失業保険計算シミュレーターの計算根拠と更新履歴

失業保険計算シミュレーターが、どの式と数字で計算しているか、何を根拠にしているか、いつ何を直したかをまとめたページです。

計算の流れ

  1. 賃金日額 = 入力した月給 × 6 ÷ 180(1円未満切り捨て)。上限額・下限額の範囲に収める
  2. 基本手当日額 = 賃金日額と年齢区分から、下の式で計算(1円未満切り捨て)
  3. 所定給付日数 = 退職理由・年齢・加入期間から、下の表で決める
  4. 給付総額 = 基本手当日額 × 所定給付日数
  5. 「月給の約何か月分」は給付総額 ÷ 月給(6か月の合計で入力した場合は合計 ÷ 6)、「約何か月」は所定給付日数 ÷ 30
  6. 再就職手当の欄は、所定給付日数をすべて残して再就職した場合の額(日額 × 日数 × 70%。日額には再就職手当用の上限がある)
  7. 待期は7日、給付制限は退職理由と、今回より前の5年間の自己都合退職の回数から決める
  8. 65歳以上は、基本手当日額 × 50日(加入期間1年未満は30日)の一時金として計算する

賃金日額

賃金日額は、被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金の総額を180で割った額です(雇用保険法第17条第1項)。臨時に支払われる賃金と、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)は含めません。ツールでは「離職前6か月の平均月給 × 6 ÷ 180」、または入力を切り替えた場合は「離職前6か月の賃金の合計 ÷ 180」で計算しています。

端数は、計算の最後の段階で小数点以下を切り捨てます(雇用保険に関する業務取扱要領 50615)。上限額と下限額は次のとおりです(同法第17条第4項・第18条)。

離職時の年齢賃金日額の上限基本手当日額の上限
30歳未満14,900円7,450円
30〜44歳16,540円8,270円
45〜59歳18,220円9,110円
60〜64歳17,400円7,830円
下限(全年齢)3,203円2,562円

2026年8月1日〜2027年7月31日の額。出典: 厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります〜令和8年8月1日から〜」。

基本手当日額の計算式

w は賃金日額、y は基本手当日額です(雇用保険法第16条)。1円未満は切り捨てます(下の厚生労働省の資料の注2)。

離職時の年齢が59歳以下・65歳以上

賃金日額(w)基本手当日額(y)
3,203円以上 5,480円未満y = 0.8w
5,480円以上 13,490円以下y = 0.8w − 0.3 × {(w − 5,480) ÷ 8,010} × w
13,490円超(年齢区分の上限額まで)y = 0.5w

離職時の年齢が60〜64歳

賃金日額(w)基本手当日額(y)
3,203円以上 5,480円未満y = 0.8w
5,480円以上 12,120円以下y = 0.8w − 0.35 × {(w − 5,480) ÷ 6,640} × w と、y = 0.05w + 4,848 の低いほう
12,120円超(上限額まで)y = 0.45w

出典: 厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日〜)」。賃金日額2,500円から20,000円までの1円きざみすべてで、ツールの結果がこの式と一致することを確かめています。

所定給付日数

自己都合(正当な理由の有無を問わない)・定年退職

加入期間(算定基礎期間)だけで決まります(雇用保険法第22条第1項)。

加入期間10年未満10〜20年20年以上
全年齢90日120日150日

会社都合(特定受給資格者)・更新を希望したのに契約が更新されなかった特定理由離職者

年齢と加入期間で決まります(同法第23条第1項)。加入期間が1年未満の場合は、第22条第1項により90日です。更新を希望したのに契約が更新されなかった特定理由離職者(同法施行規則第19条の2第1号)をこの表で数えるのは、離職日が2027年3月31日までの暫定措置です(同法附則第4条、同法施行規則附則第18条)。

年齢1年未満1〜5年5〜10年10〜20年20年以上
30歳未満90日90日120日180日―
30〜34歳90日120日180日210日240日
35〜44歳90日150日180日240日270日
45〜59歳90日180日240日270日330日
60〜64歳90日150日180日210日240日

年齢は離職日の年齢。「1〜5年」は雇用保険の加入期間が1年以上5年未満の意味です。

就職困難者

加入期間1年以上で、45歳未満は300日、45歳以上65歳未満は360日。1年未満は150日です(同法第22条第2項)。該当するかはハローワークが判断するため、ツールでは入力項目にせず、結果の下に通常の区分との差額だけを示しています。

出典: ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」。

受給資格・待期・給付制限

項目ツールの扱いと根拠
受給資格64歳までの自己都合(正当な理由なし)と定年退職は加入期間1年未満を計算しない。会社都合と特定理由離職者は「6か月以上1年未満」でも計算する雇用保険法第13条
待期退職理由にかかわらず7日同法第21条
給付制限正当な理由のない自己都合退職だけ。原則1か月、今回の退職より前の5年間に2回以上(今回が3回目以降)の場合は3か月。定年退職は対象にしていない(同項の対象は重責解雇と正当な理由のない自己都合退職。離職票の離職理由でも「定年によるもの」は「労働者の個人的な事情による離職」と別の区分)同法第33条第1項、業務取扱要領 52201・52205-1、厚生労働省リーフレット「『給付制限期間』が2か月に短縮されます」(LL020617保01)の図
65歳以上高年齢求職者給付金として計算する。加入期間1年以上は50日分、1年未満は30日分。賃金日額の上限は30歳未満の額、日額の式は59歳以下と同じ。受給資格は退職理由にかかわらず離職前1年間に6か月。給付制限は基本手当と同じ。65歳になる日は誕生日の前日(年齢計算ニ関スル法律・民法第143条)同法第37条の2〜第37条の4、厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります」※1

給付制限の「原則1か月」は、退職日が2025年4月1日以降の場合です。出典: 厚生労働省「Q&A〜労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)〜」Q20、雇用保険に関する業務取扱要領。

このツールが扱っていないこと

  • 時給・日給・出来高払いの人の賃金日額の最低保障(雇用保険法第17条第2項)
  • 出勤の少ない月を飛ばして「被保険者期間として計算された最後の6か月」を選ぶこと(同法第14条・第17条第1項)
  • 加入期間の通算の判定(転職のあいだの空白・過去の受給・育児休業給付を受けた期間。同法第22条第3項)
  • 自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(給付制限3か月)
  • 教育訓練の受講による給付制限の解除(同法第33条第1項ただし書)
  • 受給中に働いた日の扱い、延長給付、受給期間の延長
  • 65歳以上で、認定の日から期限(離職日の翌日から1年)までの日数が50日(30日)より少ない場合の減額(同法第37条の4第1項)
  • 定年のあと継続雇用されなかった場合などの区分の判定(業務取扱要領 50305)
  • 更新を希望せずに契約期間の満了で辞めた場合(一般の表・契約期間満了による退職と認定されれば給付制限なし。業務取扱要領 21503 の離職区分 2D)。フォームに専用の選択肢は無く、「定年退職」を選ぶと同じ条件の計算になる
  • 短期雇用特例被保険者の特例一時金

実際の額・日数・退職理由の区分は、離職票をもとにハローワークが決めます。

参照している資料

いずれも2026年10月13日に内容を確認しました。

更新履歴

日付内容
2026年10月13日退職理由を2区分から5区分に変更(特定理由離職者の2種類と定年退職を追加)。今回より前の5年間の自己都合退職の回数(給付制限3か月)と、加入期間「6か月以上1年未満」の入力を追加。65歳以上を高年齢求職者給付金(一時金)として計算できるようにした。賃金を離職前6か月の合計でも入力できるようにした。結果に計算の内訳、月給の何か月分にあたるか、再就職手当の上限の目安、退職理由が違う場合の比較を追加。結果の印刷とテキストでのコピーを追加。計算例・計算のしかたの説明・このページを追加。
2026年9月25日受給スケジュール(待期の終わり・給付制限の期間・認定日・振込日の目安)の計算を追加。
2026年9月21日賃金日額・基本手当日額の上限額と下限額、計算式の区切りを、令和8年8月1日改定の値に更新。賃金日額の1円未満を切り捨てていなかった点を修正。
2026年3月公開。

次回の確認予定

  • 2027年8月1日:賃金日額・基本手当日額の上限額と下限額、計算式の区切りの改定(毎年8月1日)
  • 2027年3月31日:更新を希望したのに契約が更新されなかった特定理由離職者を、会社都合と同じ日数表で数える暫定措置の期限

計算する

失業保険計算シミュレーターでは5つの退職理由を切り替えて計算できます。退職理由ごとの例は次のページへ。

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