社に自分から確認できる状態であることが前提です。就業規則の写しを頼むメール1通が書けない、賞与の話を切り出すと復職を迫られる、という段階では手順が止まります。その場合は、自分と会社の間に第三者を入れる方法があります。
賞与を受け取ってから退職まで進めたいなら退職代行Jobs
賞与の支給日が近く、受け取ってから退職に切り替えると決めた人に向いています。この段階で必要なのは、退職日を支給日より後ろに置くことと、それまでのやり取りを自分でしないことの2つです。日付の調整が入るため、意思を伝えるだけの民間業者では足りません。
退職代行Jobsは顧問弁護士監修で、合同労働組合ユニオンジャパンと連携しているため、退職日や有給消化の調整を合法的に行えます。料金は27,000円(税込)、安心パックは29,000円(退職代行27,000円+組合費2,000円・同時加入で加入金2,000円は免除)です。LINE・メール・電話に24時間365日対応し、退職できなかった場合は全額返金されます。体調が悪い時期でも、LINEのやり取りだけで進みます。
規程どおりの賞与が支払われていないなら弁護士法人ガイア
賃金規程では支給対象なのに不支給とされた、休職前の残業代も未払いのまま、といった状況に向いています。これは伝え方の問題ではなく、金銭の請求の問題です。未払い賃金の請求交渉は弁護士でなければ扱えません。
弁護士法人ガイア法律事務所は弁護士が直接対応するため、退職の意思伝達だけでなく、未払い賞与や残業代の請求まで一貫して任せられます。料金は25,300円(税込)からの3プラン制で、残業代などの請求を伴う場合は獲得成功時のみ成功報酬20〜30%がかかります。金額を取り戻す見込みがあるかどうかから相談できます。相談はLINE・メールで無料です。
使わない方がいいケース
賞与の不支給が賃金規程どおりで、復職の見込みもある人は、費用をかける必要がありません。算定対象期間の出勤月数がゼロなら、争っても結論は変わらないためです。この場合は次の算定対象期間に何か月出勤できるかを主治医と相談するほうが、金額への影響が大きくなります。
休職中の退職そのものの進め方と、傷病手当金を退職後も受け取り続けるための要件は、退職代行は休職中でも使える|傷病手当金を守る辞め方で扱っています。
よくある質問(FAQ)
Q. 休職中でもボーナスはもらえますか?
A. 算定対象期間に出勤した月があれば、もらえる可能性があります。判断の基準は休職しているかどうかではなく、賞与の算定対象期間のうち何か月を出勤したかです。算定対象期間の全期間を休職していた場合は、支給割合が0%になり不支給が原則です。賞与そのものを支払う義務は法律にはなく、労働基準法第89条第4号は、賞与などの臨時の賃金等について定めを置く場合に就業規則へ記載するよう求めているだけです。支給の有無と計算方法は自社の就業規則と賃金規程で決まります。
Q. ボーナスをもらうと傷病手当金は減りますか?
A. 減りません。健康保険法第108条第1項が傷病手当金を止める対象としているのは「報酬」であり、同法第3条第5項ただし書は、三月を超える期間ごとに受けるものを報酬から除いています。年2回や年3回の賞与はこの除外に当たるため、調整の対象になりません。例外は年4回以上支給される賞与です。この場合は三月を超える期間ごとに受けるものに当たらず報酬として扱われ、標準報酬月額に算入されます。支給回数は自社の賃金規程で確認してください。
Q. 休職中にボーナスが出たのに振込額がゼロだったのはなぜですか?
A. 社会保険料の本人負担分が賞与から差し引かれたためです。賞与にも健康保険料と厚生年金保険料がかかり、健康保険法第45条は賞与額の千円未満を切り捨てた標準賞与額をもとに保険料を計算すると定めています。休職中は給与がゼロで毎月の天引きができないため、会社が立て替えた本人負担分を賞与から相殺することがあります。立替額が賞与の手取りを上回ると、振込額はゼロになり、差額が残債として残ります。
Q. 賞与の計算方法を会社に見せてもらうことはできますか?
A. できます。労働基準法第106条第1項は、使用者に対し、就業規則を掲示または備え付け、書面を交付するなどの方法で労働者に周知させなければならないと定めています。周知義務に違反した場合、同法第120条第1号により30万円以下の罰金が定められています。休職中で出社していない場合は、写しの送付やデータでの共有を依頼してください。確認するのは賞与の算定対象期間、支給日在籍要件の有無、休職期間の取り扱いの3点です。
Q. 算定対象期間はフル出勤でしたが、支給日は休職中です。もらえますか?
A. 支給日在籍要件の定めがあるかどうかで変わります。算定対象期間の勤務実績だけで決まる規程であれば、支給日に休職していても満額の対象です。一方で「支給日に在籍していること」を要件とする規程では、在籍していれば休職中でも要件を満たすのが通常です。注意が必要なのは退職の場合で、支給日より前に退職日が来ると要件を外れます。休職期間の満了日と賞与の支給日の前後関係を先に確認してください。
Q. 公務員の場合も同じ考え方ですか?
A. 枠組みが異なります。民間企業の賞与は就業規則と賃金規程で決まりますが、公務員の期末手当・勤勉手当は法令と人事院規則または各自治体の条例・規則で決まります。在職期間に応じた支給割合があらかじめ定められている点が民間との最大の違いで、会社ごとにルールが分かれるということがありません。自分の支給割合を知りたい場合は、勤務先の人事担当部署か、適用される給与規則を確認するのが最短です。
支給日までに手元だけで終わる3つの確認
会社に何かを求める前に、自分の手元で完結する作業が3つあります。3つが終われば、次の賞与がいくらになるかは自分で計算できます。
- 算定対象期間の始まりと終わりを特定する — 賃金規程が手元になければ、過去の給与明細の賞与支給月から逆算します。夏の賞与が前年10月から3月、冬の賞与が4月から9月という区切りなら、判定は6か月単位になります
- その期間の出勤月数を数える — 休職に入った日を境に数えます。数えた月数を早見表に当てはめれば、支給割合と手取りの目安が出ます
- 社会保険料の立替の有無を確認する — 立て替えられている場合、賞与の振込額は手取りからさらに減ります。残債の金額を先に把握しておけば、支給日に驚くことがなくなります
3つとも、会社と交渉せずに終わります。数字が出たうえで、賞与を待つ価値があるかどうかを判断してください。待つ価値があると分かったなら、支給日より後ろに退職日を置く設計に切り替えます。会社とのやり取り自体が体調に響いている場合は、窓口ごと外部に引き取ってもらうほうが結果として早く片づきます。
出典一覧
- e-Gov法令検索「労働基準法」(第11条 賃金の定義、第24条第2項 臨時の賃金等、第89条第4号 就業規則の記載事項、第106条第1項 周知義務、第120条第1号 罰則)
- e-Gov法令検索「健康保険法」(第3条第5項・第6項 報酬と賞与の定義、第45条 標準賞与額、第99条 傷病手当金、第108条第1項 報酬等との調整)
- 全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」(支給要件と支給期間)
- 全国健康保険協会「令和8年度の都道府県毎の保険料率」(東京支部の健康保険料率・介護保険料率)
- 厚生労働省「労働条件相談ほっとライン」(就業規則・賃金の相談窓口)
