有給休暇の付与日数計算ツールの計算根拠と更新履歴

有給休暇の付与日数計算ツールが、どの表と数え方で計算しているか、何を根拠にしているか、いつ何を直したかをまとめたページです。

計算の流れ

  1. 区分 = 週の所定労働時間と所定労働日数から、通常の日数か比例付与かを決める
  2. 付与日 = 入社日から6か月が経過した日と、その日から1年ごとの日
  3. 付与日数 = 区分と継続勤務期間から、下の表で決める。出勤率が8割未満と入力した回は0日
  4. 持っている日数 = 計算基準日の直近の付与と、その1回前の付与(付与から2年以内)の合計
  5. 残日数 = それぞれの付与分から、入力した「使った日数」を引いた合計
  6. 年5日の取得 = 直近の付与が10日以上のとき、その付与日から1年以内
  7. 退職日までの計算 = 使い始められる日から退職日までの出勤する予定の日を数え、有給休暇を当てる。退職日までに時効で消える分はその前日までの日に、退職日までに新しく付与される分は付与日以降の日にだけ当てる

付与日数の表

通常の日数は、6か月間継続して勤務し全労働日の8割以上を出勤した人に10労働日(労働基準法第39条第1項)、その後は6か月経過日から数えた継続勤務年数1年ごとに、1年で1日、2年で2日、3年で4日、4年で6日、5年で8日、6年以上で10日を加えた日数です(同条第2項)。

週の所定労働時間が30時間未満で、週の所定労働日数が4日以下の人、または週以外の期間で所定労働日数が決まっていて1年間の所定労働日数が216日以下の人は、比例付与の表の日数です(同条第3項、施行規則第24条の3)。

継続勤務通常217〜週4日169〜216週3日121〜168週2日73〜120週1日48〜72
6か月10日7日5日3日1日
1年6か月11日8日6日4日2日
2年6か月12日9日6日4日2日
3年6か月14日10日8日5日2日
4年6か月16日12日9日6日3日
5年6か月18日13日10日6日3日
6年6か月〜20日15日11日7日3日

見出しの下の数字は、1年間の所定労働日数(日)の区分です。1年間の所定労働日数が48日未満の人にあたる区分は、表にありません。出典:労働基準法第39条、労働基準法施行規則第24条の3。

どの区分にあたるかは、付与日の時点で決まっている所定労働日数・時間で見ます(厚生労働省「モデル就業規則」第23条の解説、東京労働局「しっかりマスター労働基準法 有給休暇編」)。シフト制で所定労働日数を出すのが難しい場合に、働いた日数の実績を使う方法は、厚生労働省「『シフト制』で働く場合の年次有給休暇について」(労働者向け。計算例は使用者向け)によります。

付与日の数え方

最初の付与日は「雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務」した日、つまり入社日を1日目として6か月が満了した日の翌日です。4月1日入社なら9月30日に6か月が満了し、10月1日が付与日になります。厚生労働省のリーフレット「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」の例(4月1日入社・10月1日に10日付与)と同じです。2回目以降は、この日(6か月経過日)から1年ごとの日です。入社日は雇入れの日で、試用期間がある場合もその初日から数えます。定年のあと引き続き再雇用された場合などは、継続勤務として通算します(同リーフレット)。

月の途中から数える期間は、最後の月の「数え始めた日にあたる日」の前日に満了し、最後の月にその日がないときは月の末日に満了します(民法第143条第2項)。このツールは、この数え方をそのまま当てはめています。たとえば2026年8月31日入社の人は、2月に31日がないので2月の末日に6か月が満了し、付与日は2027年3月1日です。

月末入社の付与日を民法の数え方で出すことを直接書いた厚生労働省の資料は、確認できていません(条文からの読みです)。会社が法律の付与日より早く付与することは差し支えないので、月末入社の人の実際の付与日は、このツールより1日早いことがあります。月末入社の人の結果には、その旨を内訳の「付与日の数え方」の行に出しています。

出勤率8割の要件

付与されるのは、付与日の前の1年間(最初の付与は6か月間)に、全労働日の8割以上を出勤した場合です。8割未満だった場合、その付与日からの1年間は付与しなくてよいとされています(労働基準法第39条第2項ただし書)。次の年に8割以上出勤すれば、その時点の継続勤務期間に応じた日数が付与されます(厚生労働省「モデル就業規則」第23条の解説)。

  • 出勤したものとして数える期間:仕事上のけがや病気の療養で休んだ期間、育児休業・介護休業の期間、産前産後の休業期間(同条第10項)、有給休暇を取った期間
  • 全労働日から除く日:会社の都合による休業の日など(厚生労働省のリーフレット)

このツールは出勤率そのものは計算しません。8割未満だったと入力した付与を0日にします。

時効と繰り越し

有給休暇を請求する権利は、行使できる時から2年で時効により消えます(労働基準法第115条の「その他の請求権」)。厚生労働省のリーフレットも「年次有給休暇は、発生の日から2年間で時効により消滅します」としています。2020年4月に賃金の請求権の時効は延びましたが、有給休暇の時効は2年のままです(厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A)。

このツールは、付与日の2年後の同じ日を「時効で消える日」とし、その前日まで使えるものとして計算しています。東京労働局の資料の図(2015年7月10日に付与された10日が2017年7月10日に時効)と同じ数え方です。

年5日の取得義務

会社は、付与する有給休暇が10労働日以上の人について、そのうち5日を、付与日(基準日)から1年以内に、時季を決めて取得させなければなりません(労働基準法第39条第7項)。本人が請求して取った日数と、計画的付与で取った日数は、5日から引きます(同条第8項)。違反した会社には30万円以下の罰金の定めがあります(同法第120条)。

「10労働日以上」は、その年の付与日に付与される日数で見ます。比例付与の人で、繰り越し分を足して初めて10日以上になる場合は対象になりません(厚生労働省「改正労働基準法に関するQ&A」3-2)。制度の解説は、厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」にあります。

退職日までに使い切れるかの計算

有給休暇は、働く義務のある日に取るものなので、所定休日には取れません。退職すると、残っている有給休暇の権利は退職日で消えます。残りをすべて使って退職したいと申し出た場合、会社は時季を変更することができず、取得を認めるほかないとされています(厚生労働省「確かめよう労働条件」年次有給休暇)。

このツールは、入力した曜日を出勤する予定の日とし、祝日と年末年始(12月29日〜1月3日)を休みにするかを選んで日数を数えます。祝日は、内閣府の「国民の祝日」のデータの2026年・2027年の分を使っています。

有給休暇を取った日の賃金

有給休暇の賃金計算ツールの3つの方法は、労働基準法第39条第9項によります。

  • 通常の賃金:時給はその額 × その日の所定労働時間数、日給はその額、月給はその額 ÷ その月の所定労働日数(施行規則第25条第1項第1号・第2号・第4号)
  • 平均賃金:算定する日以前3か月間の賃金の総額 ÷ その期間の総日数。日給・時給・出来高払いの場合は、賃金の総額 ÷ 労働した日数 × 60% を下回らない(同法第12条第1項)。賃金の締切日がある場合は直前の締切日から数える(同条第2項)
  • 標準報酬月額の30分の1:労使協定がある場合。5円未満は切り捨て、5円以上10円未満は10円に切り上げ(同法第39条第9項ただし書)。標準報酬月額の等級は健康保険法第40条第1項の表

平均賃金は、銭未満を切り捨てた値を表示しています。千葉労働局の資料「平均賃金(労働基準法第12条)」に「1銭未満の端数を切り捨てて平均賃金の1日分とすることができます」「実際に手当を支払うときには1円未満の端数を四捨五入します」とあり、厚生労働省のリーフレット「『シフト制』で働く場合の年次有給休暇について」(使用者向け)の計算例(6,847.82円)も同じ表示です。

このツールで計算していないこと

  • 会社独自の上乗せの日数、入社日の付与や全員同じ日の付与など、法律より早い付与日
  • 働き方が途中で変わった人の、変わる前の付与分の日数(入力した働き方を過去の付与にも当てはめています)
  • 出勤率が8割以上かどうかの判定
  • 時間単位の有給休暇の残り時間(同法第39条第4項)、計画的付与で決まっている日(同条第6項)
  • 退職で使えなくなる日数の買い取りの有無と金額(法律に定めがなく、会社の制度によります)
  • 退職日までの計算での、会社独自の休日と2028年以降の祝日

派遣で働く人の有給休暇は、雇用契約を結んでいる派遣元の会社が付与します(労働者派遣法第44条が派遣先に適用するとしている労働基準法の条文に、第39条は入っていません)。

参照している資料

いずれも2026年10月13日に内容を確認しました。

更新履歴

日付内容
2026年10月14日入力を「週の所定労働時間(30時間以上か)」と「所定労働日数(週または年間)」に変更し、週30時間以上のパート・アルバイトを通常の日数で計算するようにした。付与日ごとの日数と時効で消える日の一覧、次回の付与、年5日の取得義務、使った日数を引いた残日数、出勤率8割未満の年の入力を追加。月末に入社した人の付与日を、民法の期間の数え方に合わせた。退職日までに有給休暇を使い切れるか(最終出社日)の計算、結果の印刷とテキストでのコピー、計算例・計算のしかたの説明、パート・アルバイトの計算ページ、有給休暇の賃金計算ツール、このページを追加。
2026年3月公開。

次回の確認予定

  • 2027年2月:内閣府が2028年の「国民の祝日」を公表したあと、退職日までの計算の祝日のデータに2028年分を足す
  • 2027年4月:労働基準法第39条・第115条、施行規則第24条の3・第25条、健康保険法第40条の等級表に改正がないかを e-Gov で確認する

計算する

有給休暇の付与日数計算ツールで、入社日から付与日数・繰り越し・次回の付与日と、退職日までに使い切れるかを計算できます。条件別の計算は次のページへ。

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