退職給付金のデメリットは2種類|申請するか・業者に頼むかの判断基準

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「退職給付金」という名前の公的な制度はありません。国民生活センターは、雇用保険の失業等給付について「一般に『失業保険』や『失業手当』、『失業給付』、『退職給付金』などと呼ばれることもある」と整理しています(国民生活センター 2025年12月3日)。申請サポートの広告では、これに健康保険の傷病手当金を組み合わせたものを「退職給付金」「社会保険給付金」と呼ぶことがあります。会社の退職金や企業年金(退職給付)とは別の話です。
このため、「退職給付金のデメリット」は2種類に分かれます。1つは、失業保険や傷病手当金を受け取ること自体のデメリットです。制度のルールなので、自分で申請しても業者に頼んでも同じように生じます。この中には、保険料の自己負担のように、申請しなくても退職すれば生じるものも混ざっています。もう1つは、申請サポート業者に頼むことのデメリットです。こちらは業者を使わなければ生じません。
先に結論:2種類のデメリットと、判断の分かれ目
それでも申請するか。失業の状態にある人が申請を見送る余地があるのは、主に次の2つです。①短期間で再就職する見込みがあり、給付日数の境目(加入10年・20年)が近い。②家族の健康保険の扶養に入るほうが、受け取る金額より得になる。入金までの期間、保険料、住民税は、見送っても変わりません。
自分でやるか、業者に頼むか。申請は本人が無料でできます。日額と日数を決めるのは事実とハローワークの認定で、業者が決めることはできません。業者から得られるのは制度の情報と助言で、同じ情報はハローワークと保険者で無料で得られます。
判断の前に、自分の金額を出しておくと比べやすくなります。
失業保険(基本手当)を受け取るデメリット
① 自己都合退職は給付制限が原則1か月。入金はその後の認定日のあと
失業保険は、ハローワークで求職の申込みをした日から、失業している日が通算7日になるまで支給されません(待期・雇用保険法第21条)。これは離職の理由に関係なく全員に適用されます。
正当な理由のない自己都合退職の場合は、待期のあとにさらに給付制限があります。期間は、退職日が2025年4月1日以降なら原則1か月です。退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職をして受給資格決定を受けている場合は3か月になります(厚生労働省のリーフレット)。法律の条文が定めているのは「1か月以上3か月以内」という幅です(雇用保険法第33条第1項)。
給付制限が終わると、その後の失業認定日に認定を受け、それから振り込まれます。振込までの日数は、ハローワークインターネットサービスが「認定を行った日から通常5営業日」、厚生労働省のQ&Aが「認定日の約7日後」と書いています。倒産・解雇などによる離職(特定受給資格者)や、正当な理由のある自己都合退職(特定理由離職者)と認定された人には、給付制限はありません。自分がどちらに当たるかは特定理由離職者の認定条件で、待期の数え方は失業保険の待機期間7日間の数え方で確認できます。
② 受け取ると、給付日数を決める加入年数がリセットされる
失業保険の給付日数は、雇用保険の加入年数(算定基礎期間)で決まります。自己都合退職の場合、加入10年未満は90日、10年以上20年未満は120日、20年以上は150日です(雇用保険法第22条第1項)。
この加入年数は、転職していても通算できます。ただし、基本手当の支給を受けると、その受給資格に係る離職日以前の期間は数えられなくなります(同条第3項第2号)。前の会社を辞めてから次の会社で雇用保険に入るまでが1年を超えた場合も、前の期間は数えられません(同項第1号)。
| 加入9年で自己都合退職した人の例 | 今回 | 再就職して5年後に自己都合退職 |
|---|---|---|
| 今回、失業保険を受け取る | 90日 | 加入5年として90日 |
| 今回は受け取らず、1年以内に再就職する | 0日 | 通算14年として120日 |
上の表は条文に当てはめた当サイトの計算例です。この例では、受け取らなかった場合に次回増えるのは30日分で、今回の90日分より小さくなります。加入年数のリセットが申請を見送る理由になりうるのは、短期間で再就職する見込みがあり、加入年数の境目が近い人です。次回の離職が倒産・解雇などの場合は、年齢によっては差がこの例より大きくなります(30歳未満と35歳以上45歳未満では60日。たとえば35歳以上45歳未満は、加入5年以上10年未満が180日、10年以上20年未満が240日・雇用保険法第23条第1項)。なお、求職の申込みをして受給資格の決定を受けると、1円も受け取らなくても、次回に受給資格があるかどうかの判定(原則として離職前2年間に12か月)では、その離職日以前の期間は数えられません(雇用保険法第14条第2項第1号・業務取扱要領50103)。給付日数を決める加入年数のほうは、支給を受けなければ残ります。
早く再就職した人には、再就職手当があります。給付日数の3分の1以上を残して、1年を超えて雇用されることが確実な職業に就くなどの要件を満たすと、残りの日数分の基本手当の60%(3分の2以上を残していれば70%)が支給されます(雇用保険法第56条の3)。再就職手当を受け取った場合も、その分の基本手当を受け取ったものとみなされるため(同条第4項)、加入年数は同じようにリセットされます。短期間で再就職する見込みの人が比べるのは、「申請して再就職手当を受け取る」か「申請せずに加入年数を残す」かです。
③ 健康保険料・年金保険料の自己負担は、申請しなくても生じる
退職すると、会社が半分負担していた健康保険料と厚生年金保険料の仕組みから外れます。これは失業保険を申請してもしなくても同じです。次の勤め先で社会保険に入るまでは、健康保険(任意継続か国民健康保険)と国民年金の保険料を自分で払います。
- 健康保険の任意継続:会社負担がなくなり、保険料は全額自己負担です。協会けんぽの場合、計算に使う標準報酬月額の上限は令和8年度で32万円です
- 国民健康保険:保険料は前年の所得などで決まります。前年の給与所得を100分の30とみなして計算する軽減がありますが、対象は特定受給資格者と特定理由離職者です(国民健康保険法施行令第29条の7の2)。正当な理由のない自己都合退職は対象になりません
- 国民年金:失業した人は、本人の前年所得を審査から外して免除・納付猶予を申請できます。免除は世帯主と配偶者、納付猶予は配偶者の所得が審査されます(日本年金機構)
住民税も、申請の有無に関係なく生じます。前年の所得で決まるため、退職した翌年度も在職中の所得にもとづく税額が届きます。国民年金の手続きは退職後の国民年金、住民税は退職後の住民税で解説しています。
④ 日額3,612円以上だと、受給中は家族の扶養から外れる(協会けんぽの場合)
家族の健康保険の扶養(被扶養者)に入るには、年間収入が130万円未満などの要件があります。60歳以上の人や障害のある人は180万円未満、19歳以上23歳未満の人(配偶者を除く)は150万円未満と、基準額が異なります。日額3,611円・3,612円は、130万円の基準が当てはまる人の線です。失業保険もこの収入に含まれます。日本年金機構の案内では、雇用保険の受給者は日額3,611円以下なら要件を満たし、基本手当(3,612円以上)の支給が始まった場合は扶養から外す届出が必要です。待期期間中は、収入要件を満たしていれば扶養に入れます。
これは協会けんぽ(事業所を通じて日本年金機構に届け出る場合)の扱いです。健康保険組合は独自の認定基準を持つことがあるので、給付制限の期間中の扱いを含めて、家族の勤務先を通じて確認してください。
⑤ 受け取れる期限は離職日の翌日から1年
基本手当を受けられる期間は、原則として離職日の翌日から1年です(雇用保険法第20条第1項)。給付日数が残っていても、この期間を過ぎた日の分は支給されません。手続きが遅いと、給付日数を使い切る前に1年の期限が来ることがあります。
病気やけが、妊娠・出産・育児などで引き続き30日以上働けないときは、申し出ることで受給期間を延ばせます。延ばした後の受給期間は、離職日の翌日から最長4年です。延長は、もらえる日数を増やす制度ではなく、もらい始める時期を後ろにずらす制度です。
⑥ 金額は在職中の賃金の50〜80%
基本手当の日額は、離職前の賃金日額の50〜80%(60〜64歳は45〜80%)で、賃金が高い人ほど率が低くなります(雇用保険法第16条)。年齢ごとの上限額もあります。金額と日数の早見表は失業保険の給付率・給付日数 早見表にまとめています。
傷病手当金を受け取るデメリット
傷病手当金は、病気やけがの療養のために働けない期間に、健康保険から支給される給付です(健康保険法第99条)。働ける人が受け取れる給付ではありません。
① 金額は標準報酬のおよそ3分の2
1日あたりの額は、支給開始日以前の直近12か月間の標準報酬月額の平均の30分の1の、3分の2です(健康保険法第99条第2項)。在職中の給与の全額は補われません。自分の金額は傷病手当金の計算ツールで出せます。
② 同じ病気やけがで受け取れるのは、通算1年6か月まで
支給期間は、同一の病気やけが(これにより発した病気を含む)について、支給を始めた日から通算して1年6か月です(同条第4項)。受け取った日数は、その病気やけがの残りの枠から減ります。
③ 休職中は、社会保険料の本人負担が続く
在職したまま休職して傷病手当金を受ける場合、健康保険と厚生年金の被保険者資格は続くため、保険料の本人負担分も毎月発生します。これは傷病手当金を申請してもしなくても同じです。免除の仕組みがあるのは産前産後休業と育児休業の期間です。金額の目安は休職中の社会保険料|支払い方法と実額早見表で計算しています。
④ 退職後も受け取り続けるには条件がある
退職後に傷病手当金を受け続けられるのは、資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であり、資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている人です(健康保険法第104条)。協会けんぽは、現に受けている場合のほか、受けられる状態にある場合も含めて案内しており、退職日に出勤したときは継続給付を受ける条件を満たさないとしています(協会けんぽ よくあるご質問)。条文は「継続して」給付を受けられると定めており、協会けんぽは、退職後にいったん仕事に就くことができる状態になった場合、その後さらに働けない状態になっても傷病手当金は支給されないと案内しています(協会けんぽ)。条件の詳細は傷病手当金を退職後も受け取る条件で解説しています。
⑤ 失業保険とは同時に受け取れない
失業保険は、働く意思と能力があるのに職業に就けない状態(失業)の人に支給されます(雇用保険法第4条第3項)。傷病手当金は働けない人に支給されるため、同じ期間に両方を受け取ることはできません。療養中に退職した人は、ハローワークで受給期間の延長を申し出ておき、働ける状態になってから失業保険の手続きをします。延長を申し出ないと、離職日の翌日から1年の期限が進みます。手順は傷病手当金から失業保険への切り替え手順で確認できます。
⑥ 傷病手当金も、扶養の収入に含まれる
日本年金機構は、被扶養者の収入には雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれると案内しています。退職後に傷病手当金を受けながら家族の扶養に入れるかは、金額しだいです。
「最大◯◯万円」「最大28か月」という数字の前提
申請サポートの広告には、金額や期間の上限が大きく書かれていることがあります。退職コンシェルジュの公式トップページには「受給期間は最大28か月間」とあります。ヤメラボの提携先(広告)である転職×退職サポート窓口も、ページのタイトルに「最大200万円」、冒頭の画像に「最大300万円」と表示しています。どちらも、前提条件の注記は確認できませんでした(2026年10月4日確認)。国民生活センターの相談事例にも、「最短で1か月後には傷病手当が出て、失業給付も10か月間に延長できるようにサポートする」と言われて契約した、というものがあります。
各社は期間や金額の内訳を示していません。28か月という長さは、次の2つを順番に受けた場合の合計(1年6か月+約10か月)と一致します。これは当サイトの推定です。
- 傷病手当金:通算1年6か月。その間、医師の意見などをもとに、保険者が働けない状態と判断していることが必要です
- 失業保険の「就職困難者」の区分:加入1年以上なら、45歳未満で300日、45歳以上65歳未満で360日です(雇用保険法第22条第2項)
就職困難者に当たるのは、身体障害者、知的障害者、精神障害者などで、ハローワークが受給資格を決定する時点でその状態にある人です。認定するのはハローワークで、診断名があれば自動的に当たるわけではありません。対象と確認方法は就職困難者の失業保険300日|うつ病・適応障害の条件で解説しています。
制度上、この長さになりうるのは、実際に長期間働けない状態が続き、その後ハローワークに就職困難者と認定された人など、給付日数の長い区分に当たる人に限られます。業者と契約することで、この区分に入れるようになるわけではありません。国民生活センターも、失業保険の給付は「あくまでも行政機関による審査を経て、個別の条件に応じて決定されるものであり、サポートを受ければ誰でも一律にもらえるというものではありません」と書いています。
申請サポート業者に頼むデメリット
① 料金は一括払いで約22万円〜60.5万円
2026年10月4日に公式サイトで確認した5サービスの料金は、一括払いで約22万円〜60.5万円でした。国民生活センターの資料では、相談が寄せられた契約の平均は約29万円です(2024年度・金額が分かるものの平均)。失業保険の日額の上限は、30〜44歳で8,270円です(令和8年8月1日から)。仮に日額6,000円の人が90日分を受け取ると54万円なので、約29万円の契約はその半分強にあたります(当サイトの計算)。提携先の33万円は、5サービスの中で高い側です。
② 前払いは戻る条件が限られ、後払いは金額が切り替わる条件がある
5サービスのうち4つは、特定商取引法に基づく表記などの上では、給付を受け取る前に料金を支払います(うち1社は、別のページに後払いも可能と書いています)。返金の条件は、公式サイトの中でもページによって書き方が違うサービスがありました。ヤメラボの提携先(広告)である転職×退職サポート窓口は後払いの成功報酬で、再就職手当の入金後に33万円(税込)です。ただし、申請日(受給資格決定日)から6か月以内に再就職できなかった場合などは、55万円(税込)の請求に切り替わります。5サービスの料金・返金・解約の条件は、給付金サポート5サービスの実名比較に同じ項目で並べています。
③ 解約すると違約金がかかることがある
国民生活センターの資料は、一度契約をすると、その後にサポートが不要になり解約を求めても、サポートを受ける前であっても高額な違約金を請求されたり、事業者が解約に応じなかったりすることがある、と書いています。相談件数は2021年度の42件から2024年度は217件に増えています。
④ 申請するのは本人のまま
報酬を得て、行政機関などに提出する申請書の作成や提出の手続きを代わりに行えるのは、社会保険労務士などに限られます(社会保険労務士法第2条・第27条)。国民生活センターは、資格のない事業者が行えるのは「あくまで助言及び指導に限られます」と書いています。資格のない業者と契約した場合、書類を書いてハローワークや保険者に出すのは本人です。
⑤ 事実と違う申請を促されたら、責任を問われるのは本人
国民生活センターの資料には、事業者が指定したオンライン診療を受診するよう説明され、うつ病と診断されるためのマニュアルが送られてきた、という相談事例が載っています。事実と異なる内容で申請して失業保険を受け取ると不正受給にあたり、受け取った額の返還に加えて、その額の2倍以下の金額の納付を命じられることがあります(雇用保険法第10条の4第1項)。同センターは、「知らなかった」「事業者に言われたとおりにした」では済まされないと書いています。
それでも申請するか|状況別の考え方
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 次の勤め先が決まっていて、空白がない | 失業の状態にないので、失業保険の対象になりません。雇用保険の加入年数は、空白が1年以内なら次の会社に通算されます |
| 退職してから転職先を探す | 自己都合は、待期7日と原則1か月の給付制限のあと、認定日を経てから振り込まれます。その間の生活費を先に確保します。加入年数のリセットで次回の日数が変わるのは、加入年数の境目をまたぐ場合です |
| 病気やけがで、すぐには働けない | 失業保険ではなく傷病手当金の対象です。退職する場合は、退職後も受け取る条件(加入1年以上など)と、失業保険の受給期間延長を先に確認します |
| 家族の扶養に入るつもり | 失業保険の日額が3,612円以上なら、受給中は扶養から外れます(協会けんぽの場合)。受け取る金額と、扶養を外れている間の保険料を比べます |
受け取ること自体のデメリットは、どれも「受け取る金額」と比べられるものです。まず失業保険の計算ツールか傷病手当金の計算ツールで自分の金額を出し、入金までの生活費と保険料を引いて考えてください。
自分でやるか、業者に頼むか
| ルート | 費用 | できること |
|---|---|---|
| 自分で申請 | 0円(傷病手当金は医師の証明に文書料がかかることがある) | ハローワークで申請手続きの相談や案内を無料で受けられる |
| 社会保険労務士に依頼 | 報酬(要見積) | 申請書の作成と提出の手続きを任せられる |
| 申請サポート業者 | 一括払いで約22万円〜60.5万円(5サービス・2026年10月4日確認) | 資格のない業者ができるのは情報提供と助言。申請するのは本人 |
業者に頼んでも、入金までの期間、加入年数のリセット、保険料、扶養の扱いは変わりません。変わるのは、手続きを調べる手間と、相談できる相手がいるかどうかです。そこに数十万円を払うかどうかが、この判断の中身です。最初にハローワークへ行く日の準備はハローワーク初回の持ち物チェックリストにまとめています。
それでも業者に相談する場合
契約の前に、支払う総額、支払いの時期、返金の条件、解約したときの扱いを、契約書の条文で確認してください。ヤメラボが提携している給付金サポート(広告)は転職×退職サポート窓口です。問い合わせはメールかLINEで行います。料金は公式のサービス案内に書かれており、広告のトップページには金額の記載がありません(2026年10月4日確認)。提携先にも、ほかの4サービスと同じ項目を当てて比較しています。
※転職×退職サポート窓口はヤメラボの提携先(広告)です。成功報酬33万円(税込・再就職手当の入金後)。条件を満たさない場合は55万円(税込)です。条件の詳細は給付金サポート5サービスの実名比較にまとめています。
よくある質問
退職給付金を受け取ると、次に失業したときに不利になりますか?
失業保険(基本手当)を受け取ると、給付日数を決める加入年数(算定基礎期間)は、その離職日までの分が数えられなくなります(雇用保険法第22条第3項第2号)。自己都合退職の給付日数は加入10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日なので、境目に近い人は次回の日数が短くなることがあります。受け取らずに1年以内に再就職して雇用保険に入れば、加入年数は通算されます。
退職給付金に税金はかかりますか?
失業保険(基本手当)にも傷病手当金にも、所得税・住民税はかかりません(雇用保険法第12条・健康保険法第62条)。ただし、住民税は前年の所得で決まるため、退職した翌年度も在職中の所得にもとづく住民税の納付は続きます。
退職給付金を受け取りながら、家族の扶養に入れますか?
日本年金機構の案内では、雇用保険の受給者は日額3,611円以下なら被扶養者の収入要件を満たし、基本手当(日額3,612円以上)の支給が始まったら扶養から外す届出が必要です。支給が始まる前の待期中は、収入要件を満たせば扶養に入れます。傷病手当金も被扶養者の収入に含まれます。健康保険組合は独自の基準を持つことがあるので、家族の勤務先を通じて確認してください。
退職給付金は自分で申請できますか?
できます。失業保険は住所を管轄するハローワークへ、傷病手当金は加入している協会けんぽ・健康保険組合へ、本人が無料で申請します。国民生活センターは、ハローワークでは申請手続きについて無料で相談や案内を受けられるため、通常は事業者を利用しなくても自分で手続きできると説明しています。
申請サポート業者に頼むと、受け取れる金額は増えますか?
日額と日数を業者が決めることはできません。失業保険の日額と日数は、離職前の賃金・年齢・加入年数・離職の理由で法律上決まり、認定するのはハローワークです。傷病手当金は、医師の意見などをもとに、保険者が働けない状態と判断した期間について支給されます。国民生活センターも、失業保険の給付は行政機関の審査を経て個別の条件に応じて決定されるもので、サポートを受ければ誰でも一律にもらえるものではないと説明しています。
業者に言われたとおりに申請して不正受給になった場合、責任は誰にありますか?
申請者本人が責任を問われます。偽りその他不正の行為で失業等給付を受けると、受け取った額の返還に加えて、その額の2倍以下の金額の納付を命じられることがあります(雇用保険法第10条の4第1項)。国民生活センターは「知らなかった」「事業者に言われたとおりにした」では済まされないと書いています。
まとめ
退職給付金のデメリットは、受け取ること自体のデメリットと業者に頼むデメリットの2種類です。前者は、入金までの期間、加入年数のリセット、扶養の扱いで、制度のルールなので誰が申請しても同じです。保険料と住民税の負担は、申請しなくても退職すれば生じます。後者は、数十万円の料金と、返金・解約の条件で、自分で申請すれば生じません。
申請を見送る余地があるのは、短期間で再就職する見込みがあって加入年数の境目が近い人と、家族の扶養に入るほうが得になる人です。業者に頼むかどうかは、手続きを調べる手間と相談相手に、料金を払うかどうかで決めます。どちらの判断も、まず失業保険の計算ツールで自分の金額を出すところから始めてください。
本記事の制度の説明は、雇用保険法・健康保険法・社会保険労務士法(e-Gov法令検索)、厚生労働省のリーフレット(給付制限の取扱い)、日本年金機構・協会けんぽの案内、国民生活センター「失業保険の給付額等を増やすことができるとうたう申請サポートに注意」(2025年12月3日)の原文によります。基本手当の日額の上限は令和8年8月1日から令和9年7月31日までの額です。5サービスの料金と条件は、各社の公式サイトの特定商取引法に基づく表記・利用規約・サービス案内を2026年10月4日に確認したもので、面談と契約書の内容は確認していません。



