休職中に会社から連絡が来たら|答える義務の線引き

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休職中に会社から届く連絡の中には、返さないまま放置すると自分が損をするものが混ざっています。損をするのは会社ではありません。止まるのは自分の傷病手当金であり、過ぎていくのは自分の休職期間の満了日です。
この記事が想定しているのは、スマートフォンに会社の名前が表示されるだけで動悸がして、通知を開かないまま数日が経っている場面です。体調が悪いときほど、連絡は「全部返す」か「全部無視する」の二択になります。どちらを選んでも損をします。全部返せば療養になりませんし、全部無視すれば手続きが止まります。
必要なのは、返す・返さないの判断を体調に左右されない形で決めておくことです。連絡の中身は、返さないと自分が損をするもの、答えられる範囲で返すもの、応じる義務がないものの3つにきれいに分かれます。仕分けの基準と、窓口を自分から絞る方法をまとめました。
- 休職中に届く連絡を3つに仕分ける基準と、放置したときに自分に起きること
- 傷病手当金の申請に毎月の事業主証明が必要な理由(全国健康保険協会の案内)
- 業務の進捗・引き継ぎ・復帰の催促に応じる義務がない根拠
- 連絡窓口の一本化を自分から求める法的根拠と、依頼メールの文例
- 厚生労働省の手引きが定める「会社から来るべき連絡」4項目のチェックリスト
- 会社が主治医や家族へ直接連絡するときに本人の同意が要ること
結論|休職中の連絡は3つの箱に仕分けると迷わなくなります
仕分けの基準は1つだけです。その連絡を返さないことで、自分のお金・在籍・給付のどれかが動くかどうかを見ます。動くなら返す、動かないなら返さなくてよい、という順番です。相手が上司かどうか、口調が強いかどうかは基準に入りません。
この基準が成り立つのは、休職が「労働契約は続いたまま、労務の提供だけが免除された状態」だからです。契約が続いているので手続き上の事務は残り、労務が免除されているので仕事に関する要求は届かなくなります。3つの箱は、この境目をそのまま写したものです。
会社側の実務では、休職者への連絡は人事へ窓口を一本化し、頻度を月1回程度にし、業務の話はしないという運用が標準として扱われています。つまり、直属の上司から業務の話が何度も来ている状態は、会社側の標準からも外れています。この記事の後半では、その状態を自分から是正するための具体的な依頼文を示します。
返さないと自分が損をする連絡【2026年版の判定表】
箱1に入る連絡は、返さないことで自分の給付か在籍が動きます。会社を助けるために返すのではなく、自分の生活を守るために返します。ここだけは体調に関係なく処理します。
傷病手当金の申請書は、毎月の事業主証明が要ります
休職中の収入の柱である傷病手当金は、1回申請すれば毎月自動で振り込まれる仕組みではありません。給与の支払いがなかったことを会社が証明する欄が、申請のたびに必要になります。全国健康保険協会は、長期間休むときの申請サイクルについて次のように案内しています。
傷病手当金の申請は、給与の支払い有無について事業主の証明が必要になりますので、1か月単位で給与の締切日ごとに申請されることをお勧めします。
全国健康保険協会「健康保険給付についてのよくあるご質問」
つまり、月に1回は会社とのやり取りが必ず発生します。会社からの連絡を止めると、この証明が止まり、振り込みも止まります。給付の要件は業務外の病気やケガであること、仕事に就くことができないこと、連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと、休業期間について給与の支払いがないことの4つで、支給期間は支給を開始した日から通算して1年6か月です(全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき」)。
会社が証明を書かない、記入を渋るという状態になっている場合は、会社を通さない道があります。傷病手当金を会社が書いてくれない|3段階の対処法で、事業主記入欄が空欄のまま提出する手順を条文つきで整理しています。
診断書の提出依頼と休職期間の満了予告
診断書の提出と休職期間の管理は、就業規則に根拠があります。休職制度そのものは法律上の義務ではなく、会社が定めたときだけルールとして存在します。労働基準法は、そうした定めを置く場合に就業規則へ記載するよう求めています。
前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項
労働基準法 第89条第10号
重要なのは、休職期間の満了日が、連絡を返したかどうかとは無関係に日付どおり進むという点です。満了時の扱いが「自然退職」と書かれている会社では、会社からの意思表示がないまま在籍が終わります。連絡を開かずにいると、退職の日を過ぎてから気づくことになります。満了後の手続きは休職期間満了の退職|自然退職と失業保険の全手順で扱っています。
再休職を考えている場合は、残り日数の計算も先に必要です。就業規則に通算規定があると、1回目に使った日数がそのまま2回目の上限から引かれます。計算の型は休職は何回まで?通算規定で決まる残り日数にまとめました。
社会保険料の本人負担分の請求
給与の支払いは休職と同時に止まりますが、社会保険料の請求は止まりません。給与から天引きできなくなるため、会社は振込や立替という別の方法で本人負担分を回収します。この連絡を放置すると、復職または退職の時点でまとまった額の未納が積み上がります。支払い方法ごとの負担と、断れる請求の型は休職中の社会保険料|支払い方法と実額早見表で整理しています。
| 届いた連絡の中身 | 箱 | 返さなかったときに自分に起きること | 最短の返し方 |
|---|---|---|---|
| 傷病手当金の申請書を送る・受け取る | 箱1 | 証明が止まり、翌月以降の振り込みが止まる | 受領した旨と返送予定日だけを1行で返す |
| 診断書の提出期限の案内 | 箱1 | 休職の延長が認められず、欠勤扱いに切り替わる場合がある | 次回の受診日を書いて提出時期を伝える |
| 休職期間の満了が近い旨の通知 | 箱1 | 満了日は進み、就業規則の定めどおり自然退職または解雇の手続きに入る | 満了日と、復職・退職の判断期限を確認する |
| 社会保険料の本人負担分の振込依頼 | 箱1 | 未納が積み上がり、復職初月や退職時に一括請求される | 支払い方法と1か月あたりの金額を確認する |
| 体調はどうか、通院は続いているか | 箱2 | 安否確認とみなされ、連絡の回数が増える | 月1回のメールで「療養継続中」とだけ返す |
| 案件の進捗、データの場所、引き継ぎ | 箱3 | 不利益は生じない | 一度だけ対応できない旨を伝え、以後は返信しない |
| いつ戻れるのか、人手が足りない | 箱3 | 不利益は生じない | 主治医の判断による旨を伝え、窓口の一本化を依頼する |
表の右端をあえて「最短の返し方」にしたのは、箱1を丁寧に返そうとして書けなくなる人が多いからです。謝罪も経過説明も不要です。事実だけを1行で返せば、事務は進みます。
応じる義務がない連絡|業務の進捗・引き継ぎ・復帰の催促
箱3に応じる義務はありません。休職は労務の提供が免除された状態であり、業務の遂行も引き継ぎも労務そのものだからです。免除された労務を、電話やチャットの形で求められても応じる根拠がありません。
国が示している休業中の会社の役割にも、業務連絡は含まれていません。厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」は、第1ステップを「病気休業開始及び休業中のケア」と位置づけ、会社が行うこととして情報提供等の支援を挙げています。求めるものではなく、渡すものだという設計です。
電話に出る義務も、法律には書かれていません
電話に出ることを義務づけた条文はありません。ただし、就業規則の休職条項に「療養状況を定期的に報告すること」という定めがある場合、その報告自体は契約上の義務になります。義務があるのは報告であって、電話に出ることではありません。報告の手段をメールに変えたいという申し出は、この点で成り立ちます。
着信が続くこと自体が症状に響く場合は、着信音を切ったうえで、月1回のメール報告に置き換える依頼を出すのが実務的です。電話を避けたまま退職まで進めたい場合の選択肢は退職代行後に会社から電話が来る?対処法を解説【2026年】で扱っています。
完全な無応答だけは避けます
箱3に応じないことと、すべての連絡を絶つことは別です。安否が確認できない状態が続くと、会社は自宅への訪問という手段を検討します。訪問されたくない場合ほど、月1回のメール報告を先に成立させておくほうが確実です。訪問を受けたときの対応は退職代行で上司が家に来る?来やすい会社の特徴と追い返し方にまとめています。
連絡窓口の一本化は、あなたの側から求められます
窓口の一本化は、会社が気を利かせてやってくれるのを待つものではありません。本人から条件を指定して依頼できます。根拠は、労働契約の当事者である会社に配慮の義務を課した条文です。
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
労働契約法 第5条
この条文が求めているのは、労働契約に伴う配慮です。休職中も労働契約は続いているため、療養を妨げる連絡の受け方を改めてほしいという申し出は、この配慮を求めるものとして成り立ちます。抽象的に「連絡を控えてほしい」と伝えるのは逆効果です。会社は安否が確認できないと判断し、かえって連絡を増やします。指定するのは頻度・手段・窓口の3点です。
窓口の一本化を依頼するメールの文例
そのまま使える形にしてあります。病状の詳細は書かず、こちらから提示する条件だけを並べるのが要点です。
お世話になっております。休職中の〇〇です。
療養に専念するため、休職中のご連絡について下記のとおりご配慮をお願いいたします。
1. 連絡の窓口は人事部の〇〇様に一本化していただきたく存じます。所属部署からの直接のご連絡は控えていただけますと幸いです。
2. 連絡の手段はメールでお願いいたします。電話の着信が療養の妨げになっており、主治医からも負担を減らすよう指導を受けております。
3. 連絡の頻度は月1回、月末を目安にお願いいたします。こちらからも同じ頻度で療養の状況をご報告いたします。
傷病手当金の申請書、診断書の提出、社会保険料のお支払いなど手続きに関するご連絡につきましては、期限に間に合うよう必ず対応いたします。業務に関するお問い合わせにつきましては、療養中のため対応いたしかねますことをご了承ください。
ご負担をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
最後の段落が効きます。手続きには必ず応じると先に宣言することで、会社側が最も恐れている「連絡不通」の懸念を消せるからです。懸念が消えれば、業務連絡を断る部分も通りやすくなります。
主治医や家族への直接連絡には、本人の同意が要ります
会社が主治医へ直接問い合わせたり、家族へ状況を尋ねたりする場面があります。健康情報の取り扱いには、本人の同意という条件が付きます。厚生労働省の手引きは、プライバシーの保護の節で次のように整理しています。
取り扱う労働者の健康情報等の内容は必要最小限とします。労働者の健康情報等を収集する場合には、あらかじめ本人の同意を得て、本人を通して行うことが望まれます。これらを第三者へ提供する場合も、原則、本人の同意が必要です。
厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」
同意していないのに主治医へ連絡されていた場合は、今後は本人を通すよう文書で申し入れてください。主治医からの情報が必要なら、本人が診断書や意見書を受け取って会社へ渡す形にすれば足ります。この経路にすると、自分が渡す情報の範囲を自分で決められます。うつ病や適応障害で休職している場合の会社とのやり取りは退職代行 うつ病でも使える?精神疾患の退職方法でも扱っています。症状そのものの相談先は厚生労働省のこころの耳にまとまっています。
厚生労働省の手引きが定める「会社から来るべき連絡」4項目
ここまでは届いた連絡をどう処理するかの話でした。逆に、届いていないほうが問題になる連絡もあります。国の手引きは、休業開始時に会社が労働者へ提供すべき情報を具体的に列挙しています。
労働者が病気休業期間中に安心して療養に専念できるよう、次のような項目については情報提供等の支援を行いましょう。・傷病手当金などの経済的な保障 ・不安、悩みの相談先の紹介 ・公的または民間の職場復帰支援サービス ・休業の最長(保障)期間等
厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」第1ステップ
この4項目は、休職者が生活設計をするために最低限必要な情報です。4つとも説明を受けていないまま休職に入っている人は珍しくありません。受け取っていない項目は、こちらから請求できます。
- ① 傷病手当金などの経済的な保障 — 申請書の入手方法、事業主記入欄の提出先、いつまでに出すかの締切を確認します。受け取れる金額の目安は標準報酬月額から計算できます
- ② 不安、悩みの相談先の紹介 — 産業医の面談を受けられるか、外部の相談窓口が用意されているかを確認します。相談先がない会社では、公的な窓口を自分で選びます
- ③ 公的または民間の職場復帰支援サービス — リワーク支援を使えるか、費用はどうなるかを確認します。復職を目指す場合は早い段階で聞いておく項目です
- ④ 休業の最長(保障)期間等 — 就業規則で定めた休職期間の上限、通算規定の有無、満了時の扱いです。この4番目が最も見落とされ、最も影響が大きい項目です
④を確認する連絡は、こちらから出す価値があります。満了日が分かって初めて、復職を目指すのか退職に切り替えるのかを日付で決められるからです。休職中に使える制度と生活費の全体像は休職中に給料が出ないときの生活費|制度4つと申請先で整理しています。
連絡を返さないまま放置すると会社側で進む手続き
連絡を止めても、時間は止まりません。会社側の手続きは、本人の応答を待たずに就業規則の日付どおりに進みます。何が進むのかを先に知っておくと、返すべき連絡の優先順位が決まります。
傷病手当金の振り込みが止まります
最初に効いてくるのがここです。事業主の証明が申請のたびに必要である以上、やり取りが途切れた月から、振り込みも途切れます。生活費が止まってから慌てて連絡すると、遡って複数月分の証明を依頼することになり、かえって手間が増えます。
休職期間の満了日が過ぎます
満了日は就業規則で決まっており、本人が連絡を返したかどうかで動きません。満了時の扱いが自然退職と定められている会社では、その日をもって在籍が終わります。解雇ではないため解雇予告も予告手当もありません。「何も言われていないから、まだ在籍している」という判断は成り立ちません。
社会保険料の未納が積み上がります
休職中も被保険者資格は続くため、健康保険料と厚生年金保険料は毎月発生します。会社が立て替えている場合、その総額は復職時か退職時にまとめて請求されます。数か月分がまとまると、想定していなかった金額になります。
安否確認のための連絡手段が増えます
応答がない状態が続くと、会社は電話、書面、自宅への訪問と手段を増やしていきます。連絡を減らすつもりで無応答を続けると、結果として最も避けたい種類の接触を招きます。月1回のメール報告を成立させておくほうが、静かな休職期間になります。
連絡に応じること自体が難しくなっている場合の選択肢
ここまでの手順は、メールを書ける状態であることが前提です。会社の名前を見るだけで手が止まる、文面を考えると眠れなくなるという段階では、仕分けそのものが実行できません。その場合は、自分と会社の間に第三者を入れて窓口ごと引き取ってもらう方法があります。
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休職期間が残っているのに退職を迫られている、休職前の残業代が未払いのまま、といった状況に向いています。これは連絡の受け方の問題ではなく、請求と交渉の問題です。金銭の請求を伴う場面では、弁護士でなければ扱えません。
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使わない方がいいケース
連絡が月1回程度に収まっていて、内容も手続きの案内だけという人は、費用をかける必要がありません。この記事の文例をそのまま送り、月末に1通返すだけで休職期間は静かに進みます。復職を目指している段階なら、窓口を切らないほうが復帰の話も進めやすくなります。
退職に切り替える場合の全体像は退職代行は休職中でも使える|傷病手当金を守る辞め方、退職を伝えたあとに会社から連絡が来るかどうかの論点は退職代行後に会社から電話・連絡が来たら?基本は無視でOKで扱っています。
よくある質問(FAQ)
Q. 休職中に会社からの電話に出る義務はありますか?
A. 電話に出ることを義務づけた法律はありません。休職は労務の提供を免除された状態なので、勤務時間中の連絡に応答する義務も発生しません。ただし就業規則の休職条項に「療養状況を定期的に報告すること」といった定めがあれば、その報告自体は契約上の義務になります。労働基準法第89条第10号は、全労働者に適用される定めを置く場合に就業規則へ記載するよう求めており、休職のルールはここに書かれています。まず自社の休職条項を確認してください。
Q. 会社からの連絡をすべて無視するとどうなりますか?
A. 困るのは会社ではなく自分です。傷病手当金は給与の支払い有無について毎回事業主の証明が必要で、全国健康保険協会も給与の締切日ごとに1か月単位で申請するよう案内しています。会社とのやり取りが止まると、この証明が止まり、振り込みも止まります。さらに休職期間の満了日は連絡の有無に関係なく就業規則どおりに進むため、気づいたときには自然退職の日を過ぎているという事態が起こります。手続きの連絡だけは返してください。
Q. 連絡は上司ではなく人事にしてほしいと自分から言ってもいいですか?
A. 言えます。労働契約法第5条は「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と定めています。療養を妨げる連絡の受け方を変えてほしいという申し出は、この配慮を求めるものです。窓口を人事に一本化し、手段をメールに限り、頻度を月1回にするという3点をメールで依頼してください。会社側の実務書でも窓口の一本化は標準的な運用として扱われています。
Q. 会社が主治医に直接連絡してもいいのですか?
A. 原則として本人の同意が必要です。厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」は、労働者の健康情報等を収集する場合には、あらかじめ本人の同意を得て、本人を通して行うことが望まれるとし、第三者へ提供する場合も原則として本人の同意が必要としています。同意していないのに主治医へ連絡された場合は、今後は本人を通すよう文書で申し入れてください。同じ考え方は家族への連絡にも当てはまります。
Q. 休職中に業務の進捗や引き継ぎを聞かれたら答える必要がありますか?
A. 答える義務はありません。休職は労務の提供を免除された状態であり、業務の遂行や引き継ぎは労務そのものだからです。厚生労働省の手引きも、休業期間中に会社が行うこととして、傷病手当金などの経済的な保障、不安・悩みの相談先の紹介、公的または民間の職場復帰支援サービス、休業の最長期間等の情報提供を挙げており、業務連絡は含まれていません。答えられないことを一度メールで伝え、以後は返信しない扱いで問題ありません。
Q. 連絡の頻度が多すぎると感じたら、減らしてもらえますか?
A. 依頼できます。頻度の上限を定めた法律はありませんが、労働契約法第5条の配慮を求める形で「月1回、月末にメールで」といった具体的な条件を提示してください。抽象的に「連絡を控えてほしい」と伝えると、会社は安否確認ができないと判断して連絡を増やす場合があります。頻度・手段・窓口の3点を自分から数字で指定するほうが、結果として連絡は減ります。主治医の意見書に療養上の配慮として書いてもらう方法もあります。
今日のうちに手元だけで終わる3つの作業
会社に何かを伝える前に、自分の手元で完結する作業が3つあります。この3つが終われば、次に届く連絡をその場で仕分けられます。
- 受信箱の未読を3つの箱に振り分ける — 返信はまだしません。件名を見て箱1・箱2・箱3のどれかを決めるだけです。ほとんどの場合、箱1は思っていたより少数です
- 就業規則の休職条項の写しを請求する — 休職期間の上限、通算規定の有無、満了時の扱い、報告義務の有無の4点が確認できます。この請求自体は箱1のメール1通で済みます
- 傷病手当金の直近の申請月を確認する — どこまで証明が出ていて、次の締切がいつかを把握します。振り込みが止まっているなら、原因は未申請か未証明のどちらかです
3つとも、会社と話さずに終わります。終わったら、この記事の文例を1通送ってください。頻度・手段・窓口を自分から指定した時点で、連絡は「受け身で耐えるもの」から「条件を決めて処理するもの」に変わります。それでも会社とのやり取りが体調に響き続けるなら、窓口ごと外部に引き取ってもらうほうが回復は早くなります。
出典一覧
- e-Gov法令検索「労働契約法」(第5条 労働者の安全への配慮)
- e-Gov法令検索「労働基準法」(第89条第10号 就業規則の記載事項、第106条第1項 法令等の周知義務)
- 厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(第1ステップ 病気休業開始及び休業中のケア、プライバシーの保護)
- 全国健康保険協会「健康保険給付についてのよくあるご質問」(給与の支払い有無について事業主の証明が必要)
- 全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」(給付対象の4要件、支給期間は通算1年6か月)
- 厚生労働省「こころの耳」(うつ病等に関する情報と相談窓口)
